五十路男の失敗日記

生涯独身男の青春の挽歌

カセグレン式反射経緯台による木星、土星の観望

2022年11月21日 | 天文
おっ・・すぅっげ・・・(感心)

先週土曜日に、部屋の片隅で埃をかぶっていたカセグレン反射(廉価版)
「ケンコー スペーシア800」
という名前からして、「初心者が買ってはいけない望遠鏡」臭がプンプンするわけですが。

こちとら一応は天文歴40年(休み多し)
光軸調整を必死でやって、性能を引き出してみようではないかと。

月曜夕刻は、雨上がりでよく腫れて上空大気の状態もよく、惑星観望には良い天気。

逸る気持ちをおさえつつ、望遠鏡を木星に向けてみて反省。



先週土曜日のテストでは、「同スペックのニュートン式反射に遠く及ばない」.と書いたわけですけど…

センセンシャル!

なんとまぁシャープな見え味よ。
同スペックニュートンと同等とまではいかないが、それに迫る見え味に息をのんだ。

これは撮影に挑戦するしかないと、コンパクトデジカメを三脚につけて接眼部に覗かせるコリメート撮影。

冒頭の写真は、さっき(18時すぎ)に撮影(トリミング)。
写真よりも眼視のほうが、木星の縞模様がはっきりわかんだね。
写真でも、2~3本の縞模様と極に近いところの色が濃いのがわかる。



調子に乗って、南西に傾きつつある土星にも望遠鏡を向ける。
ガリレオが「この星には耳がある」と驚いたという伝説、まさにそんな感じ。

写真は結構画像処理してるけど、ちゃんとリングになってる。
もちろん眼視でもリングはくっきり。

(たぶん)球面鏡の悪いところを、800ミリ(F8)という焦点距離で補っているのかもしれない。

月食撮影などには使えないかもだけど、軽量で移動が楽なんで、冬の観望に活躍してくれそうで楽しみ。

カセグレン式反射望遠鏡の調整

2022年11月19日 | 天文
部屋の片隅で埃を被っていた口径10㎝カセグレン反射を引っ張り出し、光軸調整をしてみる。

カセグレンというと、シュミットカセグレンのイメージが強いけれど、この純カセグレンもなかなか良い味出してます。



しかし、鏡筒の入り口1/3を副鏡が覆っているのは…
主鏡の直径は10㎝あるけど、これは実質6㎝程度では。

三本の鉄の棒で副鏡のセンタリングはやってあるので、あとはひたすら副鏡の3つ三角形に並んだネジを、六角レンチで少しずつ回すだけ。
鏡筒後部の覗き口から見て、同心円に見えるように…ってマニアックな話はいいんですが。

7割がた合わせて、次はベランダ観測所に出して実際に明るい星を見て微調整。
それでも目分量だし、素人同然の筆者には8割強までしか合わせられないのですが。

木星を見ると「かわいい」
この時点で、数字上同スペックのニュートン反射に遠く及びません。
倍率を133倍に上げて見ると、まぁかわいいけどそこそこシャープには見えるかな?
薄雲ごしというのがもどかしい。

カセグレンは、鏡筒の後部から覗く仕様が長所とされているけど、高い空を見るには光軸を直角に曲げる「天頂プリズム」が必須、上を向いて覗くのは首が持たない。
天頂プリズムは、像が鏡に映したような裏返しになるのが嫌なんだよなぁ。

本来主鏡を放物面鏡、副鏡を双曲面鏡になるように研磨しなければならず、非常に製作が難しいためあまり作られない望遠鏡。
うちのカセグレンはどっちも安い球面鏡を使っているだろうからよく見えないんだ…やっぱり値段です望遠鏡は。

とりあえず天気の回復を待って、木星や月を見るのが楽しみです。

2022年11月8日 皆既月食 天王星食

2022年11月09日 | 天文
昨年11月19日の部分月食以来の月食観測。

皆既月食としては、2018年1月以来の好天に恵まれました。
口径10㎝反射赤道儀という望遠鏡と、コンパクトデジカメの組み合わせは、スッキリした写真が撮れるはずもなく。
とにかく、与えられた機材でなんとかしよう。

連続写真左上から右下へ、全部で108枚も撮影してしまいました。

今回は地球の影の中心近くを月が通ったので、かなり暗い印象。
そういえば去年あたり、火山が噴火した影響もあるのかも。
噴煙が上空の大気を濁らせて、皆既中の月を照らす赤い光が少なかった可能性も…あるかも。

写真を撮るのに夢中で、思い出がないという失敗談を聞いたことがあるので、肉眼や双眼鏡でもよく脳味噌に焼き付けておきました。
10円玉のような月が、刻々と姿を変えていく、赤銅色の月がぽっかり浮かぶ秋の快晴の夜空はなんとも幻想的。

