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アルツハイマー 発症抑制酵素を発見=大阪バイオサイエンス研究所、大阪大学

2007年03月27日 | 遺伝子組替マウス
根治療薬開発に光

 大阪バイオサイエンス研究所の裏出良博研究部長と大阪大学大学院生の兼清貴久さんの研究グループは、認知症のアルツハイマー病を発症段階で抑えるタンパク質(酵素)が脳脊髄(せきずい)液に含まれていることを見つけ26日、米国科学アカデミー紀要に発表した。この病気の治療法はいまだ確立されておらず、発症予測の方法や治療薬の開発に役立ちそうだ。

 アルツハイマー病は、今では早期発見し、症状の進行を遅らせることができるが、根治させる治療薬の開発が待たれている。

 この病気は脳内でつくられるアミロイド・ベータという小さなタンパク質が神経細胞の周囲に取り付き、細胞を死滅させることが原因のひとつ。裏出部長らは、脳脊髄液の主要なタンパク質であるリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素が、アミロイド・ベータと固く結合し、凝集を抑えることを発見。

 この酵素を作る遺伝子を欠いたマウスと正常のマウスで比較したところ、脳内にアミロイド・ベータを加えると、遺伝子を欠いたマウスでは3倍以上も凝集した。逆に、この酵素を遺伝的に多量につくるマウスでは数分の1に減った。さらに、ヒトの脳脊髄液からこの酵素を除くと、凝集を抑制する効果が半減した。

[産経新聞 2007年03月27日]
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/kenko/070327/knk070327002.htm