goo blog サービス終了のお知らせ 

ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

ナルコレプシー:関係する遺伝子を発見=東京大学

2008年09月29日 | 脳、神経
 日中でも激しい眠気に見舞われたり、発作的な脱力などに襲われる「ナルコレプシー」の発症に関係する遺伝子を、徳永勝士・東京大教授の研究チームが発見した。診断や治療に役立つ可能性がある。28日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス電子版に発表した。

 研究チームは、患者と健康な人のゲノム(全遺伝情報)を解析。両者の間で、4種類ある化学物質の塩基の並び方が異なる場所(スニップ=SNP)を調べ、ナルコレプシー発症と最も関係が高い1カ所を特定した。具体的にはチミンという塩基が、シトシンという別の塩基に置き換わっていると、ナルコレプシー発症の危険性が1.8倍高いことが判明した。

 また、このSNPに隣接し、正常な睡眠や脳の働きを担う2種類の遺伝子に注目。シトシンの人は、2種類の遺伝子の働きが低下し、ナルコレプシー発症につながっている可能性が高いことを突き止めた。

 日本には約20万人の患者がいると推定されている。発症の詳しい原因は未解明で、治療は対症療法にとどまっている。

 研究チームの宮川卓東京大助教(人類遺伝学)は「遺伝子が作るたんぱく質の機能を補う物質を開発すれば、新しい治療薬になりうる」と話す。【河内敏康】

[毎日新聞 2008年09月29日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20080929k0000m040119000c.html

BSEを脳の電位で診断、早期発見に道=動物衛生研究所

2008年09月24日 | 脳、神経
 動物衛生研究所(茨城県つくば市)、北海道立畜産試験場(新得町)の研究チームは24日、牛に音の刺激を与えた時の脳の反応から、牛海綿状脳症(BSE)を臨床診断する方法を開発したと発表した。

 BSEの発症は従来、牛の動作や症状から臨床診断されているが、感染が疑わしい牛にこの方法を応用することで、より早期に発見することが期待できるとしている。

 同研究所の新井鐘蔵上席研究員によると、利用したのは人でも行われる「聴性脳幹誘発電位」という方法。専用のイヤホンで牛に音を聞かせ、脳幹に起きる電位の変化を調べる。

 実験では、感染牛の脳を健康な牛に接種して人為的にBSEを感染させて育成。12-24カ月後に計5回測定した。

 その結果、BSE感染牛はぼーっとしたり神経質になったりするなどの段階から既に、中脳などへの情報の伝わり方が遅くなり、電位が低下していた。さらに、前脚が震えたり立ち上がれなくなったりする神経症状が現れると、この測定ではっきりした聴覚障害が確認された。

[共同通信47NEWS 2008年09月24日]
http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008092401000611.html


【牛の脳波測定でBSE診断=早期発見期待、農場用装置開発へ-動物衛生研】
 牛に特定の音を聴かせて脳波を測定し、BSE(牛海綿状脳症)か診断する技術を動物衛生研究所が開発した。24日から宮崎市で始まった日本獣医学会で発表する。BSEの確定診断は死後の脳を調べる必要があるが、農場で牛に負担を掛けず簡単に診断でき、早期発見に役立つと期待される。農場用の小型診断装置の試作品を来年度中に完成させ、1台300万円以下での市販を目指す。

[時事ドットコム 2008年09月24日]
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200809/2008092400809

「ビスフェノールA」脳の神経組織に悪影響…サルで証明=(米)エール大学

2008年09月06日 | 脳、神経
【ワシントン=増満浩志】プラスチック製の食器などから溶け出す化学物質ビスフェノールA
(BPA)によって、脳の神経組織の形成が妨げられることが、サルを使った米エール大などの
実験で分かった。

