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米国政府によるホッキョクグマ絶滅危惧種認定の方針、アラスカ州が反対表明

2008年06月17日 | 生命&倫理
米国政府によるホッキョクグマ絶滅危惧種認定の方針、アラスカ州が反対表明
【Technobahn 2008/5/22 17:13】米連邦政府がホッキョクグマを絶滅危惧種に認定し、連邦法で保護する方針を固めたことに関して、アラスカ州のサラ・パリン知事は21日、記者会見を行い、アラスカ州としてはホッキョクグマを絶滅危惧種に認定することは同州の基幹産業となる石油採掘事業などの経済活動を損なう恐れがあるとして反対する意向を表明した。

 アラスカ州では連邦政府が絶滅危惧種認定を行った場合には、認定の無効を求めてワシントン連邦地方裁判所に提訴する準備があると述べている。

 地球温暖化の進行でホッキョクグマの生息域となっている北極海の海氷が消滅の危機の状態にあり、連邦政府では新たにホッキョクグマを「絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律(Endangered Species Act)」が定める絶滅危惧種に認定することにより連邦法で保護の対象としようとする方針を今月に入ってから明らかにしていた。

 しかし、アラスカ州のパリン知事は、地球温暖化の進行は不確実性の高いもので、アラスカ北部の北極海域全般を生息域としているホッキョクグマを連邦法で保護の対象とした場合、石油採掘事業などの経済活動に少なからず影響を与えることになり、州としては容認できないと述べた。
[Technobahn 2008年05月22日]
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200805221713


米国政府、アラスカの石油掘削会社にホッキョクグマの駆除を許可
【Technobahn 2008/6/17 16:25】米国魚類野生生物局(US Fish and Wildlife Service)がアラスカ州で操業を行っている石油掘削会社に対して施設に接近するホッキョクグマの駆除を認める許可を出していたことが14日までに明らかとなった。

 この許可を受けて石油掘削会社は必要と判断した場合にはホッキョクグマを施設から強制的に追い払うことが可能となる。

 ホッキョクグマの生息域となる北極圏の氷は地球温暖化の影響を受けて近年急速に縮小。生息可能域の縮小を受けて、ホッキョクグマの個体数も急速に現象していることが知られており、今回の米国政府が、石油掘削会社に対してホッキョクグマの駆除を許可したことは環境保護団体の間からは批判も集まっている。
[Technobahn 2008年06月17日]
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200806171625




世の中はニンゲンにとって随分便利になりました。
石炭からスチーム機関、そして産業革命、石油内燃機関、発電、エアコンディショナー、医薬品や医療技術による病気の克服、ジェット旅客機、強力な武器、強大な国家、知的ナントカの取引き、大気中の二酸化炭素の取引き・・・
いったい、どこらへんまで便利になったら、この移り変わりは止まるのでしょうか。

ホッキョクグマにとって、世の中は随分住みにくいことになったものです。
生息するためのテリトリーを守ろうにも、どういうわけか暖かい年が続き、仲間も食料も減り、天敵(=銃を持ったニンゲン)が現れました。
いったい、この家族は生き残っていけるのでしょうか。

ニンゲンは自分たちの文化で正当化したことは決して止めたりしません。 地中の石油を掘り出して、燃やし、大気の組成に僅かばかり影響を与えることも、この北国で安全に会社の仕事を遂行するために、ある種の大型動物の個体数にダメージを与えることも、きっと止めることはないでしょう。

このニュースが伝えるニンゲンの傲慢さ愚かさには、ちょっと呆れてしまいました。 きっとこの星はニンゲンの文化が亡んでしまっても何も困らないことでしょう。むしろホッキョクグマは小躍りして喜ぶことでしょうし、自然が自然な姿に戻るのに損なわれるものは何もないことでしょう。
ただ、ニンゲンが自分たちの欲望に任せてこの時間を進めているのも、どうしようもない、自然の法則のたった一つに過ぎないのだと思います。
車で移動したり電器を灯したりする時には、ほんの少し、アラスカの氷の大地から追い出されてしまいそうなホッキョクグマたちに思いを馳せることにします。
「ごめんね。」


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