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短歌誌『六甲』2023年9月号

2023-09-08 15:52:38 | 文芸
短歌誌『六甲』9月号です。通巻、なんと1041号。



巻頭ページです。

田岡弘子さんの最初の歌。
   ことば沢山知つてる筈だがこの頃の口を出るのは「暑い」の一語
思わず笑ってしまいました。誰でも、子どもでも作れそうな歌。まったく肩ひじ張らずに自在に作っておられます。

牧野秀子さんの歌。
   空襲が消してしまつたふるさとの家の間取りはまだ覚えてる
「時間」というものの不思議を想います。

中西浩さん。
   河内へと嫁ぎし二女の里帰りお父さんに見てほしいと短歌十首
どんな歌なのか気になりますねえ。

中嶋輝美さん。
   里の家に小さき秤も残りあり劇薬用のはかりなりしか
前に置かれた歌と合わせて、旧家の伝統ある匂いが漂ってきそう。

西村好子さん。
   腰掛けて足し算しつつ足踏みすわたしの力を使い切りたり
ほかの句と合わせて体操講座の様子がよく見えます。

生田律子さん
   六回のワクチン接種は何の為コロナに罹り死ぬ思いしぬ
さっき丁度、郵便が届いて、7回目のワクチン接種券でした。前の6回目は副反応が強かったので今回は予め薬を飲んでおこうと思います。
  
青山俊代さん。
   落ちつきて取扱書を調べれば設置後十余年経つ温水器なり
こういうこと、よくありますよね。え?もうそんなになるの?と思うことが。特に家電製品は。

吉本聆子さん。
   二畝のトマトの赤く色付きて隣にも子にも配りて忙し
昔、妻の実家からいろいろ頂いていました。懐かしい思い出です。

西川愛子さん。
   何時の日か稚児になりたい夢消えて今はすっかり老人(おいびと)となる
この実感、共感できます。
 
石原智秋さん。
   老眼鏡が必要ですねと言う医師に黙って頷きしは五十一歳
わたしは四十歳代でメガネ屋さんで「お近く用が要りますね」と言われました。医師は「老眼鏡」と言い、メガネ屋さんは「お近く用」。

そのほか、まだまだ載ってます。

これは、作家野元正さんの「花を巡る文学逍遥」22です。勉強になります。




これはオマケ。

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