C.ダグラス・ラミス 池田香代子:訳
マガジンハウス
現代社会は情報が溢れかえり、あらゆる事柄を知ることができるように見えて、最も肝心で重要な部分は、この情報の氾濫により見えにくくなっていたり、意図的に隠されたりして、大衆が認知することが難しくなっている。”最も肝心で重要な事実”を知るすべはマスメディアなどには期待できず、それを知る小数の人々からの聞き伝えが最も確かであるが、これは伝達も遅くエリアも狭い。しかし今はウェブという強力な情報発信・受信メソッドがあるのだ。この本に綴られている話も、元々チェーンメールに端を発し短期間に広く知れ渡ることになった。
さて、この本、或いはこのメールは縮尺という手法により、巷に溢れる雑多な情報をバッサリと切り落とし、”最も肝心で重要な事実”を見事なまでに浮き彫りにしている。これには常々”隠しておきたい”と思っている支配者層は当惑するだろう。明白となった事実のみならず、自身の強欲、低モラル、罪深さも知れ渡ってしまうからである。しかし面白いことに、ここで語られる事実を知ることにより、多くの人が驚愕と共に胸苦しくなるような怖ろしさを覚えるが、反面ほとんど何も感じない、更には自分は勝ち組であるとほくそえむ人さえ少なくないという事実がまたある。これはどちらの良し悪しということではなく、その現象自体がまた驚きである。「Good Luck」という本のカスタマーレビューにも同様の現象が見て取れる。評価が極端に二分しているのである。今、世界は二極化現象の力学が強く働いていると言われる。つまり格差社会。「勝ち組と負け組み」を明確に分けて、その差を更に広げていきたいということである。その世相が広く人々に無意識的に反映されているということなのかも知れない。
マガジンハウス
現代社会は情報が溢れかえり、あらゆる事柄を知ることができるように見えて、最も肝心で重要な部分は、この情報の氾濫により見えにくくなっていたり、意図的に隠されたりして、大衆が認知することが難しくなっている。”最も肝心で重要な事実”を知るすべはマスメディアなどには期待できず、それを知る小数の人々からの聞き伝えが最も確かであるが、これは伝達も遅くエリアも狭い。しかし今はウェブという強力な情報発信・受信メソッドがあるのだ。この本に綴られている話も、元々チェーンメールに端を発し短期間に広く知れ渡ることになった。
さて、この本、或いはこのメールは縮尺という手法により、巷に溢れる雑多な情報をバッサリと切り落とし、”最も肝心で重要な事実”を見事なまでに浮き彫りにしている。これには常々”隠しておきたい”と思っている支配者層は当惑するだろう。明白となった事実のみならず、自身の強欲、低モラル、罪深さも知れ渡ってしまうからである。しかし面白いことに、ここで語られる事実を知ることにより、多くの人が驚愕と共に胸苦しくなるような怖ろしさを覚えるが、反面ほとんど何も感じない、更には自分は勝ち組であるとほくそえむ人さえ少なくないという事実がまたある。これはどちらの良し悪しということではなく、その現象自体がまた驚きである。「Good Luck」という本のカスタマーレビューにも同様の現象が見て取れる。評価が極端に二分しているのである。今、世界は二極化現象の力学が強く働いていると言われる。つまり格差社会。「勝ち組と負け組み」を明確に分けて、その差を更に広げていきたいということである。その世相が広く人々に無意識的に反映されているということなのかも知れない。