BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBA暫定世界バンタム級タイトルマッチ

2009-10-27 00:25:38 | Boxing
王者 ネオマール・セルメニョ VS 挑戦者 クリスチャン・ミハレス

セルメニョ 判定勝利

考察 ~セルメニョ~

なにもかもが温いボクシングに見えるが、
非常にプロ向きなアマだったのだろう。
ポイントゲームが大好きというか、ポイントの取り方を知っている。
パンチを強く打つのではなくしっかりと打つのが持ち味で、
インパクトの瞬間に拳を握り込むのではなく、
肘から先をリラックスさせながらナックルを返す。
パンチの引きは早くないが連打をまとめられるのはこれによる。
打たれる前に打ちまくることで相手の攻撃を封じるのもディフェンスで、
打ってこられるとすぐに足を使うのもアマらしいプロの姿勢。
ミハレス戦しか観ていないので確定的な評価を定めるのはまだ先になるが、
アグベコやムニョスをあっさりと空転させそうな雰囲気も漂っている。
四角いリングを円く使うのはボクサーの常道だが、
これができる選手は実は少ない。
モレノを攻略できそうな日本人ランカーも見当たらないが、
セルメニョを攻略できそうな日本人ランカーもまた見当たらない。
長谷川や西岡?
もうそんな路線には興味はないね。

考察 ~ミハレス~

なにもかもが悪くなってしまっている。
右リードがさっぱり出ず、持ち味の手数は川嶋、アルセ戦の頃の
半分程度に減ってしまっているのではないか。
また距離勘も狂っているようで、以前よりシューズ一足分相手に近く立っていた。
少々打たせても強く打ち込みたい意識の現れなのだろうが、
ミハレスの武器はパンチ力ではなく手数とMatrix Defense。
そのディフェンスもよりブロッキングに依存するようになり、
ガードに忙殺されながら手数も出せなくなるという悪循環。
ボディワークはガードよりもスタミナをロスするように思えるが、
実際は逆で、上半身と脚はリズミカルに運動させることで
呼吸のリズムも一定になり、結果的にスタミナ消費は少なくなる。
ブロッキングは瞬間瞬間で腕、肩、腰、脚の筋肉を収縮させ、
酸素の消費量を増してしまう(あくまでミハレスのような体の場合)。
前進しているように見えてリング中央をうろうろしているだけという展開は
かつて自身がアルセに味わわせた戦い方で、いかにfrustrationが溜まるか理解したと思う。
論語に「己の欲せざるところ人に施す勿れ」と言うが、
ボクシングに恕(思いやり)など不要なのだ。

現役続行の決断についてメヒコの友人曰く、Mijares is now gonna get fed to young lions.
「これから若き獅子たちのエサにされるだけだ」
被弾癖をなんとかしないことには栄光ではなくダメージを得ることとなってしまうが…

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