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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

がん:光で診断 組織採取せず治療法選択=米・国立衛生研究所

2007年07月14日 | 可視化技術
 がんの組織を体内から採取しなくても、どの抗がん剤が効くかを確認したり、転移場所を推定できる画像診断技術を、小林久隆・米国立衛生研究所主任研究員らの研究チームが開発した。特定のがんと結びつく性質のある抗体に蛍光物質を載せて注射し、近赤外線をあてて光らせる方法。一度の画像診断で、複数のがんについて同時に適切な抗がん剤を選ぶことを可能にする技術で、9月の米国分子イメージング学会で発表する。

 研究チームは、肺がん、乳がん、大腸がん、甲状腺がんの4種類のがんを対象に実験した。各がんごとに、抗がん剤が効くタイプなら結合する抗体を用意し、蛍光物質を載せた注射剤を作成。タイプごとに蛍光物質の種類を変えた。同時に4種類のがんを発症させたマウスに静脈注射し、近赤外線をあてると、それぞれのがんの場所を異なる色で光らせることができた。

 また、直径約9ナノメートル(ナノは10億分の1)の人工の分子に、蛍光物質を載せた分子を作成。マウスに注射すると、この分子はリンパ液に乗って流れ、近赤外線をあてると光るため、どこのリンパ節に到達したかが分かった。この分子をがんのそばに注射すれば、転移のルートや転移先の推定が可能になる。

 小林研究員は「痛い思いをしなくても、複数のがんを1回で確認でき、患者の負担が軽くなるはずだ。5年程度で実用化できるとみられ、PET(陽電子放射断層撮影)など従来の画像診断より、個々の患者に適した治療を選択する診断が可能になるだろう」と話している。【永山悦子】

[毎日新聞 / 2007年07月14日]
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070714k0000e040066000c.html

(記事中に米国立衛生研究所とありますが、小林さんは米国立がん研究所の所属のようです。訂正させていただきます。)
米国立がん研究所(NCI)分子イメージング・プログラム
小林久隆さんのページ;
http://ccr.cancer.gov/staff/staff.asp?profileid=9879

顎関節症:痛み和らげるサプリメント開発=三重大学、イシダファーマ

2007年07月14日 | 食品・栄養
 三重大学(津市)などの共同研究チームは、20代の女性に多く見られる顎(がく)関節症の痛みを和らげる効果があるサプリメント(栄養補助食品)を開発した。15日に仙台市で開かれる日本顎関節学会で、臨床試験の詳しい結果を発表する。

 開発したのは、同大医学系研究科の田川俊郎教授(口腔(こうくう)・顎顔面外科学)と、健康補助食品などを開発・販売する「イシダファーマ」(津市、石田剛社長)。サプリメントは、軟骨の再生作用がある成分と鎮痛・抗炎症作用がある成分でできている。臨床試験では、あごの痛みを訴える患者が減ったといい、今秋には商品化を予定。歯科医などを通じて販売する。

 顎関節症は、口を開けると音がする、痛む、口が開かなくなるなどの症状があり、国内に推計約1600万人の患者がいるとされる。米国のホットドッグ早食い大会のチャンピオンとして知られる小林尊さんが顎関節症になったことを自らのブログで告白して話題になった。現在は主に、スプリントと呼ばれるマウスピース状のものを口にはさむなどの治療が行われている。田川教授は「顎関節症の痛みが緩和できるサプリメントは初めて。治療の一助になる」と話している。【高木香奈】

[毎日新聞 / 2007年07月14日]
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070714k0000e040065000c.html

イシダファーマ株式会社 ホームページ
http://www.ipharma.co.jp/