かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

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ブログ版 渡辺松男の一首鑑賞 2の53

2018年04月04日 | 短歌一首鑑賞
  ブログ版渡辺松男研究2の8(2018年1月実施)
    【百年】『泡宇宙の蛙』(1999年)P40~
     参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉真帆 司会と記録:鹿取未放
  
     
53 圧しゆがめられたるさまに椎の木の瘤はあるなり一つ目の瘤

         (レポート)
 ケヤキのように樹皮がすべすべの木もあれば、杉のように縦に割れ筋が入っているものもある。ここに詠まれている椎の木は神社の境内に祀られているような樹齢を重ねた椎なのかもしれない。巨大な圧力がかかりゆがめられたように幹や枝をくねらせている。枝打ちした断面の跡か、その瘤は一つ目のようにぎょろりと作者を見ている。椎は思惟と置き換えて鑑賞することも充分ゆるされると思う。(真帆)


         (後日意見)
 椎の木はどこの野山にも見られ、実は炒って食べることができるそうだ。瘤のある椎の木もよく見かけるが、この歌の瘤は「圧しゆがめられたる」だから綺麗な円形ではなくぐにゃりと歪んでいるのであろう。瘤が何個もある個体もあるが、この木には歪んだ瘤が一つだけ付いていて、それを「一つ目の」と言っている。この結句「一つ目の」で、写実のような歌が、ルドンの絵のようなシュールなものになる。
 レポートの「枝打ちした断面」だと「圧しゆがめられたるさま」にはならないだろう。また、作者には「椎は思惟と置き換え」る発想はないだろう。作者は〈樹木の歌人〉と言われるほどさまざまな樹木をうたっていて、それぞれの木に向き合い対話している。ことさらに椎の木だけを「椎は思椎と置き換え」とは言わない方がよいだろう。(鹿取)



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