 米科学アカデミー紀要電子版で発表した。

 ネズミでは知られていた現象だが、内分泌や脳の構造が異なる人間でも起きるのかどうか、
安全性をめぐる議論の焦点となっていた。

 異常が現れたのは、記憶や学習をつかさどる海馬などの、「スパイン」とよばれる構造。体内の
ホルモン「エストラジオール」の働きで形成が促進され、神経細胞同士の信号のやり取りに重要な
役割を果たす。ところが、アフリカミドリザルにBPAを4週間与え続けた結果、エストラジオールの
働きが妨げられ、領域によってはスパインの数が半分以下に減少した。

 霊長類への影響を初確認したことで、研究チームは「うつ病などの気分障害にもつながる可能性が
あり、医療機器や食器などへのBPA使用について懸念が増した」と指摘している。

 実験では、アフリカミドリザルの背中にポンプを埋め込み、1日に体重1キロ当たり50マイクロ・グラムの
BPAを体内へ送り込んだ。日本など世界各国で、同じ量のBPAが、毎日摂取しても問題がない基準値と
されている。

[読売新聞 2008年09月06日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080906-OYT1T00503.htm

アルツハイマー病 記憶障害改善に成功 マウス実験 神経伝達物質がカギ=理化学研究所

2008年09月02日 | 脳、神経
 アルツハイマー病での記憶障害には、情報の伝達を抑制する神経伝達物質がかかわっていることを、理化学研究所などの研究チームがマウスを使った実験で突き止め、米科学誌プロス・ワンに発表した。

 この伝達物質の働きを妨げると記憶障害は改善され、チームは「新たな治療法の開発につながる可能性がある」としている。

 アルツハイマー病では、脳にベータアミロイドというタンパク質がたまり、老人斑と呼ばれる染みができる。このタンパク質がたまりやすいように遺伝子操作したマウスの脳を詳細に調べたところ、神経回路の信号伝達を抑制するガンマアミノ酪酸(GABA=ギャバ)と呼ばれる神経伝達物質の働きが、通常のマウスより活発になっていた。

 迷路を使った実験で、遺伝子操作したマウスにGABAの働きを妨げる薬剤(GABA阻害剤)と塩水をそれぞれ注射して成績を比較。塩水を与えたマウスは、トレーニングを重ねても失敗が減らなかった。一方、阻害剤を投与されたマウスは徐々に成功が増え、GABAの働きを妨げると記憶力が高まることが分かった。

 脳の神経回路は、信号を伝達する「興奮性神経細胞」と、信号伝達を抑える「抑制性神経細胞」で構成されている。理研の吉池裕二研究員は「GABAの働きが活発になり、『興奮』と『抑制』のバランスが崩れることで記憶障害が生じると考えられる。記憶力を正常に戻すには、抑制と興奮のバランスを取ることが重要」と話している。

<ガンマアミノ酪酸(GABA)> アミノ酸の一種で、ヒトをはじめとした哺乳(ほにゅう)動物の海馬や小脳などに多く存在する。脳内では、神経信号の伝達を抑える抑制性神経細胞の間で、情報を伝える働きをする。一つの神経細胞から放出されたGABAが、別の神経細胞の受容体と結合することで情報を伝達する。

[東京新聞 2008年09月02日]
http://www.tokyo-np.co.jp/article/technology/science/CK2008090202000165.html

神経細胞の分岐メカニズム解明、全体像明らかに=京都大学

2008年09月01日 | 脳、神経
 神経細胞(ニューロン)が「樹状突起」を木の枝のように分岐しながら伸ばすメカニズムの一端が、京都大生命科学研究科の上村匡教授と大学院生の佐藤大祐さん、石川冬木教授らの共同研究で分かり、英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジーで1日までに発表した。

 神経細胞は、アンテナのように広げた樹状突起で信号を受け取り情報処理する。分岐のパターンは神経細胞ごとにさまざまで、情報処理の多様性につながり、異なる生理機能を実現している。

