(高江住民(中央)をはさんで、若手中心の頼もしい大弁護団)
国が高江住民を訴えたスラップ訴訟(通行妨害禁止請求事件)の控訴審第4回口頭弁論が開かれた。
裁判長は、控訴人(高江住民Iさん)から出されていた証人申請を却下、これで裁判は終結とすると宣言した。「えー、もう終わるの?」と、傍聴席からため息が聞こえる。
控訴人代理人があわてて手を上げ、最後の陳述をしたいということで、代理人とIさん本人の陳述が認められた。
まず、立ちあがったのは、代理人の加藤弁護士。「現場での住民の行動は、防衛局職員に対して話し合いや説明を求めたもので、住民としての当然の権利だ。国は、事業に反対する住民がおれば、丁寧に説明を尽くすべきで、それを逆に、住民を相手に民事訴訟などを起こすものではない。司法は、きちんと正義のための役割を果たすべきだ。」と、この裁判の本質を見事に説明された。
そして、控訴人本人のIさんが立ちあがった。「国は、当初、十分な説明をしてこなかった。オスプレイが来る場合も、住民に説明すると約束したが、それも今だにしていない。2008年の国による仮処分以来、何度も裁判所に足を運ばざるを得なかったが、生活面への負担も大きかった。そもそも、戦争をしないとう憲法があるのに、戦争のための基地を作ろうというのは認められない。裁判所には、是非、憲法に沿った判決をお願いしたい。」と話された。急なことで、準備もされていなかったはずだが、落ち着いた見事な陳述だった。
裁判長は、「これで結審とします。判決は、6月25日 午後2時」と告げ、控訴審は終わった。
控訴人が求めた証人採用は却下されたが、そう悲観的になることもない。この控訴審では、裁判所が、国の提訴根拠に疑問を示し、国のその根拠を説明するよう指示するなど、一審とは異なった審理が続いた。そもそも、国の請求は、法的に成り立たないものであり、住民弾圧のために提訴したことの不当性が明らかになった以上、「一審判決破棄。住民の勝訴」という控訴審判決しかあり得ない。6月25日の判決に期待したい。