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再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

iPS、2遺伝子導入で作成、マウス神経幹細胞から-安全性向上に前進=マックスプランク研究所

2008年06月30日 | 再生医療
 成体マウスの脳から採取した神経幹細胞に2種類の遺伝子を導入するだけで、増殖能力が高く、身体のあらゆる細胞に変わる新万能細胞「人工多能性幹(iPS)細胞」を生み出すことができたと、ドイツのマックスプランク研究所などの研究チームが30日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 神経幹細胞は、自ら増殖するとともに、さまざまな神経細胞に変わる細胞。世界で初めてiPS細胞を作った山中伸弥京都大教授らは昨年12月、こうした特殊な性質がなく、マウスやヒトの皮膚から簡単に採取できる線維芽(せんいが)細胞に3種類の遺伝子を導入する方法でiPS細胞を作成したと発表している。
 遺伝子を導入するのに発がん可能性があるレトロウイルスを使う点は変わらず、今回の方法自体は再生医療応用に向けた実用性が高いとは言えない。しかし、今後導入する遺伝子を1種類でも薬剤に置き換え、レトロウイルスに伴う発がんリスクを下げる上で、遺伝子の種類を減らすことには意義があるという。
 研究チームが神経幹細胞に導入した遺伝子は、遺伝子群全体の司令塔役Oct4と、多様な分化能力を担うKlf4。神経幹細胞はもともと、山中教授らが導入した3種類目の遺伝子Sox2の働きが高く、改めて導入する必要がなかった。

[時事ドットコム 2008年06月30日]
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008063000007


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