BOXING観戦日記

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WBA・WBC世界S・フライ級王座統一戦 アレクサンデル・ムニョスVSクリスチャン・ミハレス

2008-06-23 23:45:45 | Boxing
ミハレス スプリットディシジョンで勝利

この内容で採点が割れるとは・・・
ミハレスとスプリットディシジョンはもはや切っても切れない関係なのか。
1~3は明白にムニョス。
8~12は明快にミハレス。
4~7ラウンドをすべてムニョスに与えても減点1があるため
どこかに10-10をつけるラウンドが必要だが、それにしても不可解だ。
まあ、実はリアルタイムで見てたし、直後にboxingscene.comでも
WBAが派遣したジャッジによるものと書き立てられていた。
WBAとしてはスーパー王者とレギュラー王者が並立した方が儲かるんじゃないの?
何がしたいんだか・・・

ミハレスにいつものような旺盛な手数が見られなかったが、
これは相手がムニョスだからだろう。
川嶋やアルセほどの隙は作らず、ナバーロや菊井のような軽いパンチでもない。
実況、解説ともにムニョスを評して「しなりでパンチを打っている」と言っていたが、
まさにその通りで、パンチに伸びがあると同時にパンチの引き自体が次のパンチのバネになる。
リズミカルに強打を連打できるが、それゆえに打ち終わりにカウンターをもらうこともある。
しかし、これは誰にでも出来る芸当ではなく、ミハレスのelusivenessでこそ可能になる。
この試合を見て感心したのは、ミハレスのクリンチの意外な上手さ。
組んだ瞬間に相手を押して前に歩く、あるいはクルッと体を入れ替える、
頭を相手のアゴに押しつけるなど、メキシカンの嫌らしさを持っていることも証明した。
相手にかぶられた時にさっさと膝をついてしまうところなど実に小憎らしい。
ボディワークは相変わらずで、メイウェザーが引退した今、
グスマンと並んでナンバーワンと言ってもいいかもしれない。
かといって避けることに「夢中」になるわけではなく、
攻め込まれた際には果敢に打ち合うハートも持っている。
接近戦ではアルセ戦や川嶋戦で見せた右肩をで相手のアゴを跳ね上げての左アッパー、
いわゆる武恵一アッパーを多用するのかと思ったが、
中間距離で効果的なパンチを当て続けるプランを持っていたようだ。
年末にもモンティエルとの三冠統一戦が実現するか。

ムニョスはメキシカンに勝てない星の下にでも生まれてるのか。
日本人相手だと妙な強さを見せるのだが。
お国柄、高地は苦にしないだろうし、敵地での戦いも経験豊富。
7ラウンドからの失速はダメージというよりも減量苦か。
打たれた時にこれほど簡単にアゴが上がるということは
ミハレスのパンチが見えていなかったのだろうか?
パンチ力では格段に優っていたが、ディフェンスとリングジェネラルシップでは完敗。
しかし、この敗戦もボクサーとしての価値を極度に低下させるものではない。
今後は階級アップも考えられるが、個人的には得策とは思えない。
案外、来年の今頃は王座に返り咲いているかもしれない。

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