cuminseed

ちょっとだけスパイシー

北京の親戚(北京ダック)

2006-11-12 | 中国
料理が半分ほど出てきたところで、
いよいよ『北京ダック』の登場となった。
若くてハンサムなコックが、
ふた付のお盆を持って部屋の中に入ってきた。
テーブルの近くまで来てふたを取ると、
まだ、湯気を立て、ジュージューと音がする、
黄金色に焼き上げられた北京ダックが姿を見せる。
「おぉ~~~」
日本で食べた鶏の北京ダックと、
香りも色も全然違う!
と自分でも訳の分からないことで感動してしまった。

目と鼻で楽しんでいると、
コックはふたを閉じてすぐに出て行ってしまった。

20秒もしないうちに、先ほどのコックが、
カートに北京ダックを乗せてやってきた。

四角い中華包丁を手にし、
北京ダックの薄皮を、すばやくそぎ落とし始めた。
次々にお皿に盛られていく。
それを、蒸籠(せいろ)に入れられた、
蒸したての薄餅(ポービン)に乗せ、
細くきった白い長ネギを添え、
甘辛いソースを塗り、
一方の端を折り曲げ、くるくると巻いて食べる。
食べたときに、肉汁がこぼれないようにする為だ。



私は片手でしか出来ない為、
妻に作ってもらった。
大きな口を開けて、ほお張る。
『さすが本場の北京ダック。満足だ!』

本場の北京ダックは、筒状のストローみたいなものを、
アヒルの口に突っ込み、餌を無理やり食べさせて太らせるそうだ。
フォアグラもガチョウの肝臓を無理やり大きくして食べるのだが、
それと、同じ事をしているのだろう。
北京ダックは、飼育中に強制的に水の中で泳がせ、
肉の締まり具合を良くして、牛と同じように、
肉の繊維の中に霜降り上の脂肪を蓄えさせるそうだ。



コックが、きれいに皮を剥いだ北京ダックの、
身を切り出しお皿に並べ始めた。
「ええ~~~」
驚きである。
私は北京ダックとは皮だけを食べるものだと思っていた。
だれに聞いたわけでもないのだが、
北京ダックとは宮廷料理で、贅沢に食べないと美味しくない。
だから皮だけしか食べないのだと聞いたことがあり、
それを信じていたのだ。

妻に聞くと
「中まで美味しく焼けているのに、
 この骨の中の髄も美味しいよ」

そりゃそうだ。
中国人は、4本足で食べないのは机だけだと言われるぐらいなのに、

皮しか食べないのは、
「日本人」
だけだそうだ。

くだらない話を信じていた自分自身が
面白くなってきた。
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北京の親戚(松鼠桂魚)

2006-11-11 | 中国
昨年の5月、中国に行ったときは、
4日間の北京滞在中、妻の家族や親戚・友人、
障害者団体との交流会などたくさんの人と会ったので、
どうしても、会った人すべてを詳しく覚えることが出来なかった。

ただ、招待された宴会の席で食べた料理だけは印象に残っている。
上海の義兄以外の妻の家族や親戚は、
すべて北京で会うことができた。
北京に住んでいる家族や、
遠くからは、わざわざ青海省から
妻の姉が私たちに会いに来てくれた。

北京空港に到着してすぐに、
北京市内にあるレストランに連れて行ってもらった。
妻の家族や親戚が集まり、私たちをもてなしてくれると言う。
空港から乗ったタクシーの中で、
『北京ダック』用意してくれていると聞いた。

北京に行くからには、北京ダックを食べないと、
行った意味がないので、
食べる機会を作っておいてくれと妻に頼んでおいた。
それを聞いて妻の家族達が用意をしてくれていたのだ。

妻の兄弟とその家族、私たち夫婦と私の母を入れて
総勢16人の宴会となった。
8人ずつ、二つのテーブルに分けて料理を頂いた。
日本でもおなじみの丸く2段になっていて、
中央部分が回転するようになったテーブルだ。



日本でこのようなテーブルで食事をするときは、
たいてい、お店が用意したコースで、
出てくる料理が決まっていることが多いのだが、
中国では、1品ずつ自分たちで決めていく。
この日は、小部屋と食べる料理を3日前から予約していたらしいのだが、
料理の注文方法にもルールがあったようだ。
今年の7月、雲南省に行った最終日に広州で食事をしたときに聞いたのだが、
食べる人の数にプラス一品、それにスープを注文するのが原則らしい。

一つのテーブルに8人だから、9品の料理にスープを食べたことになる。
その中に、北京ダックも入っている。
最初に運ばれてきたのは、
『松鼠桂魚』
川魚を揚げた料理で、頭と尾は付いているのだが背骨を取っていて、
肉に切れ目を入れ、松笠のように綺麗に広がりをもって揚げている。
別のお皿にエビの入ったトマト味の甘酸っぱいたれを
魚の上にかけると、小さく「チリチリチリ」
と音がし、あま~~~い香りが、ぷーんと漂ってきた。
その音をリスの鳴き声に見立て、この名前が付いたそうだ。
中国語で「松鼠」はリスのことだそうだ。



