初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

「ウィリアムテル」序曲  (ロッシーニ作曲)

2006年06月14日 | 序曲と前奏曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は、ロッシーニ:「ウィリアムテル」序曲です。

この曲も、有名な曲ですよね。運動会とかでもよく聴いた曲じゃないでしょうか?ただ、運動会とかで流れている部分は、実は後半の盛上がったところだけなんですね。序曲の中だけでも前半はやや暗めのメロディが流れていますから、ちょっと意外な感じがするかもしれませんよ。普通の序曲なら、最初から最後まで明るいイメージのものが多かったり、暗いなら暗いで、一貫したイメージで作曲されている事が多いのですが、中盤でこうまでガラッとイメージの変わる曲も珍しいのかもしれないですね。それに序曲の中でも結構ストーリー展開がみられる曲ですよね。

この曲も歌劇の序曲ですから、ストーリーを少し紹介すると・・・。そう、下のCDのジャケットにもなっていますが、息子の頭の上にあるりんごを父親ウィリアム・テルが見事に射抜くという有名なお話なんですが、いきさつとしては・・・、スイスの富豪がその力を誇示しようとして、広場に自分の帽子を置き、通行人はその帽子に必ず一礼してから通らなければならないという、決まりを作ったのですが、ウィリアム・テルはその決まりに屈せず、帽子を無視して通り過ぎたため逮捕されてしまい、息子に危険な思いをさせる事になったわけですね。しかし、りんごだけを見事に打ち抜いたので、めでたしめでたし。と言うお話です。スイスでは有名なお話のようで、ウィリアム・テルも英雄視されているようです。

 悲劇的なチェロのソロが、悲しくひっそりと鳴り響くところから、曲は始まります。
 チェロは次第にやわらかいメロディへと、変わっていきますが、やはり、どこか淋しさ
 を隠せないようにも聴こえてきます。しかし、チェロのソロにチェロが伴奏を付けている
 珍しい作りになっていますから、その辺は面白く聴けると思います。
 しばらくすると、曲は妖しげな雲行きを見せる鬼気迫るような緊迫感のある曲へと
 変わって行きます。トロンボーンの激しいリズムが鳴り響くと、緊張感は最大に達し
 これから、どうなってしまうのか??少し怖さも感じてしまう曲調になります。
 しかし、フルートが少し小首をかしげるようなのフレーズを響かせると、イングリッシュ
 ホルンのおだやかなメロディが流れてきます。今までの恐怖を感じさせる雰囲気は無く
 なり、トライアングルが、静かに鳴り響くのが聴こえてくると、もう平和そのものです
 ね。落ち着いて聴いていると、また一転、トランペットのあの有名なファンファーレが
 ・・・。もう知ってますよね。にぎやかにフィナーレへ向かう曲調はリズムも軽く、
 こころも踊りだしそうな、楽しくワクワクするフレーズが、あとは最後まで続きます。

序曲だけなのに、かなりいろんなフレーズが満載で、これだけ聴いていてもお腹いっぱいになってしまいそうな、盛りだくさんの曲ですね。序曲ですから演奏時間も10分程度と、それほど長い曲ではないんですけど、さまざまな展開をみせてくれますから、演奏時間以上に楽しんだ気になれます。終盤の部分だけが有名な曲なんですが、最初から聴いてみても面白い曲だと思いますよ。

≪オススメCD≫
いろんな序曲で、いろんなドラマを想像してみて下さい。
序曲集(軽騎兵・ウィリアム・テル)
フィラデルフィア管弦楽団, スッペ, オーマンディ(ユージン), ロッシーニ, エロール, オッフェンバック, メンデルスゾーン
BMG JAPAN

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
序曲だけで、いろいろ楽しむんならこの曲ですね。

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2 コメント

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はじめまして。 (piana)
2011-03-27 21:41:18
ピアノ講師をいている、Pianaと申します。4月に行うピアノ発表会でロッシーニのウィリアム・テル序曲を2台8手で演奏することになり、分かりやすい解説を探してるうちに、こちらを見つけました。
小さいピアノ教室で、自分で作っているプログラムなのですが、こちらのブログを一部抜粋させていただいても、よろしいでしょうか?
何卒、よろしくお願いいたします。
返信する
どうぞどうぞ (けい)
2011-03-29 00:46:57
はじめましてPianaさん。
この曲をピアノでやるんですね。
こんなブログでお役に立てるならどうぞ使ってやってください。
音楽を言葉で表現するのって難しいですよね。
こちらはブログで好きに書いてるだけなので、テキトーですけど、人に教えるときっていろいろ気をつかいそうですもんね。
発表会頑張ってくださいね。
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