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脳梗塞治療に水素が効果、動物実験で確認=日本医科大学

2007年05月08日 | 医療技術
 動脈硬化などの原因となる活性酸素を、水素が取り除き、脳梗塞(こうそく)による脳の損傷を半分以下に減らす効果があることを、日本医大大学院の太田成男教授らが動物実験で確認した。

 体に悪い活性酸素だけを選択的に除去する性質も判明し、脳梗塞などの治療薬開発が期待される。研究成果は8日付の科学誌ネイチャー・メディスン(電子版)に掲載される。

 活性酸素は細菌など外敵を退治するのに有効だが、一方で身体の“さび”と言われ、老化の黒幕と考えられている。特に脳梗塞では、一度詰まった血流が再開する時に大量の活性酸素が発生し、脳を傷める。

 太田教授らは、人工的に脳梗塞にしたラットを使い、一方に濃度2%の水素ガスを与え、もう一方は何も与えずに血液の流れを再開した。その結果、水素ガスを与えたラットの脳損傷の程度は、何も与えないラットの半分以下だった。

 活性酸素には、いくつかの種類があり、水素は、最も酸化力が強い「ヒドロキシルラジカル」にだけ作用することもわかった。

 太田教授は「水素は善玉の活性酸素には作用しない。既存の脳梗塞治療薬より効果は顕著で、有望だ」と話している。

[読売新聞 / 2007年05月08日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070508i401.htm


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