個人的には、皆既の始まり前後と終わり前後が好き。
細く光る部分食の欠け際が、青っぽく見える「ターコイズフリンジ」が美しい。
地球の影の奥深くに月が入ると、とくに望遠鏡で見た場合ネズミ色っぽく見えてあまり美しくないし、撮影も難しいのです。

で、今回は皆既中の月が、天王星を覆い隠すというオマケつき。







矢印のツブが天王星です。
20時40分頃に月の後ろに隠されるということで、1分前から望遠鏡で睨みつけていました。
月の縁にくっついた!→消えた!の間が、2.5秒くらい。

東京のYoutubeの中継を聴きながら見ていたけど、地元では少し遅れて掩蔽が起こって、視差(見ている地点の差)を感じることができた。

ということで、風邪ひいたみたいなんで薬飲んで寝ます。

明けの明星 2022年1月14日

2022年01月15日 | 天文
午前6時30分頃撮影

母上をデイサービスに送り出すため、朝6時すぎに起こしにいくわけですが…
昨年末に夕方の南西の超低空に光っていた金星が、地球をインコースから追い越して明け方の東天にまわったのが見えたので、慌てて望遠鏡をベランダ観測所に出して観望と撮影。

8㎝マクストフカセグレンは正立プリズムを装備しているので、丁度昔の「月星シューズ」のマークみたいに下が光ってる美しい形に見えた。
デジカメを望遠にして、接眼レンズに向けてコリメート撮影、手ブレがひどくて何度も撮りなおしましたが。

地平線から高度10度くらい、地上の景色の電線の間をつっきって昇ってくるわけですが、日の出との競争で焦りました。


観測時そのままの角度の望遠鏡

ほとんど水平。

これから金星は、次第に地球から離れて、数か月後にぐるりと太陽の向こうへ周って外合となります。

ぶ厚い大気に覆われ、太陽から近いために蒸し焼き状態と言われる金星。
過酷な環境にはとても見えない、いかにも美の女神という感じの輝きだった。

地球照

2021年12月03日 | 天文
11月19日に地球の影に入って月食を起こした月が、ぐるりと明け方の東天にまわりました。

12月3日の夜明け前の写真、糸のように細い月と、月の夜の部分がぼんやり光る「地球照」
文字通り、月の夜の部分を地球が照らしている現象。
月面から見る地球は、結構明るいのだと思う。

月面に立って見上げると、細く欠けた地球の夜の部分が月あかりでぼんやり光って見える…かもしれんけど、そんなの見たら人生観が変わってしまうかもなぁ。

12月4日には、この月が更に東へ移動して(写真だと左下)太陽と重なる「皆既日食」が起こりますが。
残念ながら見えるのは南極大陸、地球上に落ちる月の影は小さいから、見える地域がかなり限定されます。
日本から見ると、月が太陽の南側を通過してしまって日食にならず。

まぁこのコロナ禍では、観測に出かける人もいないと思うけど…

月食と日食はセットで起きることが多いです。
平たく言うと、太陽、地球、月が一直線に並んだときに起きる現象なんで(日食は太陽、月、地球の順)、月がぐるりと半周したときも一直線に並びがちだから。

日食、月食の周期は18年と11日(または10日)
2003年に、同じような食があったはずだけど覚えていないなぁ…

2021年11月19日 ほぼ皆既月食の部分月食

2021年11月19日 | 天文
見とけよ見とけよ~。

ということで、待ちに待った「ほぼ皆既月食」
あいにくの薄雲に悩まされながらの観測となりました。

月が昇ってくる方角が、我が家のベランダ観測所ではマンションの陰になるため、17時45分頃にようやく見えたときにはほぼ皆既に近く(連続写真上段一番左)

食の最大、約98%欠けた頃には薄雲がさらに薄くなって、でもISO800にしないと欠けた赤い部分が写せず……粒子が粗いのはしょうがない…

 

今回の月食、地球の影の部分は割と暗かったかも。
望遠鏡による眼視では、うっすら赤みがかったネズミ色に見えた。

 

久しぶりに、ハレー彗星ブームの頃の10㎝ニュートン反射赤道儀(コメット100M)を出してみた。
撮影に夢中になりがちだけど、じっくり眼視で見ると非常に美しい。

望遠鏡で見るのも勿論いいけど、端っこが細く光った赤黒い月がぽっかり浮かぶのを肉眼で眺めるのも神秘的で良き。

ああ、あの方向に地球の影が伸びているんだなと、宇宙を立体的に感じる数少ない機会でありました。

十五夜は8年ぶりの満月

2021年09月21日 | 天文
腹減ったなぁ

今年の十五夜お月さんは、8年ぶりに満月と重なるそうで、団子喰いてぇけどな~俺もな~。
疲れた体を引きずって、移動が楽な6㎝屈折経緯台(ファミスコ60S)を持ち出して撮影。
光軸調整とか面倒なことも不要、軽いし扱いやすいです屈折望遠鏡は。

