馬場あき子の外国詠 ⑦(2008年4月実施)
【阿弗利加 3 蛇つかひ】『青い夜のことば』(1999年刊)P171
参加者:泉可奈、N・I、崎尾廣子、T・S、Y・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:T・S *レポートの表記は、句読点・誤字脱字を含めママ。
司会とまとめ:鹿取 未放
57 蛇つかひ黒い袋に手を入れてくねる心を摑み出したり
(まとめ)
くねる心、といったところが面白い。くねる体、では当たり前の歌にしかならなかった。もちろん、くねっている蛇体に心は反映されている。黒い袋、もゴミ袋のようなただのビニールかもしれないが、黒という色を出したことで神秘的な効果が出た。(鹿取)
(レポート)
くねる蛇の心を摑むという詩情と、黒い袋の中に手を入れる悲哀感。取り出す立体感。この微妙な働きをする蛇遣いは、見物人である作者の心まで掴んだ。(T・S)
(当日意見)
★くねる体、でなく心であるところが上手い。(崎尾)
★T・Sさん、黒い袋の中に手を入れるのは別に悲哀感じゃありません。(藤本)