SARAのブログ

日々のことあれこれ

物々交換

2016-02-11 17:29:52 | つぶやき
ウチの、すぐ後ろの家の奥さんが
たった今ウチに訪ねて来た。

ウチの外壁工事を、
その後ろの家と同じ業者でやることになったと
言いに行ってから
もうしばらく顔を合わせてなかった。

「これ、良かったら食べて」

と差し出されたのは、ある県ならではのお土産菓子。
聞くと、その菓子のメーカーのなのか、アウトレットがあり、
そこのお菓子が詰め放題できるところがあって、
そこに行ってきたのだと言う。

そんなところに行っていたんだ・・

みたいな。

いや、でも以前のように、人のそういう話を聞いても
苦虫を潰したような思いはもう込み上げてはこなかった。
ウチはウチでそれなりのレジャーに行っているし、
それがそれほど羨ましいとも思わなかった。



私はその人に会ったのは久しぶりだったけど、
ウチの旦那は少し前に犬の散歩の時にその奥さんに
会って話をしたと言っていた。
ウチが
それまでお風呂の窓を隠す為に格子に絡ませていたすだれを
外壁工事をするにあたって外したのだが、
そうするとお風呂が丸見えになってしまう為、
旦那が工事の前の日になって
「一時的に」と梱包材の廃材を会社から貰ってきて
それを内側から取り付けてあったのだが、
それをその奥さんが
「どうやって窓を隠しているのか」と
旦那に聞いてきたと言っていた。
そしてその時に
「良かったら持ってきましょうか?」と言ったらしく、
その後会社からその人用に貰ってきてウチに置いてあったのだが、
渡す機会がなかったので
それを私に持って行ってくれないかとちょうど昨日、言われていた。
が、
2人のやり取りを直接見ていなかったので
もしかしたら旦那が一方的に押し付けてしまったんじゃないかと
考えたり、
それに廃材なので実際はそんなに綺麗なものじゃないので
そんなものを持ってピンポンしに行く勇気は私にはないと
断っていた。
「顔を合わせたら何気なく聞いてみるよ」と
旦那には言っていたのだが
今日その奥さんが訪ねてきたので
しかたなくその話を出してみた。
「なんかウチの旦那がそんなこと言ってたみたいなんだけど・・
そんなに綺麗なものじゃないのよ~。」
と言って一応、そのものを見せたら
「あ、いいじゃん、いいのいいの~、ウチもどうやろうかって
あれこれ悩んでたの。充分だよー。」
と言ってくれたので、それが本当かどうかはわからないけど
そう言っているのだからいっかと思い、
じゃあ、どうぞと。
「これをどうやってつけてるの?」と
聞かれたので口で説明しようとしたが
見てもらった方が早いかなと思い、
お風呂を見せた。
すぐ後ろの家の人なのに、その人をウチに入れたのは初めてだった。
なんだかくすぐったい気持ちがしたが
悪い気はしなかった。


人に、あまり気の進まないことをいきなり誘われたり、
断れなくて苦しくなったりすることが多いので
正直、普段は人にはあんまり近づいてきて欲しくないという
気持ちが強い。
一旦約束をしてしまうと不安になったり憂鬱になったりで
そのことに振り回されてしまい、
自分の生活ができなくなってしまうからだ。

しかし今日は何故かその人が訪ねてきてくれたのが
ちょっと嬉しかった。
今年度はその人が組長をしているので最初はまた何かの
集金かと思ったが、
おすそ分けに来てくれたのだとわかったら
なんだか嬉しかった。
帰り際、ふと斜め後ろの家の掃きだし窓が開いているのが見えたので
そんな状況で
この人がウチだけにお土産菓子を持ってくるわけはないよなぁ、
きっと他のウチにも同じように持って行ってるんだろうなと
思ったらなんだかちょっと寂しくなった。



彼女は
「子供とおじいちゃんとおばあちゃんとみんなで行った」
と、今日のそのアウトレットの話をしていた。
三世代でレジャーに行くこと自体が羨ましいとは思わなかったが、
彼女は平日はフルタイムで働いているので、
にも関わらず、日曜日は日曜日でそうして遠出をする元気が
あることが羨ましかった。
私がフルタイムで働いたら、もうそれだけで疲弊し、
休みの日は家事だけで終わると思う。
どこかに出かけたいという気持ちもきっと湧かないだろうなと。
いや、あっという間に具合が悪くなるのが先か。^^;

彼女のバイタリティはそこから湧いているんだろう。
フルタイムで働いているのに、
朝早くからベランダにビッチリ布団が干してある時もある。
夕方まで干しっぱなしなのか
子供が早く帰宅する時だけ干しているのか
そこまでは見ていないが
朝から布団を何枚も干す元気があること自体にもう関心する。
思えば、
ここに引っ越してきた時から
バイタリティの物凄くある人だった。
子供が小さくてまだ彼女が働いていない時も
昼間はほとんど家にいることはなかった。
家にいても子供の友達とそのお母さんが遊びに来ていることが
多く、
道路遊びされるのが物凄く嫌だった記憶がある。
旦那さんが仕事の関係上、週末じゃないと帰ってこないし
その週によっては帰ってこないこともあったりなので
彼女には彼女なりの寂しさがあるのかもしれないが。


一個前の記事で自分なりに楽しく生きていかねばと
書いていたが、
実は彼女がウチに訪ねてくるちょうど直前、
私はわけのわからない憂鬱感に一瞬苛まれていた。
が、彼女と話し、彼女をちょっとだけだったが家に上げたりしていたら、
自然と心がほぐれた。

BBQを誘ってくる家の奥さんのように
やたら「今度一緒に行かない?」と言ってくることもない。
いや、その良く何かを誘ってくる奥さんを批判しているわけじゃなく、
そういう人はそういう人で世の中には必要なことも良くわかっているので
いいのだけど、
必要以上にヅケヅケと近づかないし
かと言って突き放したり離れていくこともない。
そんな距離感を上手に取ってくれるのが心地いい。
その人と話す時は不思議と私は緊張もしない。

どこかのサークルとかで知り合っていたら
もしかしたらいい友達になれたかもしれない。
が、いかんせん、今の関係だと家が近すぎる。
近すぎて怖い。
もし何かあったら・・というのもあるし、
家の距離が近すぎることで
いろんな問題も起きそうだし。
ってことで所詮は「ご近所さん」というだけで
私たちはきっと「友達」という関係にはならないだろう。
年を取ってもし私が旦那を失い、
彼女の子供も結婚して孫までできて
今度は孫と子供と楽しそうに出かける彼女を見ながら
仲良くできる自信もない。

が、

今日はなんだか彼女に救われた。

安いお菓子と廃材を交換しただけなのだが
何故か温かい気持ちになれた。


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