★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

●クラシック音楽●新刊情報

2024-05-20 17:35:10 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:モーツァルト 父の夢、子の夢~往復書簡から読み解く「父と子のデュオドラマ」~

編訳:モーツァルトの手紙を読む会

発行:音楽之友社

 モーツァルトはその短い生涯のほぼ3分の1を旅に費やした。職探しの旅とされる「マンハイム=パリ旅行」(1777年9月23日~1779年1月15日)は、そのなかでも重要な旅のひとつで、初めて父親が息子に同伴しなかった旅でもあった。同書は、この旅の際にレオポルトとヴォルフガング父子が交わした往復書簡のなかから、父子の興味深い関係を窺い知ることができる手紙を厳選し、両者の掛け合いに主軸を置いて「会話性」を持たせたもので、父子による「デュオドラマ(2人だけの対話劇)」の魅力を伝える書簡集となっている。モーツァルト・ファンだけでなく、すべての音楽ファン必携の一冊。


書名:バイロイト祝祭の黄金時代~ライヴ録音でたどるワーグナー上演史~

著者:吉田 真

発行:アルファベータブックス

 ドイツの巨匠ワーグナーが遺したオペラのみを上演するバイロイト祝祭。当代一の歌手と指揮者と、気鋭の演出家による公演は常に話題となり、世界で最もチケットが取りにくいとされる。バイロイト祝祭の戦後最初の1951年から1970年代半ばまでの「新バイロイト」の「黄金時代」を現存するすべての録音記録をもとに徹底検証。世界にも例のない、ワーグナー上演史。【登場する主な指揮者・歌手】フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、カラヤン、カイルベルト、クレメンス・クラウス、ヨッフム、クリュイタンス、サヴァリッシュ、マタチッチ、ラインスドルフ、ケンペ、マゼール、クリップス、ベーム、スウィートナー、ブーレーズ、カルロス・クライバー、ヴァルナイ、メードル、ニルソン、ヴィントガッセン、ホッター、ナイトリンガー、グラインドルほか


書名:日本音楽の構造

著者:中村明一

発行:アルテスパブリッシング

 ロングセラー『倍音』『「密息」で身体が変わる』の著者が、日本音楽の根源的な価値に迫る。尺八奏者として活躍しながら深めてきた長年の研究を集大成した日本音楽論の決定版。古今の伝統音楽・芸能、各地の民謡から現代のJ-POPまでをとりあげ、「倍音」「密息」に加えて「微小音量」「微少変化」「リズムの自由性」「言語性・音響性」「間」などをキーワードにした方法論で分析。過去・現在のあらゆる日本音楽を貫く構造を解き明かす。人類の未来を照らし出す「日本の音楽」の宇宙を巡る壮大な旅へ。


書名:あなたがあの曲を好きなわけ~「音楽の好み」がわかる七つの要素~

著者:スーザン・ロジャース、オギ・オーガス

訳者:中川 泉

発行:化学同人

 〝殿下〟プリンスの名作を手掛け、全米ナンバーワンヒットをプロデュースした著者が、あの曲にどうしようもなく惹かれる理由を探る。数々の名作を手掛けた音楽プロデューサーから認知神経科学者に転身したスーザン・ロジャースが、音楽の七つの要素(本物らしさ、リアリズム、斬新さ,メロディー、歌詞、リズム、音色)に基づく「リスナー特性」によって、好きな曲で心が動かされる理由を明らかにしていく。この、リスナー特性を探ることで、音楽とのつながりが深まり、自分の個性も見えてくるという。科学に裏打ちされた洞察を織り込み、あらゆるジャンルの音楽に光を当て、レコード制作の舞台裏やプロデュース術も紹介する本書を読めば、音楽の楽しみ方が大きく変わる。
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●クラシック音楽●コンサート情報

2024-05-20 09:46:00 | コンサート情報



<コンサート情報>



~新日本フィル 特別演奏会 小澤征爾追悼演奏会(音楽監督:佐渡 裕)~

R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」op.35より抜粋
チャイコフスキー:弦楽セレナード
ほか

チェロ:堤 剛

指揮:秋山和慶
   クリスティアン・アルミンク
   
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽

会場:すみだトリフォニーホール

日時:2024年8月31日(土) 午後2時

 このコンサート(音楽監督:佐渡 裕)は、小澤征爾(1935年―2024年)ゆかりの指揮者・ソリストとともに、追悼の想いを込めた曲や氏が得意とした曲で綴る、新日本フィルの特別演奏会。

 1972年、日本フィルハーモニー交響楽団が突如解散となり、新たに楽員による自主運営のオーケストラとして新日本フィルハーモニー交響楽団が創立されたが、小澤征爾は指揮者として新日本フィルの中心的な役割を果たし、1991年に名誉芸術監督、さらに1999年に桂冠名誉指揮者に就いた。

 指揮の小澤征爾(1935年―2024年)は、満洲国奉天市(中国瀋陽市)に生まれる。齋藤秀雄の指揮教室に入門。桐朋学園短期大学(現在の桐朋学園大学音楽学部)を卒業後、1959年貨物船で単身渡仏。1959年パリ滞在中に第9回「ブザンソン国際指揮者コンクール」第1位となったほか「カラヤン指揮者コンクール」第1位となり、指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンに師事。1960年「クーセヴィツキー賞」を受賞。指揮者のシャルル・ミュンシュ、レナード・バーンスタインに師事。1961年ニューヨーク・フィルハーモニック副指揮者に就任。1970年タングルウッド音楽祭の音楽監督に就任。同年サンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任。1973年にボストン交響楽団の音楽監督に就任し、以後30年近くにわたり同楽団の音楽監督を務めた。2002年日本人指揮者として初めて「ウィーン・フィルニューイヤーコンサート」を指揮。同年ウィーン国立歌劇場音楽監督に就任。2008年文化勲章を受章。2010年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団により、名誉団員の称号を贈呈される。2015年「ケネディ・センター名誉賞」を日本人として初の受賞。2016年ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団により、名誉団員の称号を贈呈される。
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