 上村教授らはショウジョウバエを用いて、生体内で樹状突起の伸長を観察し、分岐ができるときに働くタンパク質を調べた。

 細胞内で物質輸送のレールとなる微小管の上を動くモータータンパク質のダイニンと、ダイニンと逆方向に動くキネシンのいずれかが機能していないと、突起は十分に伸長しないまま分岐し、樹状突起全体は「タンポポの綿毛」のようになってしまった。

 ダイニンなどは、タンパク質Rab5との結合を介して小胞を運んでおり、樹状突起の中を小胞が行きつ戻りつする様子が観察できた。Rab5を働かないようにすると分岐がうまくできなくなり、すき間だらけの樹状突起になった。モータータンパク質とRab5が協調して分岐の場所や数を調節しているらしい。

 上村教授らは「ミトコンドリアなど他の細胞小器官が樹状突起形成に果たす役割も調べ、多様な分岐パターンができる全体像を明らかにしたい」と話している。

(写真:木の枝のように広がった神経細胞の樹状突起(写真左)。Rab5が機能しないとすき間だらけに(右上)、モータータンパク質が機能しないとタンポポの綿毛(右下)のようになってしまう=上村匡京大教授提供 )

[京都新聞 2008年09月01日]
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008090100054&genre=G1&area=K00

ラットに新たな「神経核」発見=京都府立医科大学

2008年08月19日 | 脳、神経
 ラットの脳の視床下部に新たな神経細胞の集合体「神経核」があることを、京都府立医科大学院3回生の森浩子さん(26)が発見、19日の米国科学アカデミー紀要電子版に発表した。新たな神経核の発見は30年ぶり。この神経核は血中の女性ホルモンの量に応じて受容体数が変動し、生殖や摂食行動を制御している可能性があるという。

 森さんは昨年4月、ラットの脳の断片写真を見ていて自律神経や内分泌機能をつかさどる視床下部に見たことがない神経核があるのを見つけた。ラットの脳の構造を解説する資料にも記述がなく、新たな神経核と判明。「矢状核(やじょうかく)」と名付けた。

 矢状核は雌雄いずれの脳にもあることが確認されたが、雄では雌に比べて約1.7倍大きいことも判明した。女性ホルモンであるエストロゲンの血中量の変化に応じ、受容体数が増減。変化に対応するように、矢状核内の抑制性の神経伝達物質が働いており、視床下部がつかさどる生殖や摂食行動などに影響を及ぼしているとみられるという。

 ヒトでは矢状核は見つかっていないが、森さんを指導する河田光博教授は「(人間にも)同じような神経核があれば、自己の性別を自然に認識する仕組みにかかわっている可能性がある」と話している。

[msn産経ニュース 2008年08月19日]
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080819/trd0808191116008-n1.htm

視床下部:もとになる細胞、ES細胞で作成 尿崩症治療薬に期待=理化学研究所

2008年08月06日 | 脳、神経
 食欲や排尿など体の重要な働きを調節する脳の一部「視床下部」のもとになる細胞をヒトのES細胞(胚(はい)性幹細胞)から作り出すことに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹グループディレクターと綿谷崇史リサーチアソシエイトらが成功した。拒食、過食などの摂食障害や脳手術などで視床下部が傷ついた際に尿が大量に出過ぎる「尿崩症」などの治療薬開発に活用できる可能性があるという。

 5日、米国科学アカデミー紀要電子版に論文が掲載された。

 視床下部は体積5立方センチ前後の器官。多様なホルモンを分泌し排尿や睡眠、体温などを調節している。人間が母胎で育つ途中で「視床下部前駆細胞」が変化してできる。笹井さんらは今回、この前駆細胞をヒトとマウスのES細胞から作った。

 マウスの実験では、前駆細胞をさらに変化させ、実際に視床下部の細胞を作ることに成功。排尿を抑えるホルモンを出す細胞や、満腹中枢の細胞ができた。これらを使えば、さまざまな化学物質が視床下部のホルモン分泌をどう変化させるか調べられるという。【野田武】

