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向田邦子の遺言

2021-02-03 15:09:59 | 本・雑誌
先日「街の草」さんで買った本。



『向田邦子の遺言』(向田和子著・文春文庫)です。
平成13年に書かれたもの。
表紙に注目。
愛猫を抱いた向田邦子さんですが、バックの絵。
これ中川一政さんの絵ですね。
邦子さんの好きな画家とのことです。
中川一政については拙著『触媒のうた』で宮崎翁とのエピソードを書きました。

この本ですが、向田さん、事故でお亡くなりになる直前に遺言を書いておられる。
シナリオの原稿用紙4枚に走り書きで。
その内容がユニークなので、のちに妹の和子さんが発表なさったというわけです。
その遺言の一行目。
《万一のため、次のことを記しておきます。》
そして終りの方にこんなことが。
《どこで命を終るのも運です。体を無理したり、仕事を休んだりして、骨を拾いにくることはありません。》
さらに最後の一行。
《仲よく暮して下さい。お母さんを大切にして、私の分も長生きすること。》
なんということ!まるで事故に遭うことを予感しておられたような。
シナリオの原稿用紙4枚に走り書きしてある、その内容が面白い。いかにも向田さんだ。

わたしはこの人の短編小説が大好きでした。詩心があるんですよね。
本当に惜しい作家さんでした。
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