見てみると、真の満月を少し過ぎてます。
向かって右端が少し欠け始めていて、十六夜に近い見え方になっている。
かすかにクレーターが写っております。写真がまずいんでわかりにくいけど。

明後日23日は秋分の日だし、9月に入って急に涼しくなったことも相まってすっかり秋という感じです。
つい先日まで、暑い、アツゥイ!!って言ってたのに。

2021年5月26日  皆既月食

2021年05月27日 | 天文
今日観測きつかったね。

皆既月食が起きたけど、月が出ていない。
昼間は晴れていたのに、暗くなってきたら怪しげな雲に覆われて…

結局、皆既月食は雲の向こう側で展開されて、我が家近くの広場には月蝕難民の爺さん婆さん、なぜかパジャマのおねーさんらが右往左往。
筆者は一応、空模様には気をつけつつ家に戻って部屋でテレビを見てたですよ。

なんか寒い風が吹いてきたし、天体望遠鏡ニョッキリ生やしていた日にゃ怪しいおじさん全開なんだなこれが。

皆既食が終わって45分ほど後、南東の空を見ると薄雲ごしに終わりの部分食が見えて、慌てて望遠鏡担いで広場へ。
皆既が終わったら誰も興味がないのか広場は無人、みんな冷たい。

ファミスコ60Sにコンパクトデジカメのコリメート撮影、左から21時23分、32分、38分。
宇宙に投影された地球の影から、徐々に月が抜け出していく様子を観察でき、その後また雲が厚くなってしまった…

薄雲で少しぼんやりした、水芭蕉が似合いそうな黄色っぽい夜更けの部分月食はなかなか味があったねぇ。

木星と土星の最接近 2020年12月21日

2020年12月21日 | 天文
おっ・・すぅっげ・・・

今日は待ちに待った木星と土星の最接近。
まぁ角度的に、地球から見てくっついて見えるだけなんですが。

これほど接近して見えるのは、400年ぶりだとか800年ぶりだとかなんとか言われてるけど、どっちが正しいんだろう…。

次の大接近は60年後だそうで、筆者は生きていないな。

ということでこのチャンスに望遠で撮った大接近の様子、遠くの電柱も一緒に写せたのでどれだけ接近しているのかがわかる…かも。

筆者は目が悪いので、よく目をこらして見ないと肉眼では両星がくっついてひとつの星に見えてしまうのですが。
双眼鏡では、丸い木星と小さな米粒のような土星がくっついていて可愛かったです。

日食や月蝕と比べて派手さはないんだけど、珍しい現象として記憶に残るでしょう。

木星、土星、月の見かけ上の接近

2020年12月17日 | 天文
月が接近して見えるのは今宵だけですが、木星と土星はこれからますます近づき、12月21日には月の見かけの直径の1/3くらいまで接近して見えるとか。

なんでも200倍くらいに倍率を上げた望遠鏡の同一視野に見えるというから驚き。

これは数百年ぶりの天文ショーらしいんですが…
次に見られるのは300年くらい後だったかな(うろ覚え)

21日、肉眼ではよく見ないと木星と土星がほとんどくっついて見えるのではないかと期待してます。


★以下日記
母上が4人部屋に移動したそうで。
点滴だか何だかのチューブ類も取れるらしい。
病院へ行ってもコロナの影響で面会もできないのは、困ったもんだなぁ…

2020年11月30日 半影月食

2020年11月30日 | 天文
東から昇った満月が、地球の半影に入る「半影食」を観測。

ベランダ観測所にいつもの12,5㎝反射経緯台を出して、食の最大を待つ……薄雲が行ったりきたり、月が雲でまだらに見えたりして不安がよぎるが…

食の最大の18時43分には、スッキリと晴れて撮影できました。
写真は18時44分、本影に近い左上(北側)ほど薄暗く、影から外れる右下(南側)は明るく輝く。

ゆで卵の輪切りでいうと、黄身が本影、白身が半影で、本影に入ったときに月が欠けて本当の意味での「月食(月蝕)」となります。
半影食の月面に立って太陽をみると、地球が部分的に太陽を隠して見えるというわけ。

