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初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

交響曲第4番

2006年05月01日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:交響曲第4番です。

彼の交響曲の中では特にタイトルが付いて入るわけでもなく、一般的にもそれ程有名ではない曲なんですが、実はクラシック音楽の中では結構有名な曲なんですよ。
作曲家シューマンはこの交響曲を、3番「英雄」と5番「運命」の間である事から、『二人の北欧神話の巨人(3番と5番)にはさまれたギリシアの乙女だ』と例えていたようです。(だったらタイトルにしてくれればよかったのに!)

また、下の≪オススメCD≫でも紹介している指揮者カルロス・クライバーがバイエルン国立管弦楽団と競演した、この4番の演奏が名演奏の評判を呼び、発売当初から大ヒットをとばしていたようです。だから、そういう意味ではクラシック音楽の中でも有名な作品なんですね。曲調も暗さがほとんど無く明るく元気いっぱいの演奏はクラシック初心者にとっても、気軽に聴ける隠れた名曲なんだと思いますよ!


 第1楽章:フルートの一本調子の音にコントラバスやチェロ(低音弦楽器)が妖しく
 ハーモニーを付けていますから、最初はなんとも、おどろおどろしい曲調で始まります
 が、ヴァイオリン等がそのハーモニーを徐々に明るい方向へ導いて行きます。
 ・・・そして、いよいよヴァイオリンが溜めて溜めて、ティンパニ(大太鼓)のドラム
 ロールが大音響で曲を盛り上げると、それまで遅かったテンポも一気にスピードアップ
 して、それまでのうっぷんを一気に晴らすかのように明るく元気いっぱいの演奏になり
 ます。そして、そのあふれんばかりの生き生きとした演奏は、もう聴いているだけでも
 居ても立ってもいられなくなるんじゃないでしょうか?

 第2楽章:1楽章に比べると弦楽器もやや控えめでおとなしい演奏になりますが、それ
 でも、抑えるところはキリッと決めてきます。そして伸び伸びと雄大にそれぞれの楽器
 が歌っていきます。そして中盤の少し切ないもどかし気なクラリネットがうまいですね。
 そして、2回目のクラリネット3回目のクラリネット、回を重ねるごとに、伝えたい思い
 が伝わってきそうなこのメロディ。いいですね。

 第3楽章:ちょっと、どぎまぎしてしまいそうな弦楽器の特徴的なフレーズに、フルート
 クラリネットがうまく合わせてきてますね。緩急をうまく組み合わせた面白い演奏に
 なっていると思います。次の4楽章で何が起きるか、ついつい期待してしまう一曲です。

 第4楽章:テンポを上げてどんどん迫ってくるような感じがします。でも、不愉快な
 緊張感は無く、ドキドキしながら、訳も無いのに楽しくなってきますね。きっと演奏
 している方は、かなりのスピードに大変かもしれませんが、アップテンポでバシッと
 決まると、これまた気持ちがいいんでしょうね。高音、低音供に歯切れのいい弦楽器
 は、サクサク聴けますから、もうイケイケですね。ここで聴き逃してはいけないのは
 ファゴットがこのスピードに合わせてスラッと演奏しているところですね。
 合間にスルッとさりげなく入ってますけど、そうとうなテクニックなんでしょうね。
 終わりも、あとくされなくスッキリ終ってますから、お見事の一言ですね。

とにかくもう、冒頭部分は若干怪しげなんですが、それ以外ならどこから聴いても楽しめる曲ですね。初心者の方にも胸を張ってオススメできる一曲です。記事の前半にも書きましたが、この曲に関しては演奏もカルロス・クライバーが一押しですよ。オーケストラの魅力を存分に楽しめる演奏だと思います。ただ、唯一の難点を挙げるとすれば、CDでも録音がモノラルだったと思うので、現在の録音に慣れてしまっていると、どうもモノラルを避けてしまいがちですが、それを差し引いても迫力満点の演奏だと思います。


≪オススメCD≫
ベートーヴェンの4番は、クライバー以外では聴けなくなってしまうかも。

ベートーヴェン:交響曲第4番
クライバー(カルロス), バイエルン国立管弦楽団, ベートーヴェン
キングインターナショナル

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆   →勢☆☆☆☆☆
怒:☆★★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
気持ちよく、ダイナミックな演奏が聴けますから、ストレス解消になるかも。

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ピアノソナタ第21番  「ワルトシュタイン」

2006年04月25日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」です。

これまではベートーヴェンの三大ピアノソナタを先に紹介しましたが、確かに名曲でききどころもたくさんありますからオススメはオススメなんですが、いずれの曲も暗いので、それだけが、玉にキズでしたが、今回は彼の明るいピアノソナタを紹介します。

ベートーヴェンは明るい曲もたくさん作曲しているんですが、暗い曲のほうが有名なので、どうしても彼自身が暗いイメージでとらわれがちなんですが、こんな曲も書いてますから、是非聴いてもらいたいですね。

タイトルのワルトシュタイン伯爵は、毎度ですが、彼がこの曲を献呈した人の名前です。この時代にはありがちのパターンですね。献呈した人の名前がタイトルになるのは、当時としては普通にあったようですが、今我々がクラシックを聴くときに、なにかしらのタイトルがついてた方が、単純に第○番とか言われるより、覚えやすくていいですよね。

