cuminseed

ちょっとだけスパイシー

上海の義兄(白酒)

2006-11-08 | 日常
一時はもうダメかと思われた義兄だが、
入院し酸素吸入はしたままではあるが、
一命を取り留めたようだ。

義兄に教えて貰ったことには、
『白酒(パイチュウ)』がある。
最初に北京に行ったのだが、
そこでは妻の家族や親戚、友人たち、
さらに障害者団体との交流会などと
夕食は宴会ばかりで、お酒を呑み過ぎて酔っ払わないように、
ビールばかり呑んでいた。

上海では、義兄夫婦に甥と姪だけで夕食もゆっくり食すことが出来た。
中国のお酒は『紹興酒』と、
『老酒』に氷砂糖を入れたものしか呑んだことがなかった。
どちらかと言うと、薬の味のような感じがして好きではなかった。

妻からは、「昔、北京でアルコールが68度のお酒を呑んだ」
とは聞いたことはあるが、
日本ではそのようなお酒に出会ったことがなかった。

義兄は私にお土産用の『白酒』と、
家で呑む為のものを用意していてくれた。

中国にはワインやビールは別として、
お酒は「黄酒」と「白酒」の2種類に分けられるそうだ。
「黄酒」とはもち米の醸造酒で色が黄色の為、
黄酒と呼ばれるそうだ。(私には褐色にしか見えない)
代表には紹興酒があり、
紹興酒を熟成したものが『老酒』だと教えてくれた。
私は『紹興酒』と『老酒』は、
まったく別のものだと思っていた。
最近は、あまり熟成されていなくても
『老酒』として売られている銘柄も多く
不味くて飲めないと愚痴を言っていた。

『白酒』は「こうりゃん」や「お米」で作られた蒸留酒で、
アルコール度数が50~70度にもなるそうだ。
最近ではお土産用に38度くらいに薄めたものが売られているが、
50度以上の白酒を生で呑まないと美味しくないと、
白い瓶に入った、
『貴州茅台酒(キシュウマオタイシュ)』
を飲ましてもらった。
53度のアルコールでコーリャン独特の香りがし、
毛沢東がニクソン大統領をもてなし、
日中国交回復の式典で、周恩来が田中角栄首相にもてなして、
世界的に有名になったお酒だそうだ。

中国では、お祝いの宴席での乾杯にも用いられ、
義兄が、日本から来た私をもてなす為に、
用意してくれていたそうだ。

義兄が一人で、朝から作ったたくさんのごちそうを前に、
小さなコップで貴州茅台酒を、
何回も「乾杯」し、料理を頬張った。

さすがに53度のアルコールだ。
義兄も私も途中で酔っ払って、
眠ってしまったようだ。
茅台酒の香りとアルコールの強さは、
今でも忘れることが出来ない。

コメント (2)
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