BOXING観戦日記

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IBOバンタム級王座決定戦

2011-06-20 18:11:29 | Boxing
ビック・ダルチニャン VS ヨニー・ペレス

ダルチニャン 5ラウンド負傷判定勝利

考察 ~ダルチニャン~

体全体の瞬発力は、たとえばミハレス戦の頃と比べると落ちたが、
パンチ力は往時の力を残しており、むしろ飛び込んでの一発に頼らず、
強打の連打を使うようになったことで、アクシデントの要素が減った。
省エネを心がけているわけではなかろうが、
無理のないボクシングをすることで無茶をしなくなったというか。

youtubeでボクシングの動画を次々に視聴していると、
なぜか関連動画に猫パンチ動画が上がっていたりする。
面白がってさらにそれらを見ていくと様々な猫動画にたどり着くわけだが、
中には野生の大型猫がヘビを捕らえるものまであった。
ヘビは必死に威嚇するものの猫はそれに怯むことなく
打ち下ろしのパンチを頭部に容赦なく叩き込んでいき
ついにはノックアウトに至るのだが、この試合はまさにそんな感じだった。

それにしてもこの10年でボクシングシーンには矍鑠としたボクサーが
ずいぶんと増えた気がする。
トレーニング内容、トレーニング環境、食事、試合間隔の空け方、
モチベーションの維持方法にメンタルケアまでが進化した証拠だろう。
内藤とたいして年齢は変わらず、マッチメーク的にはより厳しいにもかかわらず、
活躍できるのはやはり妙なこだわりを持たず、
時に応じて階級を上げるからという点も付け加えられるだろう。


考察 ~ペレス~

この試合は1ラウンド開始すぐの相手の左を無造作に
もらってしまったところで実質的に終わってしまっていたものと思う。
アグベコ戦では身体面でも頭脳面でも秀でたところを見せていただけに
これには拍子抜けさせられた。
インサイドから鋭角的にショートのパンチを打つこともできるし、
足とジャブを使ってのアウトボクシングもこなせるこの選手にして
全てが中途半端になってしまったのは、
開幕の一発でゲームプランがご破算になったからに他ならない。
ガードの置きどころ、ジャブの距離、強度、タイミング、足捌きに
恐怖かあるいはそれに近い感情が如実に現れていたように思う。

総合的な力で上回っていればいい、という哲学は野球やサッカーのような
長丁場のシーズンスポーツにこそ当てはまるものの、
一発勝負のボクシングには時にそぐわない。
ダルチニャンに勝ったアグベコに自分は勝っているのだという、
ボクシングでは禁断の三段論法の陥穽に嵌ったのか。
黒人は黒人に臆するところ無くとも白人を目の前にすると萎縮する傾向が
どうしてもあるのか。

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