妻の長男が、
「これは家族の長が最初に頭に箸をつけ、
 それから他のものが、食べることが出来るのです。
 今日は日本から来た、末娘の夫の歓迎の宴なので、
 最初に頭にお箸をつけてください」

「今日はありがとうございます。
 覚めるといけないので、さっそくですが頂きます」
と、お箸を頭につけ、白い身を口に運んだ。
「上手い!」
身がとても柔らかく、淡水魚特有の泥臭さが全然なかった。
中華料理は脂っこいイメージが強かったが、
本物は、上品な薄味が素材本来の持ち味と鮮やかな色をかもしだし
とても満足のいく、一品だった。
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一年

2006-11-11 | 日常
このブログを開設して、
今日で1年が立ちました。

飽きっぽい性格のため、
最初は3ヶ月ぐらいでやめてしまうと思っていたのですが、
皆さんの応援もあり、
続けることが出来ました。

覗いてくださった方々、
これからもヨロシクお願いします。
コメント (1)
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上海の義兄(白酒)

2006-11-08 | 日常
一時はもうダメかと思われた義兄だが、
入院し酸素吸入はしたままではあるが、
一命を取り留めたようだ。

義兄に教えて貰ったことには、
『白酒(パイチュウ)』がある。
最初に北京に行ったのだが、
そこでは妻の家族や親戚、友人たち、
さらに障害者団体との交流会などと
夕食は宴会ばかりで、お酒を呑み過ぎて酔っ払わないように、
ビールばかり呑んでいた。

上海では、義兄夫婦に甥と姪だけで夕食もゆっくり食すことが出来た。
中国のお酒は『紹興酒』と、
『老酒』に氷砂糖を入れたものしか呑んだことがなかった。
どちらかと言うと、薬の味のような感じがして好きではなかった。

妻からは、「昔、北京でアルコールが68度のお酒を呑んだ」
とは聞いたことはあるが、
日本ではそのようなお酒に出会ったことがなかった。

義兄は私にお土産用の『白酒』と、
家で呑む為のものを用意していてくれた。

中国にはワインやビールは別として、
お酒は「黄酒」と「白酒」の2種類に分けられるそうだ。
「黄酒」とはもち米の醸造酒で色が黄色の為、
黄酒と呼ばれるそうだ。(私には褐色にしか見えない)
代表には紹興酒があり、
紹興酒を熟成したものが『老酒』だと教えてくれた。
私は『紹興酒』と『老酒』は、
まったく別のものだと思っていた。
最近は、あまり熟成されていなくても
『老酒』として売られている銘柄も多く
不味くて飲めないと愚痴を言っていた。

『白酒』は「こうりゃん」や「お米」で作られた蒸留酒で、
アルコール度数が50~70度にもなるそうだ。
最近ではお土産用に38度くらいに薄めたものが売られているが、
50度以上の白酒を生で呑まないと美味しくないと、
白い瓶に入った、
『貴州茅台酒(キシュウマオタイシュ)』
を飲ましてもらった。
53度のアルコールでコーリャン独特の香りがし、
毛沢東がニクソン大統領をもてなし、
日中国交回復の式典で、周恩来が田中角栄首相にもてなして、
世界的に有名になったお酒だそうだ。

中国では、お祝いの宴席での乾杯にも用いられ、
義兄が、日本から来た私をもてなす為に、
用意してくれていたそうだ。

義兄が一人で、朝から作ったたくさんのごちそうを前に、
小さなコップで貴州茅台酒を、
何回も「乾杯」し、料理を頬張った。

さすがに53度のアルコールだ。
義兄も私も途中で酔っ払って、
眠ってしまったようだ。
茅台酒の香りとアルコールの強さは、
今でも忘れることが出来ない。

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武庫川のコスモス

2006-11-04 | 日常
今日は武庫川河川敷に
妻と二人、自転車で
コスモス畑に行って来た。

朝からオニギリと卵焼きを作って、
自転車に、シートにパイプ椅子。
ビールに氷、お酒を入れたクーラーを、
荷台に積み、
コンロにコッヘル、食料、ラジオに本、新聞を
ザックに入れて背中に担ぎ、
1時間弱のサイクリングに出発。

コスモスは満開で天気も良く、
さっそくビールでのどを潤し、
コンロでお湯を沸かしてウインナーをボイル。
次に、ビールから紙パックの日本酒に交代。

ウインナーをボイルしたときに残ったお湯で
カップラーメンを作って、いただいた。

満開のコスモスの花を見ながら、
まっ昼間から、ビールにお酒を呑むと、
気持ちが良すぎて眠たくなってきた。




持ってきた新聞と本を読もうと、
シートに寝転んだが、
妻は本を2ページ。
私は新聞を3ページほど開いただけで、
居眠りを始めたようだ。
気が付くと、4時前。
知らない間に2時間ほど熟睡していたようだ。



夕焼けを見ながら、帰途に着く。
のんびりした一日だった。

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