 第1楽章:低音ですが軽やかなリズムに乗って綺麗なメロディがあふれ出すように
 流れてきます。まるで宝石箱を開けると、その中にあるたくさんの宝石が様々な光を
 まばゆいばかりにきらめかせているように聴こえてくる曲です。美しいピアノのフレーズ
 は、その駆け足のようなテンポも手伝ってか、耳ざわりのいい心地よい気分にさせて
 くれます。しかも、テンポ自体は早いんですが、丁寧に流れるように曲を進めています
 ので、それがうっとおしく感じる事はないでしょう。

 第2楽章:ゆっくりとしたテンポに序盤は少し悲しげで切ないメロディなんですが、
 その後は、実にゆったりと、しっとりと聴かせてくれます。なにか、悩みを聞いて
 もらっているような、そんな余裕さえ感じてしまう曲です。

 第3楽章:そんな感じで2楽章のまったりしたムードにひたっていると、切れ目無く
 いつの間にか、3楽章へと曲は変わっています。ウマイですよね。お見事!
 そして、やはり、知らず知らずのうちにだんだん曲は盛上がっているんですね。
 基本的には同じフレーズを繰り返しているんですが、何度聴いても飽きないですし、
 繰り返す内に、それを徐々に盛り上げているんですね。
 そして、盛上がっているんですが、またこのさりげないまでのテクニック!
 テンポはそれ程変わっていないハズなのに音をその間に詰め込んでいるんですが、
 全然詰め込んだなんて感じさせないこのメロディ!絶妙ですね。この曲をまだ聴いた
 事が無い人には絶対にオススメです。

この曲も結構お気に入りの一曲なんですよね。楽聖ベートーヴェンは名作が多いので、紹介するのが、遅くなってしまいましたが、この曲もその他の作品に負けない名曲ですから一度は聴いてもらいたい曲のひとつですね。(毎回言ってますけど)


≪オススメCD≫
ウィルヘルム・ケンプが軽やかに弾きこなしていますから、いいですよ。

ベートーヴェン:Pソナタ第21
ケンプ(ヴィルヘルム), ベートーヴェン
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆   →鮮☆☆☆☆☆
怒:☆★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
綺麗で鮮やかなピアノの音色が楽しめますね。

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交響曲第9番「合唱」

2006年04月17日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はべートーヴェン:交響曲第9番「合唱」です。

ファンのみなさん!お待たせしました“第九”です。
この曲が有名なのは言うまでもないですね。クラシック界の代表作とも言えるこの曲ですが、初心者の方にも楽しく聴いてもらおうと思っていろいろ考えていると今日になってしましました。

この曲は長くCD1枚分の長さと同じ約70分程度ですから、初心者の方で「はじめから全部一気に聴くのはちょっとつらいかな・・・」っていう人は、まずは4楽章から聴いてみてはいかがでしょうか?と言うのは、4楽章にはあの有名な合唱がある事もその理由のひとつですが、4楽章では、それまでの楽章のフレーズを再度思い出すかのように、ひとつづつ繰り返していきますから、4楽章だけ聴いても、この曲のだいたいのイメージをつかむ事ができると思います。(と言っても4楽章だけで30分近くありますけど…。)

次にこの曲にまつわるエピソードですが、たくさんありますから、そのうちのいくつかを紹介しましょう。まずは初演のとき、耳の病にあったベートーヴェンは助手と供に指揮台に上がり、指揮をとっていたようですが演奏後、これまでの初演の度重なる失敗もあったため、自分自身ではどうも満足のいく演奏ができなかったと思い、失意のうちに指揮台を降りようとしたら、助手がベートーヴェンの手をとり観衆の方を向かせました。すると大観衆からは彼の演奏に惜しみない拍手と歓声を送っていたのです!そうベートーヴェンは耳が不自由でしたから、その拍手が聞こえなかったんですね。

もうひとつ、CDがレコードやカセットテープに変わって初めて販売されるときに、最初は「きりがいいから60分でいいんじゃないの」なんて声もあったようですが、指揮者カラヤンが、「名指揮者フルトヴェングラーが指揮をした“第九”が一番長い演奏をしてるから、それが収まる長さの方がいいんじゃない。」なんて事になり、めでたく?CD1枚の長さは74分になりました。とも言われています。でも実際クラシックファンとしては、74分で良かったですよね。第九もそうですけど、1枚60分で中途半端に2枚組にされてしまうより、1枚で全部きけた方が曲にどっぷりつかれますもんね。


 第1楽章:静寂の中から、遠くに聴こえるようなホルンの響きにヴァイオリン、フルート
 が加わって、「これでいいのか?!」みたいな投げかけのフレーズを演奏します。
 その後ヴァイオリンのフレーズを軸にティンパニ(大太鼓)やフルートなんかがアクセント
 をつけていきます。全体的に緊張感のある演奏が続きますが、その中にヴァイオリンが
 さらっと綺麗なフレーズを入れていますから、その部分を対照的に聴けると思います。

 第2楽章:多少テンポが速くなり勢いもついてきます。小刻みな弦楽器のリズム的な
 フレーズにティンパニがアクセントを加えれば迫力のある音楽を楽しめます。1楽章が
 緊迫したムードなのに対して、多少希望が持てるようなカッコイイフレーズも出て来
 ますから、曲としても徐々に盛上がっていく高揚感みたいなものを持てる曲だと思います。

