フランチャイズ開業&読書日記・・・どこまで行くの?

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天地明察 冲方 丁著

2011年09月08日 17時29分36秒 | 書評 小説系
以前から話題となっていた「天地明察」を読みました。
江戸時代前期の囲碁棋士で天文暦学者の渋川春海の生涯を描いた作品です。


時代小説、歴史小説との違いをざっくり区別すると
時代小説は架空の人物を、歴史小説は実在の人物を扱うようです。

本書は、実在する人物をほぼ史実に従って描かれていますが、
多くの人にとっては無名であるこの人物を扱うことによって
さまざまな登場人物と絡ませ、
その中で著者の創造性を発揮することに成功している作品でした。

特に、春海が、老中酒井に命ぜられ、建部・伊藤とともに
日本全国を測量の旅にまわるシーンが僕にとっては印象的です。

歴史の結果だけを捉えたら、
春海は改暦という偉業を成し遂げた人物ですが
そこには春海自身の人間としての成長とともに
様々な苦悩と苦難があったはず。
そういった人間理解を前提にして、物語が展開しています。

誤問を設題してしまい、失意のどん底にいる春海が
建部、伊藤の励ましをうけながら回復・成長していく様は
青春小説でもあり、読む者を元気にさせるストーリーでもありました。

先を生きる者は、若者に対して建部や伊藤のようにありたい、
と思わせるストーリーの展開が見事でした。

来年、映画化されるそうでぜひ映画のほうも観てみたい作品のひとつです。



天地明察
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角川書店(角川グループパブリッシング)


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