[毎日新聞 2008年08月06日]
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/08/06/20080806ddm012040062000c.html

高齢でも若者の半分は存在、脳神経細胞のもと、学習で増加-サルで判明=東京大学、理化学研究所ら

2008年07月20日 | 脳、神経
 学習や記憶を担う脳の海馬と呼ばれる部分にある神経細胞のもとの幹細胞は、高齢になっても若い時の半分程度はあることが、東京大と医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター、理化学研究所が20日までに行ったカニクイザルの研究で分かった。幹細胞が分裂して新たに神経細胞になる割合はサルによって違いが大きく、学習能力が高いサルでは、神経細胞がよく増えていた。(2008/07/20-14:56)

[時事ドットコム 2008年07月20日]
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008072000087

水素水に記憶力低下抑制効果、マウスで確認=日本医科大学

2008年07月19日 | 脳、神経
 水素水を飲むことで、記憶力(認知機能)の低下を抑えられることを日本医大の太田成男教授らが動物実験で確認した。

 認知症の予防や治療にも道を開く成果で、科学誌ニューロサイコファーマコロジー電子版に発表した。

 ストレスによって記憶力が低下することは知られている。研究チームは、マウスを狭い空間に閉じ込め、餌を与えないなどのストレスを加えたうえで、記憶力が、水素が大量に溶け込んだ水と通常の水を飲ませた場合でどのくらい違うか、10匹ずつ、三つの方法で6週間かけて比較した。

 その結果、いずれの場合も水素水を飲ませた方が記憶力が顕著に高く、ストレスのないマウスとほぼ同等だった。記憶をつかさどる脳の領域(海馬)における神経幹細胞の増殖能力も同様の傾向だった。

 研究チームは昨年、水素が活性酸素を取り除き、脳梗塞(こうそく)による脳障害を半減させることを確認。認知症は活性酸素などによって神経細胞が変性する病気とされるが、太田教授は「水素水を飲まないマウスの海馬には活性酸素によって作られた物質が蓄積していた。水素水が活性酸素によって低下した神経細胞の増殖能力を回復させ、記憶力低下も抑制したと考えられる」と話している。

[読売新聞 2008年07月19日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080718-OYT1T00613.htm



「活性水素水」ではなくて今度は「水素水」(やはりアヤしいと感じてしまうのですが、はてさて?)。

(「活性水素水」は「マイナスイオン水」と同様、科学用語ではなく、疑似科学のたぐいであり、これに関連した商品は公正取引委員会からも排除命令が出ています。)
ところで水素分子は常温では安定な気体ですから、水に通して溶け込ませ「水素水」として飲んでも殆ど無害ではあります。しかし還元力がそれほど弱いのなら、わざわざそんなことしなくても‥。だいたいそんな水素分子が選択的に「悪玉活性酸素」を都合良く取り除けるのでしょうか。
体の中には他にも酸化されやすい有機物はたくさん流れています。ヒドロキシラジカル(・OH)を除去するものとしては、ベータカロチン、ビタミンE、リノール酸、フラボノイドなどが知られています。

狭いところに入れられて空腹で頑張ったマウスたち、ご苦労さま。

脳梗塞治療に水素が効果、動物実験で確認=日本医科大学
http://blog.goo.ne.jp/cinogi/e/c5f7a931afcb4308f051e8f4bde4bb64

多発性硬化症の治療薬に道 発症の仕組み解明=国立精神・神経センター

2008年06月10日 | 脳、神経
 中枢神経の一部が炎症を起こし、視覚や運動などさまざまな障害が出る難病「多発性硬化症」は、特定の遺伝子の働きが高まることで炎症を起こす物質が放出されて発症するという仕組みを国立精神・神経センター神経研究所の山村隆部長らが解明、9日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。