 第3楽章:少し疲れたようなファゴットの渇いた音色から始まりますが、その後に続く
 ヴァイオリンがまた、綺麗にアシストしていますから、ホッと一息つけるような、そん
 な曲です。テンポも非常にゆっくりになっていますし、とてもしっとりとした曲は、
 まるで時間が止まったかのような別世界に居る気がします。究極の癒しの曲かもしれ
 ないですね。何も考えずに素直に曲の中に、いつまでも漂っていたい。なんて思って
 しまうほど全体的に優しいメロディが続きます。途中に出て来るやわらかい音色のホルン
 なんかは、とてもなごみますよね。
 
 第4楽章:3楽章とはうって変わって劇的な迫力の演奏がいきなり流れてきます。
 それを、どうしたんだ?!と言わんばかりに、チェロとコントラバスがどっしりした
 低音でなだめるように演奏します。すると今度は1楽章のフレーズを少し演奏すると、
 それを否定するような難しげな表情のチェロとコントラバスが演奏します。
 じゃあこれは?と今度は2楽章のフレーズを演奏しますが、やはり気に入らないチェロ
 とコントラバス。次は3楽章のフレーズをフルートが演奏しますが、やっぱり低音弦楽器
 は気に入らないようです。すると今度は新しいフレーズをオーボエが演奏すると、
 ん・・・これは!!みたいにひらめいたような表情をチェロとコントラバスは見せます。
 すると、今度はコントラバスがあの有名な合唱のフレーズをおそるおそる静かにゆっくり
 と始めます。ワンフレーズが終るとチェロ、ヴィオラ、ヴァイオリンが次々に同じフレーズ
 で曲をつないでいきます。そしてフルオーケストラ全体でその演奏を終えると、
 今度は、バリトン(低音男声)のソロが「おお、友よそのような音ではなく、もっと
 歓喜にあふれる歌をうたおうではないか!!」と一声が始まり、それぞれの合唱の
 パートを促して、徐々にあの有名な「歓喜の歌」をつないでいきます。そして、
 ひととおりフレーズを終えると今度は、一変静かになりホルンのリズムにのせて、
 フルートが軽快に「歓喜の歌」を復唱していきます。テノール(男声高音)のソロが
 高らかにワンフレーズを歌い上げると、何かと戦って葛藤しているような弦楽器の
 フレーズが続きそして、ホルンの呼びかけに応えるようにあの有名な「歓喜の歌」
 の大合唱が始まります。
 そして、その後も詩人シラーの崇高な詩をとても神秘的につなげていきます。
 いったん静かになり様子を伺うようなフレーズも出てきますが、オーケストラと合唱
 の見事なコンビネーションで堂々と歌い上げていきます。素晴らしいですね。
 いよいよ終盤には、それぞれの合唱パートのソロが絶妙なコンビネーションで歌い上げ
 ますが、それが終ると最後も派手に盛り上がりを見せて、しっかりと堂々とした
 エンディングで曲を終えます。


これくらいの長さになると、もう曲と言うよりはちょっとしたドラマですよね。
素晴らしい、家で聴いていてもかなり舞い上がってしまう程、盛り上がりますが、演奏会だと尚の事なんでしょうね。
この曲は日本では、年末になると演奏される機会が増えてテレビでも見る事ができますが、欧米では年末に限らず、大規模な式典や大きなイベントの際に、一大行事のひとつとして演奏される事が多いようです。とにかく迫力満点で聴き応えはこれ以上ないほどにありますよね。

≪オススメCD≫
噂のフルトヴェングラーの演奏でどうぞ。

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
フルトヴェングラー(ウィルヘルム), バイロイト祝祭管弦楽団, ベートーヴェン, ホップ(ハンス), エーデルマン(オットー), シュワルツコップ(エリザベート), ヘンゲン(エリザベート), バイロイト祝祭合唱団
東芝EMI

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★  →偉☆☆☆☆☆
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
コンサートに行って迫力ある演奏を聴いてみたい曲ですね。

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ロマンス第1番・第2番

2006年04月11日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ロマンス第1番・第2番です。

ベートヴェンらしからぬ、というかベートーヴェンらしいというか、そんな“ロマンス”なんてタイトルのついているこの曲ですが、その名のとおり非常にロマンチックな曲ですね。こんなタイトルがついてはいますが、ちょっとしたヴァイオリン協奏曲みたいな曲ですから、ヴァイオリンソロをメインにオーケストラが伴奏をつけている曲です。
しかし、協奏曲と違うのは、演奏時間が短く、第1番は7分・第2番は8分程度と、コンパクトな協奏曲といったところでしょうか、時間としても曲としても聴きやすい内容になっていると思います。

ベートーヴェンは最近紹介した三大ピアノソナタなんかだと、悲壮感たっぷりにこれでもか!!という程、暗くて悲しく打ちのめされたようなメロディを作っていますから、そちら側の評価が高く、有名なため、どうしても彼自身がどの曲も暗いイメージの作曲家と思われがちですが、この曲をはじめヴァイオリンの曲は比較的あまくてロマンチックなメロディを作曲していますから、とても同じ人が作った曲とは思えないですね。(やっぱり作曲家ってすごいんだなぁ)