月面の温度が、半影に入ると急激に下がるそうなので、この左上の薄暗いところはかなり冷えていると思われ。

影のせいなのか、いつもは(見た目)平坦に見える月面が、望遠鏡の眼視では少し球体に見えた…ような気がしました。

マーキュリー

2020年11月27日 | 天文
先日23日の明け方、東南東の超低空にポツンと光る星が。
大急ぎでカメラと三脚を持ち出して撮影。

金星は割と高い位置に輝いていたけど、一番内側を公転する水星はいつも太陽のそばにしか見えないので、観測が難しい惑星であります。
丁度ベランダ観測所から見て、低空が開けた方角だったのでラッキーだった。
写真中央の、やや上部の星がそれ。

有名な天文学者、コペルニクスも実際に水星を見たことがなかったと言われているけど、本当だろうか…
望遠鏡で見ると、半月状に見えることもあるとか、でも高度10度にも満たない低空では大気の影響で鮮明に見るのは難しいと思われ。

水金火木土天海…天文歴37年で全部見ることができたなー。

火星と中秋の名月 2020年10月1日

2020年10月01日 | 天文
10月1日は十五夜、中秋の名月。

天気に恵まれ、Gの季節も終わった(?)ことだし、ベランダ観測所にいつもの12,5㎝ニュートン反射望遠鏡を出して観望&撮影。

真の満月は日付が変わってからなので、やや欠け際にクレーターが見られるのだけど…
丸くなってんぜ。

月を見上げると、東側に火星が赤く輝いていて、そっちも望遠鏡を向けてみる。
折しも、2年に一度の接近中の火星です。

「火星観測は難しい」とよく言われるが、本当に難しい。
望遠鏡の倍率を111倍に上げて見ると、木星よりは小さいものの、けっこう大きく見えるんですが…

表面の模様がよくわからない。
現在、極冠(火星の北極、南極にある雪で白く見える)が小さく、目立たなくなっているという事前情報はあったけれど、本当に微かに見えるかどうかというところ。

南側に、薄暗い模様が見えるけど名前がわからない。
にわか観測者あるあるなのかもしれません。
一応、写真も撮ったけれど…



写真の上が南で、かすかに模様が写ってる……ような気がする?

天体観望2020年夏

2020年08月05日 | 天文
疫病が流行っても、天体観測はぼっちでできるからいいッスよね。

昨年秋から今年春にかけて話題になったオリオン座。
もう白みはじめた夜明けの東天に、姿を見せとります。

ベテルギウス(→)の明るさやいかに……ドキドキして見たけど、何とか1等星の明るさを保っている感じ、写真じゃよくわからんが。
今年6月まで、夕方の低空に追いかけた金星(↑)も、地球を追い越して太陽の西側(夜明けの東天)に非常に明るく輝いとります。

熱帯夜が続いているけど、秋というか冬の気配を感じてホッとしますね。


で、8月4日は12,5㎝反射望遠鏡を持ち出して、木星と土星の撮影。
夏の落ち着いた気流のおかげで、眼視ではシャープに見えたけど…



シャープさはいまいちだけど、コンパクトデジカメではこんなもんかな。
一直線に並んだガリレオ衛星も可愛かったが、写真には写らない…

細かく望遠鏡の光軸調整をしつつ、10カットくらい写して、ピントが合ったところで、すぐ東(左側)の土星に望遠鏡を向けてみる。



カシニの空隙が見える望遠鏡は、重くてデカくて持ち出すのが難儀なんで、これで我慢汁。
眼視だとシャープなんだけどな~写真はいまいち…(責任転嫁)



画像処理しても、たかが知れてるって感じ。

望遠鏡を覗くときは、メガネかけてるとホントきついっす。

木星、土星の観望 2020年6月

2020年06月17日 | 天文
夜半すぎに南天、やや低空を見上げると、明るい二つの星が目につきます。

明るい方が木星、暗い方が土星です。
梅雨の晴れ間は、シーイングが素晴らしい日がたまにあるという話を聞いたことがありますが、まさに昨夜はそんな夜空。
透明度抜群、大気の揺らぎもほとんどない。


3月だったか、必死で光軸調整した12,5㎝反射望遠鏡を持ち出して、木星と土星を狙う

光軸調整する前は、ボケボケだった木星もクッキリ見えてたまげたなぁ…
143倍と倍率は低めながら、縞模様が不規則な帯になっているのがはっきり見えた。

チャレンジということで、コンパクトデジカメでコリメート撮影したのがトップ画像です。
惑星の王者の風格に見ていて大興奮、力抜けよ。

木星を撮ったあと、望遠鏡を土星に向けてみる。

土星は遠くにあるため、さすがに小さいです。
低倍率36倍では、黄色い米粒みたいだけど、これも143倍に上げてみるとリングがくっきり。



ああ^~いいっすねぇ~。
対象が小さいだけに、木星よりも難物です。
高倍率にすると暗い。



眼視では本体に縞が一本、環にカシニの空隙がかすかに見えてたけど、写ってる…写ってない?
画像処理をしてみたけど、どっちもどっちですな…