 この遺伝子を標的にすれば、病気の進行を抑える薬の開発につながるという。

 多発性硬化症は免疫機能の異常で、脳や脊髄の神経細胞を結ぶ細長い軸索を取り巻く「さや」の部分に炎症が起きて発症。リンパ球の一種、T細胞が中枢神経に入り、さやを攻撃することが原因とされるが、詳しい仕組みは不明だった。

 山村部長らは、多発性硬化症の患者で働きが活発になっている「NR4A2」という遺伝子に注目。マウス実験などで、この遺伝子がつくるタンパク質が、炎症を引き起こすサイトカインという物質の分泌に関与していることを突き止めた。

 この遺伝子の働きを弱めるとサイトカインの分泌が減り、病気のモデルマウスの症状が軽くなった。

[共同通信47NEWS 2008年06月10日]
http://www.47news.jp/CN/200806/CN2008061001000315.html



【多発性硬化症 「遺伝子から炎症物質」解明】

 手足のまひや視覚障害などの症状が出る神経難病「多発性硬化症」の患者に多く現れる遺伝子の働きを国立精神・神経センター神経研究所の山村隆免疫研究部長らが解明し、9日付の米科学アカデミー紀要に発表した。新薬開発につながる研究と注目される。

 山村部長らは、多発性硬化症の患者に多く現れる「NR4A2」という遺伝子が、免疫をつかさどるT細胞という細胞の中でどう働くかを調べた。この遺伝子が働くと、炎症を引き起こす物質(サイトカイン)を出すことを突き止めた。

 逆に、患者の血液からT細胞を取り出してこの遺伝子の働きを抑えると、細胞が出すサイトカインが減ることもわかった。マウスを使った動物実験でも、この遺伝子の働きを抑えると病気の症状が改善した。薬の開発への糸口になる可能性がある。

 多発性硬化症は、脳や脊髄(せきずい)などの中枢神経に炎症が起き、神経を包むさやが破壊される原因不明の病気。国内には推定で1万人の患者がいる。

[読売新聞 2008年06月13日]
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080613-OYT8T00499.htm

アルツハイマー病の症状、特定遺伝子を組み換え軽減 マウス実験=埼玉医科大学、エール大学

2008年05月30日 | 脳、神経
 埼玉医科大学と米エール大学の国際研究チームは、ある特定の遺伝子の働きを抑えると、アルツハイマー病の症状を軽減できる可能性があることをマウスを使った実験で明らかにした。アルツハイマー病の原因たんぱく質を除去する細胞が増え、症状も改善したという。

 成果を米科学誌「ネイチャー・メディシン」(電子版)に30日発表する。(30日 20:01)

[NIKKEI NET 2008年05月30日]
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080530AT1G2902N30052008.html

そううつ病の薬、脳神経再生促す効果=自然科学研究機構・生理学研究所

2008年05月27日 | 脳、神経
 自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県岡崎市)の等誠司准教授らの研究グループは27日、そううつ病の薬に脳神経の再生を促進する働きがあることを世界で初めて見つけたと発表した。脳の万能細胞である神経幹細胞の働きを薬が活発にする。新型万能細胞(iPS細胞)が注目される一方、体内の万能細胞を薬で活性化する新たな再生医療としての可能性が出てきた。

 神経再生の働きを見つけたのは、そううつ病患者の感情の起伏を安定させる薬として広く使われているリチウム、バルプロ酸、カルバマゼピンの3種類の薬。患者に投与するのに相当する量をマウスに3週間与え、変化を調べた。これまでの同様の研究に比べ、薬の投与量を10分の1程度に抑えて微細な変化を観察した。

 薬を飲ませ続けると、神経幹細胞の働きを活発にする特殊なたんぱく質が増えて増殖が盛んになる。これにより幹細胞が5割程度増え、細胞全体の数も増える。(27日 23:16)

[NIKKEI NET 2008年05月27日]
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080528AT1G2703N27052008.html