 第1番:ちょっとせつないヴァイオリンソロのたまらない和音からフルート・ファゴット
 がそうっとやさしく入ってきます。静かな雰囲気の曲調はこころが癒されますね。
 ヴァイオリンも始終優しいメロディをしなやかに、しなやかに聴かせてくれますし、
 聴いていると「辛い事があっても、そんなに悩まなくってもいいんだよ。」と、
 優しくなぐさめてくれている気がします。
 
 第2番:こちらも1番に負けず劣らず、優しいヴァイオリンが甘いメロディを奏でる
 ところから始まります。ロマンスはメロディがいいですよね。思わずうっとりして
 しまいそうな、この曲。ヴァイオリンのもつイメージどおりのやわらかいしっとり
 とした音色。決して激しくなる事なく、こんな曲が弾けたらカッコイイんだろうなぁ
 なんて思ってしまいます。

今回のオススメCDはロマンスの他にヴァイオリンの短い曲がいくつか録音されているものを紹介していますが、以前紹介したベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の記事の中にあるオススメCDをロマンス全2曲の入ったものにしましたので、オールベートーヴェンのCDならお好みでそちらもどうぞ、下に記事のリンクをつけておきました。


≪オススメCD≫
いかつい顔して弾いてますけど・・・、
ロマンスの他にもロマンチックなヴァイオリンが楽しめます。

ベートーヴェン:ロマンス
スターン(アイザック), フランツ・リスト室内管弦楽団, モーツァルト, ベートーヴェン, ハイドン
ソニーミュージックエンタテインメント

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆  →甘☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
あま~いロマンチックな気分にひたりたくなったらこの曲ですね。

↓ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲と一緒に録音されているCDはここから↓
♪ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲

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ピアノソナタ第8番「悲愴」

2006年04月05日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」です。

タイトルからして、「悲愴」ですからやっぱり悲しい曲なんですね。
ベートーヴェンの曲は好きなのでいろいろ聴いてますが、明るいときは底抜けに明るい
のに、暗いときはどん底まで落ちるように暗いんですよね。ただ、その落差がいいのか
もしれませんが、とにかくこの曲も暗いです。

加えてこれまでに紹介したピアノソナタ「月光」・「熱情」と合わせて三大ピアノソナタ
としても有名ですし、有名なだけに内容もたっぷり詰まったいい曲ばかりですから、是非
どれも聴いてもらいたい曲ですね。(どれも暗い曲ですけど)

ただ、毎回思うんですが、こういう暗い曲なんかをドラマとか映画とかの効果音で聴くと
かなり迫真に迫ったいい雰囲気を作り出しますから、そんなに気にならずに映像にぐっと
引き込まれていくんですが、じゃあ曲だけで聴くとかなり暗くて怖いイメージになって
しまうんですね。だから、こういう曲を聴くときはあらかじめ暗いイメージを持って、
これはこういう曲なんだと思って聴くと、ドラマのときと同じように感情移入できるんじゃ
ないかと思います。

加えて、暗さだけに捕らわれずに技術的なところを聴いてみても、かなりテクニックを
要する曲なのは少し聴いても分かりますから、そういうアプローチで聴いてみると、単純
に凄い!と思える曲でもありますよね。


 第1楽章:暗い和音をひとつづつ、徐々に盛り上げていきますから、悲しさも、その音
 を重ねる度に重苦しくなっていきます。しかしそれが最高潮に達すると、急に関を切った
 かのように、勢い良くあふれ出してくるフレーズは、とても圧倒されますし、聴き応え
 は十分にあります。その後も早いフレーズがどんどん繰り返し続きますが、自責の念・
 後悔の思い・惜別の念のよな感情を走馬灯のようにくりかえしているように聴こえてき
 ます。そんな思いが続きますが結局、冒頭のフレーズへ戻り、やはりどうしようもない
 事を思い知ったかのようにして、あっけなく終ってしまいます。

 第2楽章:何度考えても同じ結果になると、あきらめたのか、おとなしめのフレーズに
 なりますが、何故か悲しい響きに聴こえます。
 しかし、中盤からは現実に戻りふと考え直しますが、それでも、それからどうしたら
 いいか分からずに途方に暮れてしまうような、まさに“悲愴”にふさわしい曲ですね。
 しかし、単純に曲として聴いてみると一音一音が心に沁みるようないい曲でもあります
 よね。

 第3楽章:あふれ出しそうな感情を一生懸命抑えようとしているかのような、なんとも
 もどかしい感じがします。冷静になろうとする部分と激しい感情が、責めぎあっている
 ような、フレーズが交互に重なり合いますが、絶妙なバランスで曲を進行させている所
 なんかは、この曲の大きな魅力なのかもしれないですね。


どう聴いても暗い曲には変わりありませんが、それでもやっぱり魅力的なんですよね。
ベートーヴェンの辛く悲しい気持ちが十分に分かるとまでは言いませんが、ものものしい
雰囲気だけは伝わってきますから、やっぱり音楽には国境はないんだなぁなんて、改めて
考えてしまうような曲ですね。

≪オススメCD≫
今回は大御所のルービンシュタインで聴いてみましょう。

ベートーヴェン : 月光・悲愴・熱情・告別
ルービンシュタイン(アルトゥール), ベートーヴェン
BMGファンハウス

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【コレってどんな曲】
喜:★★★★★
怒:☆☆☆☆☆  →滅☆☆☆☆☆
哀:☆☆☆☆★
楽:☆★★★★

