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ダイエット:適度な食事制限は遺伝子の傷治す…ラット実験=浜松医科大学、三菱化学生命科学研究所

2008年07月22日 | 食品・栄養
 適切なダイエットは遺伝子の傷を修復するたんぱく質の量を増やすことを、浜松医科大と三菱化学生命科学研究所(東京都町田市)がラット実験で突き止めた。遺伝子の傷は老化やがんなどの原因になりうる。老化防止を探る糸口として注目される。23日発行の欧州の専門誌に掲載される。

 過去の動物実験では、適度に食事の量を抑えると長生きすることが分かっている。研究チームは、遺伝子の傷を修復するたんぱく質「WRN」に着目し、食べ物の摂取量との関係を調べた。

 その結果、WRNの量は、1カ月間自由に餌を食べたラット6匹に比べ、摂取カロリーを3割減らしたやせ気味のラット6匹の方が約3倍多いことが分かった。また、長寿に関与するたんぱく質「SIRT1」も約3倍に増えていた。

 一方、ヒトの細胞を使った実験で、SIRT1の働きを抑える薬剤を入れるとWRNの量が減った。適度にカロリー制限するとSIRT1が増え、WRNが失われるのを抑制すると考えられるという。

 瀬藤光利・浜松医科大教授(分子解剖学)は「遺伝子の傷を回復しやすくする仕組みが分かった。若返りの手段を見つける糸口になるかもしれない」と話している。【須田桃子】

[毎日新聞 2008年07月22日]
http://www.mainichi.jp/select/science/news/20080722k0000m040149000c.html