アルツハイマーのマウス、脳に抗体注射で能力回復=佐賀女子短期大学

2008年05月20日 | 脳、神経
 佐賀女子短大(佐賀市)の長谷川亨教授(公衆衛生)らの研究グループは、アルツハイマー病のマウスを使った実験で、脳からホモシステイン酸という物質を減らすと記憶・学習能力が回復したと発表した。7月に米シカゴで開かれる国際アルツハイマー病学会で発表する。

 長谷川教授によると、ホモシステイン酸はホモシステインなどのアミノ酸から生成され、同病の原因物質とされるβ(ベータ)アミロイドを蓄積させる。

 実験では、同病を発症したマウス6匹のうち3匹の脳に3日に1度、3週間にわたりホモシステイン酸を減らす抗体を注射。水をためたおけの中でゴールにたどり着く時間を計測し、注射しない3匹と比較した。その結果、注射した3匹は健康なマウスと同程度まで記憶・学習能力が回復した。

 長谷川教授は「ホモシステイン酸自体がアルツハイマー病の原因物質である可能性もある」としている。

[読売新聞 2008年05月20日]
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20080520-OYS1T00355.htm

アルツハイマー病の原因物質を脳内で蓄積しにくくすることに成功=埼玉医科大学、南フロリダ大学

2008年04月29日 | 脳、神経
 へその緒の血液(さい帯血)を静脈に注射する手法で、アルツハイマー病の原因物質を脳内で蓄積しにくくすることに、埼玉医科大総合医療センターの森隆准教授と米国・南フロリダ大のチームが成功した。

 さい帯血移植は白血病などの治療に広く使われているが、高齢社会で増加しているアルツハイマー病の治療にも有効である可能性がでてきた。成果は、米医学誌「ステム・セルズ・デベロップメント」(電子版)に掲載された。

 アルツハイマー病は、脳にアミロイドベータ(Aβ)と呼ばれるたんぱく質が異常に蓄積することで神経細胞が死に、認知障害が出る病気。そのため、Aβの蓄積を抑える薬の開発が世界中で進められている。

 研究チームは、生まれつきAβが蓄積しやすいマウス10匹の静脈に、2~4週間おきに人のさい帯血細胞を10万個ずつ計8回注射した。すると、さい帯血細胞を注射しなかったマウスに比べ、脳内のAβ量は約7割減少した。

[読売新聞 / 2008年04月29日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080429-OYT1T00065.htm

ALS:新たな原因遺伝子発見=新潟大学

2008年04月28日 | 脳、神経
 筋肉が次第に動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の新たな原因遺伝子を、新潟大の小野寺理准教授らが発見した。この遺伝子による「TDP43」というたんぱく質の異常が症状を引き起こすとしている。異常は約9割を占める非遺伝性ALSでもみられることから、原因究明が大幅に加速すると期待される。26日付の米神経学会誌で発表した。

 ALSには遺伝性と非遺伝性があり、運動をつかさどる神経が侵され、症状が進むと自力呼吸も難しくなっていく難病。非遺伝性ALS患者の神経細胞には、TDP43というたんぱく質が蓄積することがわかっている。しかし、神経細胞が侵された結果として蓄積するのか、蓄積によって神経細胞が侵されるのかは不明とされていた。

 小野寺准教授らは、TDP43の異常がみられる一部の遺伝性患者を研究。TDP43をつかさどる遺伝子に異常が見つかったことから、TDP43が神経細胞を侵す原因のたんぱく質であるとした。

 これまで遺伝性ALSの大半は「SOD1」という遺伝子の異常が原因とされてきたが、神経細胞の組織が異なるため、互いの研究連携は不透明だった。小野寺准教授は「遺伝性の場合、モデル動物などをつくりやすく研究を進めやすい。ALS研究の進展が期待できる」と話した。【渡辺暢】

[毎日新聞 / 2008年04月28日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20080429k0000m040124000c.html