≪おすすめシチュエーション≫
悲しい事があったとしても、この曲だけはあなたの事をわかってくれそうな気がします。

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ヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」

2006年03月28日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」です。

ヴァイオリンソナタはヴァイオリンとピアノの曲なので、ゆっくり落ち着いて聴けます
から、いいですよね。なによりも聴きやすいのが一番です。
この曲はよく、ヴァイオリンソナタ第5番「春」と一緒にCDに入ってますからそっちと
一緒に聴いてみるといいかもしれないですね。

さてこの曲のタイトル「クロイツェル」ですが、これはこの曲を献呈した人の名前なん
ですね。初演はブリッジタワーというヴァイオリニストとベートーヴェンのピアノで
演奏されていたようです。もともとこの曲もブリッジタワーさんに献呈される予定だった
ようですが、彼とは女性関係をめぐって不仲になってしまったため、別のヴァイオリニスト
クロイツェルさんに献呈することにしたそうです。
タイトル名についてはその後、ロシアの文豪トルストイがこの曲を聴いて小説「クロイツェル
ソナタ」を執筆したって言う話ですから、芸術家ってスゴイですよね。じゃあブリッジ
タワーさんとその後もうまくいってたら、小説のタイトルも「ブリッジタワー・ソナタ」
になってたかもしれない?って事ですよね。


 第1楽章:いきなりヴァイオリンの和音から始まりインパクトと魅力がたっぷりの演奏
 で始まります。ピアノもその後に続きますが、ヴァイオリンのサポートに徹します。
 前半は、少し暗い感じを激しく演奏する場面もあり、もの悲しい雰囲気が多いですが
 しかし、それもヴァイオリンのテクニックを聴いているとあまり気にはならないと思い
 ます。

 第2楽章:落ち着いたピアノ伴奏から始まります。ヴァイオリンがその後を追うように
 同じメロディを演奏しますが、とても、しっとりキレイに聴こえます。ベートーヴェン
 って不思議なんですよね。1楽章であんなに激しい音楽を作るのかと思ったら、2楽章
 では、こんなにうっとり聴かせるようなメロディを持ってきたりして、中盤ではピアノ
 とヴァイオリンがお互いにたわむれるような、可愛らしいメロディもありますから。
 ホントにいろいろ楽しめるんですよね。

 第3楽章:力強いピアノの和音から始まります。すると少しビックリしたのか、ヴァイ
 オリンがおそるおそる入ってきますが、なんでもないと分かるとすぐに軽やかなメロディ
 を鳴らし始めます。途中からは喜び勇んでピアノの手をひっぱて、ヴァイオリンが、
 リードする感じで、先へ先へとピアノを促しているように聴こえます。
 

記事にするにあたって久しぶりに聴きましたけど、やっぱりいいですねこの曲も。
ヴァイオリンの魅力が十分に伝わってくる作品だと思います。前半は多少暗く激しい
フレーズが続きますから、ちょっとどうかな?と思うかも知れませんが、2楽章・3楽章
を聴けばその魅力も絶対にわかってもらえると思いますから、ちょっと長い曲ですが、
最後まで聴いて下さいね。


≪オススメCD≫
前半の激しいところと、後半の可愛らしいところが両方いいんですよ。

ベートーヴェン : ヴァイオリン・ソナタ
シェリング(ヘンリック), ヘブラー(イングリッド), ベートーヴェン
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆☆☆☆★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★  →愛☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
ヴァイオリンのいろんな魅力をこの一曲でどうぞ。

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ピアノ三重奏曲第7番「大公」

2006年03月22日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ピアノ三重奏「大公」です。

「ピアノ三重奏」は、初めて出てきた曲ですね。楽器編成はピアノとヴァイオリンと
チェロの3つの楽器で演奏するので、こんな名前がついてます。多数あるヴァイオリン
ソナタにチェロが加わっただけですが、それでも結構雰囲気が変わって聴こえてきます
から変わった編成の曲をいろいろ聴いてみても、面白いと思います。

タイトルの「大公」は当時ベートーヴェンが遣えていた人(お世話になっていたパトロン)
のひとり「ルドルフ大公」の事で、ベートーヴェンはこの曲の他にもルドルフ大公には
以前紹介したピアノ協奏曲第5番「皇帝」など、たくさんの曲を捧げているようです。
この曲の初演はベートーヴェン自信がピアノを弾いていたようですが、演奏の当日には
ベートーヴェン本人も耳がほとんど聞こえない状態だったらしく、それもあってあまり
いい評価を受けなかったようです。(この人はいつもこのパターンなんですよね。)

さて、曲調は全編に渡って明るくやさしい曲調が続いており、とても聴きやすい曲だと
思います。ピアノとヴァイオリンの中にチェロまでありますから、聴いていてもちょっと
した安心感のある曲ですね。ベートーヴェンがいつも言われているような激しさみたいな
ものが無く、上の話のように、耳が聞こえないつらい状況の中でよくこんな曲が書ける
もんだなぁ~と妙に関心してしまいます。


