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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

FETの相互コンダクタンス(gm)

2010-01-03 03:16:47 | 電子回路
[知らなくてもいい話]

トランジスタの増幅率はhFE(直流電流増幅率)で示されましたが、同様にFETにも単体の増幅率を示すパラメータがあります。それがgm(相互コンダクタンス)です。hFEはトランジスタを語る上で欠くことのできないものですが、gmの場合はそれほど云々されません。というのもhFE=Ic/Ibは常に正比例の関係にあり設計計算が楽なのですが、gm=ΔId/ΔVgsは特性図に見るようにVgs(Id)の動作点をどこに取るかで変わるのです。

つまりhFEとgmは使われ方が逆で、hFEは回路を設計する折に必要ですが、gmは設計後に決まるわけです。gmはデータシートのId-Vgs特性とVgsの動作点から読み取ります。

2SK30AのId-Vgs特性をGRタイプで見て見ましょう。Vgs=-1.6VではΔId/ΔVgs=1、Vgs=-0.8VではΔId/ΔVgs=1.5くらいです。これは平均変化率ですから、Vgsの各ポイントにおけるIdの増分は接線の傾き、つまりgm=dId/ dVgs ということですね。

ということで、gmという言葉はもう忘れてしまいましょう。FETはIdssを実測してId-Vgs特性と照らし合わせて使ってください。

関連記事:
相互コンダクタンスとエミッタインピーダンス 2007-11-19
FETの話① 2009-12-07

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