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『こどもの詩と絵』第42集

2022-04-08 16:19:42 | 
詩人、渡辺信雄氏からお送りいただきました。
渡辺氏は詩の選者をしておられます。



『こどもの詩と絵』第42集です。
貴重な一冊、ありがとうございます。
こどもの詩には本当に心が癒されます。
この殺伐とした時代の清涼剤のように。

まず一年生の作品から。

杉本奏楽さんの「ありのぎょうれつ」です。
《おかしをランドセルのようにしょっていて》が素晴らしい比喩ですね。生き生きとしています。

一年生ではほかに、猶原未結さんの「にらめっこ」も良かったです。
とんぼが《大きなあかいめをして わたしのかおを じっとみていたよ》。

二年生の、この作品に驚き。

遠藤寛大さんの「ぼくの小さいコンバイン」。
細かく書かれているのも見事ですが、小学二年生でコンバインを操縦できるのが凄いです。
田んぼの中だから運転免許は要らないんですね。ホントに驚きました。

三年生の作品。

「ドキドキ」。羽岡葵さんの詩です。
ドキドキ感がよく伝わってきます。
そして、わたしが何よりも気に入ったのは、
《おじいちゃんは動物が苦手。「春」のことを「ねずみ」とよぶ。》のところ。
巧まざるユーモアというのでしょうか。私も思わず「ふふふ」と笑ってしまいます。

三年生ではほかに、寺崎愛実さんの「一人でねたい」が面白かったです。
一人でねたいと言いながら、いざとなると怖くて、「お母さんいっしょにおって」とか、「電気はつけといて。」とか。
もう40年も昔に、わたしの子どもたちは「電気消さんといてね」と言っていたのを思い出します。
この話、わたしは今年の年賀状に使ったのでした。

次は四年生。

津村文晟さんの「大好きなおじいちゃん」です。
これには泣かされますね、わたしは。よほどおじいちゃんが好きなんだ。
なんにも言うことがありません。

四年生、もう一篇。

蜷木舞華さんの「みんなでたすけ合った黒豆畑」です。
これは一見なんでもないようですが上手いですね。
様子が手に取るようにわかります。

四年生ではほかに、三島丈さんの「やる気スイッチ」に驚き。
始めなんのことだろう?と思って読みました。
想像の物語なのか?と。
でも、あるんですね、「やる気スイッチ」というお菓子が。
「タブレット」というのをわたしは違うタブレットを予想したのでした。
でも、おもしろいです。

次は五年生。
まず見出しの絵。詩が添えられています。

「わたしの あゆみ」です。村上恵都さんの作品。
絵も上手いですが、詩もいいですねえ。
これはカラーで載せてほしかったな、とはわたしの感想。

そして、高曾羽衣子さんの「お手伝い」。

これは見事に丁寧に書かれています。
「たたむ」という言葉がたくさん出てきますが、それが効果を上げていますねえ。
わたしの好きな詩です。

六年生です。

辻田綾美さんの「ザリガニの成長」。
これも《だっぴしては 大きくなり》の繰り返しが効果を上げています。
大人が読むと、子どもの成長に重ねて読んでしまいます。いかにもリアルですね。

次は中学生。
中学生になると、どうしても理屈っぽくなってしまって、「詩」からは少し離れてしまいますね。
その中で、この詩には共感させられました。

「明日から」です。
遠い昔の自分を思い起こしてしまいます。
というより、今の自分でもあるような。
考えさせられますね。

この本には、素晴らしい絵もたくさん載っています。
その中からいくつか。
まず「思い出の図書館」です。丁寧に描かれていますねえ。

太田紗雪さんの作品。太田さんは「朝来市立山口小学校」です。
山口小学校は、実はわたしの父親が遠い遠い昔に出た学校なのです。

その山口小学校からもう一点。

六年生の久木留穂香さん。見事な写生画ですねえ。
この学校には優れた先生がおられるのでしょう。小さな学校だと思うのですが。

もう一点、ひいきで上げます。

宮垣ゆみさんの「柿」。
宮垣さんは豊岡市立出石中学三年生。
わたしの妻の後輩というわけです。

ほかにもいっぱい紹介したい詩や絵が載ってます。
楽しませていただきます。
今後ともこの企画が長く続いて行きますように。
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