 第1楽章:ピアノの落ち着いたメロディにヴァイオリンとチェロがすうっとやさしく
 入り、ピアノと同じメロディをやさしくもう一度くりかえします。こんな感じで、
 ピアノ、ヴァイオリン、チェロがお互いに気を使いながら交互にメロディを演奏し
 とても仲良く曲を作っているような、聴いているだけでやさしい気持ちになれそうな
 そんな曲です。

 第2楽章:チェロの問いかけるようなフレーズに応えるように、それを追いかける
 ように、ヴァイオリンが合わせて、そして、その両者をまとめるようなピアノが
 まるで、会話をしているようにバランスの取れた曲です。そして3者の相談が終る
 と、また3者で綺麗なハーモニーを作り出していきます。

 第3楽章:少し疲れたような、もの悲しいピアノのメロディから始まりますが、そんな
 ピアノを慰めるかのようにヴァイオリンとチェロが息を合わせて、一緒にピアノを
 元気付けようとしています。ここでは、チェロの深みのある低音がとてもしっとり、
 ムードのあるハーモニーをつけていますし、ヴァイオリンとピアノに対するチェロの
 コンビネーションも魅力のひとつですね。

 第4楽章:陽気な感じで、落ち着いた表情から始まりますが、序盤から少しペースを
 上げていきます。ここでは低音のチェロが普段、比較的暗いイメージを持っていますが
 ヴァイオリンや、ピアノに負けず劣らず明るいフレーズを何度も両者に混じって演奏
 していますから、よ~く聴いてみると曲をもっと楽しめるかもしれませんね。


初めてこの曲を聴いたときは、ピアノ三重奏の編成が、ただチェロが加わっただけなのに
文字面だけでも変な違和感を感じながら聴き始めていましたが、実際に曲を聴いてみると
これも、ただ、チェロが加わっただけなのにとても深みを増した味わいのあるものだと、
感じてしまいましたから、不思議なものですよね。

≪オススメCD≫
とてもやわらかくて聴きやすい曲だと思いますよ。

ベートーヴェン:P三重奏曲第7
ケンプ(ヴィルヘルム), ベートーヴェン, フルニエ(ピエール), シェリング(ヘンリック), ライスター(カール)
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:★★★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆★   →優☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
ちょっとゆっくりしたいときに、落ち着いて聴ける曲ですね。

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ピアノソナタ第23番「熱情」

2006年03月16日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第23番「熱情」です。

「熱情」タイトルだけでも、ちょっと暑苦しい感じがしますが、そうなんですね、結構
暑苦しいですね。いやいや、そんな事ない!とっても熱い想いなんですね。でもやっぱり
この曲の感じからすると、絶対片思いですよコレ。

「熱情」というタイトルは、やはりベートーヴェン自身がつけたものではないようですが、
それにしてはぴったりとハマったタイトルだと思います。誰が付けたか分かりませんが
これ以上この曲にふさわしいタイトルもないでしょうね。それくらい熱い想いだと思い
ます。

ピアノソナタとしても代表格のような存在の曲ですから、CDもたくさんありますし、
テクニックとしても、そうとうなものを要するんだと思いますから、聴く分にもかなり
聴き応えのある曲です。ただ、全体的にとてつもなく暗い曲ですから、十分な心構えを
もって聴かないと、はじめてなんの気なしに、名曲だから、と思っていきなり聴いてし
まうと、かなり衝撃を受ける事になると思いますから、くれぐれもご注意ください。


 第1楽章:少しあやしげな雰囲気をもった低音のフレーズから始まりますが、一度火が
 付いてしまうと、もう抑えられないこの想い、まるで禁断の恋に落ちてしまったかの
 ように、激しく苦しいメロディがとめどなくあふれ出してきます。
 一度は、自分の激しい想いに気付いて落ち着いた表情を見せる場面もありますが、
 やはり一度ハマってしまうと、もう引き返す事はできません、その想いをいくら抑えよう
 としても、隠そうとしても、もうどうしようもありません。そんな自分を抑えられない
 情けない想いも手伝っているのか、まるで奈落の底に落ちていくような、もう二度と現実
 の世界へは戻ってこれそうにもないような、そんな曲です。

 第2楽章:叶わぬ想いと、気が付いたのでしょうか?1楽章とは変わって対照的にとても
 落ち着いた曲調です。しかし、なぜか悲しい曲です。相手の事を思い出しながら、過去
 の想いに浸って、しっとりした感じの曲になっています。きっと楽しい思い出もあった
 んでしょう。時折、高音のとても繊細で綺麗なメロディも「今となってはいい思い出」
 のように自然に聴こえてきます。でも、絶対告白はしてないですね。この曲調だと、
 そんな風に思ってしまうほど、少し切ない曲です。

 第3楽章:2楽章で、叶わぬ想いと思いとどまったのかと思いきや、「やっぱり忘れられ
 ない」再び苦しい葛藤の中に追いやられたかのように、熱い想いがふつふつと込み上げ
 てきます。
 もう、どうしようもありません。行き場の無くなったあふれる想いが、まるで荒れ狂う波
 のように激しく押しては返しを繰り返していきます。「どう言えば自分の気持ちを理解
 してもらえるのか?」いや、それとも、「どうすれば、この気持ちを自分の中でうまく
 処理できるのか」曲を聴いているだけなのに、何故か歯がゆいもどかしい気持ちになって
 しまいます。
 最後に、自分なりに気持ちを整理しようと、努力するような曲調も見せますが、ここまで
 来てしまうと、もはやどうする事もできません。正に「熱情」を抑えきれないまま曲は
 終ってしまいます。


