王者 マニー・パッキャオ VS 挑戦者 ティモシー・ブラッドリー
ブラッドリー スプリットディシジョンで勝利
考察 ~パッキャオ~
明らかに相手のスピードに戸惑い、手を焼いた序盤。
軽く(見えた)ヒットで突如相手が失速した中盤。
打ち疲れからか、調整失敗からか、報じられていたボクシング以外の心労からか、
明らかに足も体も重たかった後半戦(≧終盤)。
打ってこいという再三再四のアピールも追うのがしんどいからか。
4~6ラウンドにかけては攻めに転じた瞬間にブラッドリーがパタンと倒れる姿が
目に浮かんでいたが、そこで前に出られなかった、左を伸ばせなかったのが敗因。
またこの辺りから意識的にtime managementをしていたが、結果的にこれも裏目に出た。
コット戦後半はラウンド開始1分半を相手に譲り、残りの1分半で攻勢を印象付けたが、
この日はラウンド開始2分を相手にspareし、残りの1分でポイントをコントロールする、
もしくは「したい」という意図(というか願望)があったようだ。
結果論だが、これも裏目に出た。
『衰え=パンチが出ない』という図式に当てはめて考えるなら
パッキャオにも黄昏が訪れたということ。
biblical studies(!)を唐突に始めたり、夫婦仲にヒビが入ったり、
チーム内にdisharmonyが生じたり、政治活動が忙しかったりと、
後から探せばネガティブな材料もたくさん見つかるものだ。
先ごろ、W・ライト、S・モズリー、A・マルガリートが引退を表明したが、
パッキャオという伝説的ボクサーもグローブを吊るす時が来たと言っていいかもしれない。
考察 ~ブラッドリー~
スピード、クイックネスともに近年のパッキャオの対戦相手では最高レベル。
連打力、スタミナも申し分ない。
ただし、パンチ力は標準以下。
頭を第三のパンチとして活用する男として私的評価は高かったが、
パッキャオ相手に判定をかろうじて拾えるとはゆめ思わなかった。
ファイトプランは徹底したclockwise footwork。
さらに相手の右リードに自身の左ジャブを、
相手の左には左フックをカウンターするというプランには
どこまでも時計回りで左から遠ざかる意図を見て取れた。
底抜けに能天気なパッキャオをして初回からナーバスにさせたのは
スピードと同時に相手の嫌がるプランを綿密に実行するだけの
determinationを誇示したからに他ならない。
それにしても4ラウンドの攻勢の最中からのカウンター被弾一発から
中盤にかけて何度トラブルに陥ったことか。
終盤の入り口にはスツールから立てないのではないかとまで予感した。
視聴者、観衆の誰もが、あの突然止まった足、トロンとした目つき、
バランスを欠いた状態の上下動(≠ダッキング)だけのディフェンス。
よくぞ試合を投げず、持ち直したと褒めるしかない。
チャンピオンシップラウンドを失速することなく
むしろ初回以上のスピードで乗り越えた報酬はあまりにも大きかった。
ただ…… この選手がたとえば往時のクロッティやモズリーに優るとは
とても思えないし、見えない。
ブラッドリー スプリットディシジョンで勝利
考察 ~パッキャオ~
明らかに相手のスピードに戸惑い、手を焼いた序盤。
軽く(見えた)ヒットで突如相手が失速した中盤。
打ち疲れからか、調整失敗からか、報じられていたボクシング以外の心労からか、
明らかに足も体も重たかった後半戦(≧終盤)。
打ってこいという再三再四のアピールも追うのがしんどいからか。
4~6ラウンドにかけては攻めに転じた瞬間にブラッドリーがパタンと倒れる姿が
目に浮かんでいたが、そこで前に出られなかった、左を伸ばせなかったのが敗因。
またこの辺りから意識的にtime managementをしていたが、結果的にこれも裏目に出た。
コット戦後半はラウンド開始1分半を相手に譲り、残りの1分半で攻勢を印象付けたが、
この日はラウンド開始2分を相手にspareし、残りの1分でポイントをコントロールする、
もしくは「したい」という意図(というか願望)があったようだ。
結果論だが、これも裏目に出た。
『衰え=パンチが出ない』という図式に当てはめて考えるなら
パッキャオにも黄昏が訪れたということ。
biblical studies(!)を唐突に始めたり、夫婦仲にヒビが入ったり、
チーム内にdisharmonyが生じたり、政治活動が忙しかったりと、
後から探せばネガティブな材料もたくさん見つかるものだ。
先ごろ、W・ライト、S・モズリー、A・マルガリートが引退を表明したが、
パッキャオという伝説的ボクサーもグローブを吊るす時が来たと言っていいかもしれない。
考察 ~ブラッドリー~
スピード、クイックネスともに近年のパッキャオの対戦相手では最高レベル。
連打力、スタミナも申し分ない。
ただし、パンチ力は標準以下。
頭を第三のパンチとして活用する男として私的評価は高かったが、
パッキャオ相手に判定をかろうじて拾えるとはゆめ思わなかった。
ファイトプランは徹底したclockwise footwork。
さらに相手の右リードに自身の左ジャブを、
相手の左には左フックをカウンターするというプランには
どこまでも時計回りで左から遠ざかる意図を見て取れた。
底抜けに能天気なパッキャオをして初回からナーバスにさせたのは
スピードと同時に相手の嫌がるプランを綿密に実行するだけの
determinationを誇示したからに他ならない。
それにしても4ラウンドの攻勢の最中からのカウンター被弾一発から
中盤にかけて何度トラブルに陥ったことか。
終盤の入り口にはスツールから立てないのではないかとまで予感した。
視聴者、観衆の誰もが、あの突然止まった足、トロンとした目つき、
バランスを欠いた状態の上下動(≠ダッキング)だけのディフェンス。
よくぞ試合を投げず、持ち直したと褒めるしかない。
チャンピオンシップラウンドを失速することなく
むしろ初回以上のスピードで乗り越えた報酬はあまりにも大きかった。
ただ…… この選手がたとえば往時のクロッティやモズリーに優るとは
とても思えないし、見えない。
たられば話をすると終わらないのですが、ジョー小泉氏の仮定には賛同できますね。あれだけキレたムーブが最初から出来ていれば普通にパックの判定負けでも不思議はなかったです。ただし、あれはパッキャオ失速を目の当たりしたことで、急に元気が出てきたからこそ可能だった動きです。
ボクサーは時にスタミナが尽きてヘロヘロ状態でも、相手が弱みを見せた瞬間に息を吹き返すことが非常に多く、コラレスvsカスティージョの大逆転もこのパターンですね。ブラッドリー自身の素のメンタルは、黒人ボクサーのアベレージぐらいと見ます。つまり、私的評価としては低いです。
また、ジョー小泉氏が終盤のブラッドリーのアウトボクシングに対して「最初からこの動きが出来ていればパッキャオは危なかった」とコメントしていましたが、失速していないパッキャオが相手でもブラッドリーはあのようなことができるのでしょうか?
どう頑張ってもドローが限界かなと・・・
管理人さんの採点どんな感じでしたか?