ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

水素水に記憶力低下抑制効果、マウスで確認=日本医科大学

2008年07月19日 | 脳、神経
 水素水を飲むことで、記憶力(認知機能)の低下を抑えられることを日本医大の太田成男教授らが動物実験で確認した。

 認知症の予防や治療にも道を開く成果で、科学誌ニューロサイコファーマコロジー電子版に発表した。

 ストレスによって記憶力が低下することは知られている。研究チームは、マウスを狭い空間に閉じ込め、餌を与えないなどのストレスを加えたうえで、記憶力が、水素が大量に溶け込んだ水と通常の水を飲ませた場合でどのくらい違うか、10匹ずつ、三つの方法で6週間かけて比較した。

 その結果、いずれの場合も水素水を飲ませた方が記憶力が顕著に高く、ストレスのないマウスとほぼ同等だった。記憶をつかさどる脳の領域(海馬)における神経幹細胞の増殖能力も同様の傾向だった。

 研究チームは昨年、水素が活性酸素を取り除き、脳梗塞(こうそく)による脳障害を半減させることを確認。認知症は活性酸素などによって神経細胞が変性する病気とされるが、太田教授は「水素水を飲まないマウスの海馬には活性酸素によって作られた物質が蓄積していた。水素水が活性酸素によって低下した神経細胞の増殖能力を回復させ、記憶力低下も抑制したと考えられる」と話している。

[読売新聞 2008年07月19日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080718-OYT1T00613.htm



「活性水素水」ではなくて今度は「水素水」(やはりアヤしいと感じてしまうのですが、はてさて?)。

(「活性水素水」は「マイナスイオン水」と同様、科学用語ではなく、疑似科学のたぐいであり、これに関連した商品は公正取引委員会からも排除命令が出ています。)
ところで水素分子は常温では安定な気体ですから、水に通して溶け込ませ「水素水」として飲んでも殆ど無害ではあります。しかし還元力がそれほど弱いのなら、わざわざそんなことしなくても‥。だいたいそんな水素分子が選択的に「悪玉活性酸素」を都合良く取り除けるのでしょうか。
体の中には他にも酸化されやすい有機物はたくさん流れています。ヒドロキシラジカル(・OH)を除去するものとしては、ベータカロチン、ビタミンE、リノール酸、フラボノイドなどが知られています。

狭いところに入れられて空腹で頑張ったマウスたち、ご苦労さま。

脳梗塞治療に水素が効果、動物実験で確認=日本医科大学
http://blog.goo.ne.jp/cinogi/e/c5f7a931afcb4308f051e8f4bde4bb64

ダニの体内から特効薬?貧血起こす「バベシア症」に関する酵素発見=鹿児島大学、農研機構

2008年07月19日 | 生きもの色々
 家畜やペット、ヒトの赤血球に寄生し、重い貧血を起こす「バベシア症」を媒介するマダニが、自らの体内では病原体を増殖させずに、動物などに感染させる仕組みを、鹿児島大と農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、茨城県つくば市)の共同研究チームが解明した。血液を吸うダニや昆虫が媒介する感染症には、マラリアなど重い症状を伴うものも多く、抑制の仕組みの解明は、治療薬開発にもつながるという。
 バベシア症は、マダニの体内に住むバベシア原虫が、マダニが血を吸う際に動物の体内に入り込み、赤血球に寄生。ヘモグロビンを分解し、重い貧血になる。牛や犬などで死亡する例が増えているほか、欧米ではヒトへの感染例も増えており、有効な治療薬がないため、死者も出ている。
 鹿児島大の藤崎幸蔵教授らは、マダニの腸で作られ、吸った血液の中の赤血球を消化する過程で使われるたんぱく質分解酵素を発見し、「ロンギパイン」と名付けた。

[時事ドットコム 2008年07月19日]
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008071900059