テクニックもそうとう入りそうなこの曲ですから、聴いているだけでも一度この曲の魅力に
取り付かれてしまったら、もうきっと引き返せない事でしょう。いや、実際好きなんです
よね、この曲。そんな魅力にとりつかれてしまったひとりです。

≪オススメCD≫
ベートーヴェンの熱い想いを感じてみてください。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番&第14番&第23番&第26番
グルダ(フリードリヒ), ベートーヴェン
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆☆★  →激☆☆☆☆☆
哀:☆☆☆☆☆
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
激しい恋の思い出があれば、ベートーヴェンの気持ちも判るかも。

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交響曲第3番「英雄」

2006年03月11日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」です。

クラシックの曲は基本的に長い!現在普通に聴かれているヒット曲がだいたい4~6分程度
なのに対してクラシックは普通の曲を平均しても、軽く30分前後はかかってしまいます。
今日紹介するこの交響曲第3番「英雄」もなんとびっくり1~4楽章を全部合わせて50分弱
「いい曲だから長いけど聴いてね。」って言うだけじゃあせっかく、興味を持ってくれた
人に紹介してるのにこんなんで、いいんだろうか?!ふとそんな疑問を抱いてしまった
今日この頃。

これまでも、このブログの中で○○しながら、とかこんな時に聞くと○○とか、いろいろ
な提案をしてきましたが、この際ですから、どこか旅行へ行くときやさんぽがてらに外を
歩いている時に景色なんかを見ながら、ポータブルプレイヤーで持ち出して聴いてみたら
どうでしょう?
という訳で、今回はちょっとビックイベント企画!?既に違和感を感じながらもお気づき
の方も多いかもしれませんが、なにげにこのブログ開設以来初回から左の角にちょこんと
ブックマークにいるブログ「お寺さんぽ」との、驚きのコラボレーションです!
名所や旧跡をたずねたり、お寺・仏像についておもしろおかしく、歴史についても語られ
ています。「お寺さんぽ」を見て、そうだ!京都へいこう!なんて決めたらすぐに、
クラシックをもっておでかけです。長い旅路には長い曲をもって旅情と一緒に音楽を楽し
む。これで一挙に難題解決!(って訳にはいかないかなあ実際は?)

と、いう訳で曲と同じくかなり長い前フリになりましたが、ここからは「お寺さんぽ」から
お越しの方は、クラシックの世界へようこそ!そしていつも読んで頂いているみなさんは
お待たせしましたここからです。

さてこの曲のタイトルにもなっている「英雄」ですが、そうこれはかの有名なナポレオン
を意識してベートーヴェンが作曲した曲だと言われています。(そう、クラシック音楽は
歴史の出来事からも影響を受けて作曲される事もあるんですね。)
フランス革命の後、フランス国民をまとめて、封建政治を行う諸外国へ遠征を行うナポレ
オンの姿に影響をうけてこの曲のタイトルに使用することにしましたが、ナポレオンが
1804年に皇帝に即位した事を知ると、楽譜の表紙に書かれていた「ボナパルト」(ナポレ
オンの名前)という文字をペンで強くかき消して「英雄」と書き直したという話は、有名
なエピソードとして広く知られているようです。

そんな長い歴史の中の、いろんな思いの中で作曲された、この曲をたった50分そこそこで
味わえるなんて、これはもう聴くしかないでしょう。・・・(こんなのでいいのかなぁ?)


 第1楽章:「ジャン!ジャン!」と強烈なインパクトから始まるこの曲がこれから始まる
 英雄の物語を彷彿させるようなテーマとして後半にも度々出てくる事になります。
 この1楽章全編に渡って、堂々とした正に偉大な英雄をたたえるようなフレーズが曲の
 そこここに見受けられる内容です。

 第2楽章(葬送行進曲):この楽章だけは、サブタイトルがついていますが、「英雄」
 というタイトルをつけた都合上その英雄の死を表すための曲に、ベートーヴェンが
 その形式を重視して作ったと言われているようです。また、偉人などの死に対して
 この2楽章だけが、単体で演奏される事もあるようです。

 第3楽章:弦楽器が細かいリズムを刻んでいる中にオーボエやフルートが、軽やかな
 フレーズを入れてきます。中盤にさしかかるとホルンの、伸び伸びとした三重奏が
 英雄の雄大さや余裕なんかを表しているのでしょうか?落ち着きもあり、それでいて
 スマートなホルンはとても魅力的です。小刻みな弦楽器のリズムの中にもスケールの
 大きな英雄の貫禄を見せています。

 第4楽章:最終楽章にふさわしい弦楽器の大きなフレーズの序章(イントロ)が終ると
 それぞれの楽器が静かに、しかし、威風堂々とメロディをつないでいきます。そして
 一瞬、優しいフレーズを見せたかと思うと又、雄大な、しっかりとした威厳をもった
 ようなフレーズに変わります。そんな風にして曲は終盤へ向かいます。
 そしていよいよ、明らかにそれと分かるエンディングへ・・・、オーボエが最後に、
 しっとりと優雅なフレーズを一通り告げると、最後はフルオーケストラがホルンの
 朗々としたリードの元にまとまって、見事に鳴りきって終わります。


