酸素や栄養分に乏しい海底下350メートル前後までの泥(堆積=たいせき=物)の中に、大量の微生物が生息していることを、海洋研究開発機構などが突き止めた。地球全体でみると、地上の全植物の6分の1に相当する量と推計される。陸上や海中に匹敵する「第3の生命圏」を明らかにし、生命の進化や環境適応の解明につながる成果で、20日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。
海底下については、約1000メートルの深さまでの堆積物から、1立方センチ当たり10万~10億個の生物細胞が、遺伝子の形で見つかっていた。しかし、生きているのか死んでいるのかは分からなかった。
海洋機構高知コア研究所の諸野祐樹研究員(微生物生態学)らは独ブレーメン大と共同で、世界16カ所から採掘された海底堆積物を分析。生きた細胞の指標となる細胞膜の脂質を抽出し、10センチ~365メートルの深さまでに、アーキアと呼ばれる微生物が大量に生息していることを発見した。海底下のアーキアの総量は地球全体では、炭素換算で900億トンに上ると推定され、地上の全土壌中に住む微生物の3倍以上に相当するという。
アーキアは通常の細菌(バクテリア)より細胞膜が硬く、物質を透過しにくい特徴がある。諸野さんは「厳しい環境に適応し、独自に進化したのではないか」と話している。【西川拓】
[毎日新聞 2008年07月21日]
http://www.mainichi.jp/select/science/news/20080721k0000m040120000c.html
同じ星に棲む生きものとしては、とつぜん家族が増えたようで嬉しいニュース。
なんとまあ!海底にはこんなにたくさんの生命がまだ隠れていました。
いわゆる「地球温暖化ガスの削減」対策、「海底への二酸化炭素貯留」の試みなどは、技術的な問題以外の面からも、一考しなければならないと思います。
海底下については、約1000メートルの深さまでの堆積物から、1立方センチ当たり10万~10億個の生物細胞が、遺伝子の形で見つかっていた。しかし、生きているのか死んでいるのかは分からなかった。
海洋機構高知コア研究所の諸野祐樹研究員(微生物生態学)らは独ブレーメン大と共同で、世界16カ所から採掘された海底堆積物を分析。生きた細胞の指標となる細胞膜の脂質を抽出し、10センチ~365メートルの深さまでに、アーキアと呼ばれる微生物が大量に生息していることを発見した。海底下のアーキアの総量は地球全体では、炭素換算で900億トンに上ると推定され、地上の全土壌中に住む微生物の3倍以上に相当するという。
アーキアは通常の細菌(バクテリア)より細胞膜が硬く、物質を透過しにくい特徴がある。諸野さんは「厳しい環境に適応し、独自に進化したのではないか」と話している。【西川拓】
[毎日新聞 2008年07月21日]
http://www.mainichi.jp/select/science/news/20080721k0000m040120000c.html
同じ星に棲む生きものとしては、とつぜん家族が増えたようで嬉しいニュース。
なんとまあ!海底にはこんなにたくさんの生命がまだ隠れていました。
いわゆる「地球温暖化ガスの削減」対策、「海底への二酸化炭素貯留」の試みなどは、技術的な問題以外の面からも、一考しなければならないと思います。