馬場あき子の旅の歌【砂の大地】『飛天の道』(2000年刊)187頁
参加者:H・A、T・S、藤本満須子、T・H、鹿取未放
レポーター:欠席
司会とまとめ:鹿取 未放
◆ レポーター欠席のため、元のレポートはありません。「火焔山」の「焔」は、原作では旧字体です。
237 言葉失う奇観の中の火焔山つひに低頭の思ひわきくる
(「失う」の「う」は、歌集のママ)
(意見)(2010年8月)
★青年僧の玄奘の思いに頭を垂れる思い。(藤本)
★236番歌「畏れ」から237番歌「低頭」へと深まりが見られる。(H・A)
(まとめ)(2010年8月)
236番歌に見られるようにあまりの山容の凄まじさにただただ見とれ、茫然自失となって言葉も出ない。そうして圧倒されて眺めているうちに、最後には頭を下げるしかない敬虔な気持ちになったというのである。ここには(藤本説)の玄奘は登場しないので、「低頭の思ひ」の対象は火焔山、自然の圧倒的な強さに低頭の思になったと私は解釈する。作者は旧かな表記なので「失う」は「失ふ」とあるべきだが、歌集は「失う」となっている。誤植であろう。(鹿取)
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