と、言うわけで今日は初の試みでしたが、いかがですか?たまにはこんなのもいいです
よね。ちなみにナポレオンネタではチャイコフスキーの1812年でも少し触れてますから
よかったら、そちらも見てみてください。「お寺さんぽ」を読みながらクラシックを聴い
てみるのも面白いかも知れないですね。


≪オススメCD≫
フルトヴェングラーの“名盤”でお楽しみください。
ベートーヴェン : 交響曲第3番変ホ長調op.55 「英雄」
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ベートーヴェン, フルトヴェングラー(ウィルヘルム)
東芝EMI

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★  →雄☆☆☆☆☆
怒:☆★★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
フルオーケストラにも慣れてきて、大曲を聴きたくなったら…。

↓ちなみに今日の「お寺さんぽ」は↓
歴史やお寺めぐりのブログ「お寺さんぽ」

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ヴァイオリン協奏曲

2006年03月07日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲です。

クラシックはどうも、この「協奏曲」とか「交響曲」とか言うたいそうな名前がいまいち
一般大衆を引き付ける魅力に欠けるんでしょうね、きっと。まあ今更そんな事を言っても
仕方がないので、どうしようもないんですが・・・。
改めまして「ヴァイオリン協奏曲」ですから、ヴァイオリンソロをフルオーケストラが
伴奏する曲ですね。

この曲を初めて聴いたときは、他の作曲家の協奏曲を聴いてから、「ベートーヴェンも
ヴァイオリン協奏曲を作曲してるんだ!?」なんて、(当然といえば当然ですが)なぜか
そんな事を思いながら、「じゃあ、さぞかしスペクタクルな曲を書いてるんだろうなぁ」
とか勝手に想像してましたが・・・いざ初めて聴いてみると、まあ、なんて甘い曲を作曲
してるんでしょうか?ちょっと意外な驚きがありました。ヴァイオリンの美しくつややか
な音をふんだんに、使って表現しています。いい意味で裏切られた感じがしましたが、
全然悔しくなかったのが不思議に思いました。

 こんなエピソードもあるようです。
ベートーヴェンはこの曲の初演の前日まで作曲を続けていたため、ソリストが練習する
時間を十分に取れず、初演は失敗?!とまではいかないまでも、あまり良い評価は受け
なかったようです。その後ベートーヴェンの没後十数年の後、あのメンデルスゾーンが
わずか13歳の時に有名なヴァイオリニストを迎えて、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス
管弦楽団の演奏会でこの曲を弾き、その後評価を得たこの曲がたびたび演奏されるよう
になったようです。(メンデルスゾーンありがとう!ヴァイオリニストも!)
そのうちメンデルスゾーンの協奏曲も掲載しますので、待っててね。


 第1楽章:トン、トン、トン、と静かなティンパニ(大太鼓)の響きから、オーボエの
 優しく明るいフレーズが入ります。そこから、もたったいぶっているかのように少し
 長めの前奏(イントロ)が続きますが、もったいぶっただけあって、ヴァイオリンソロ
 が始まると「待った甲斐があった!」と思わせるような、とても綺麗であま~いメロディ
 が流れてきます。「これぞヴァイオリン!!」と言わんばかりの高音の魅力がたまら
 ないですね。ちなみに後半には“カデンツァ”(アドリブソロ)もありますから、聴き
 どころはたっぷりですね。
 
 第2楽章:弦楽器の静かな伴奏から始まります。ホルンに包まれて始まるヴァイオリン
 は、どこか悩ましげな感じが、とってもいいですね。男性が女性に、「ねぇ、あの指輪
 買ってよ~」とあま~くおねだりされているような、男性もしかたなく、でも悪い気は
 していないような?「仕方がないな~コイツぅ~」とか言ってそうな、(これじゃ、
 まるでバカップル?」みたいな曲ですが、ヴァイオリンの演奏はとっても魅力的です。

 第3楽章:ヴァイオリンのしっかりとした、演奏が2楽章と比べて対照的で、その効果が
 とても、メリハリが効いていて良いと思います。又、3楽章は早い演奏のフレーズも多く
 含まれていますから、テクニックの素晴らしさも楽しめると思います。
 更に、オーケストラとの絶妙なコンビネーションも聴き所のひとつでしょうね。

ベートーヴェンにも、こんなに甘い曲が作れるんですね。(言いすぎかな?)最初から
最後まで明るい曲調が続きますから、とても聴きやすい曲だと思います。
ただ、1楽章だけでも約20分少々ありますし、全曲だと40分程度と、ちょっと長いですが
ヴァイオリンの魅力に取り付かれたら最後、聴き始めたらきっと最後まで聴かずにはいら
れないでしょう。
ベートーヴェンがヴァイオリン協奏曲をこの1曲しか作曲していないのが、とても残念で
なりません。せめて、あと2・3曲ほど作って欲しかった・・・!


≪オススメCD≫
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は優しいメロディですよ!

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
ムター(アンネ=ゾフィー), マズア(クルト), ニューヨーク・フィルハーモニック, ベートーヴェン
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:★★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆★  →甘☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
あま~い雰囲気に浸りたくなったらこの曲でしょうね。

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