チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

新たな土砂陸揚用桟橋(N4護岸、K8護岸)の造成を許してはならない!  辺野古崎と長島の間が完全に閉鎖される!

2019年01月23日 | 沖縄日記・辺野古

 政府が大浦湾の軟弱地盤の存在を認め、地盤改良工事のための設計概要変更申請を年内に提出することが明かになった。昨日(22日・火)は、各マスコミからの問い合わせが続き、その対応に追われた。知事が設計概要変更申請を承認しないことが明かである以上、いくら工事の簡単な辺野古側の埋立を強行しても、肝心の大浦湾での工事の展望は全くない。政府は、軟弱地盤改良工事の全容、大浦湾の環境に与える影響等を明かにし、少なくとも県の審査が終るまで辺野古側の工事を中止しなければならないと繰り返し説明した。

 ところが、昨日の夜、またとんでもないニュースが飛び込んできた。防衛局は、昨日の環境監視等委員会に、新たな護岸の建設工事に入ると説明したというのだ。

 報道によれば、辺野古崎先端部のN4、K8護岸。N4護岸は全長135m、K8護岸は全長515mのうち、約半分の250mを造成するという。(下図参照)

 この工事はいったい何か? 以下、説明する。

2019.1.23 琉球新報

 2019.1.23 沖縄タイムス

 

*これは当初計画の護岸工ではなく、埋立土砂の陸揚用桟橋! 環境保全図書の無断変更

 防衛局は、辺野古側での埋立工事を急いでいる。先日のブログでも説明したように、現在の「2-1区域」だけではなく、3月下旬からは「2区域」へも土砂を投入することを明かにした。しかし、現在は土砂の陸揚場所は、大浦湾奥のK9護岸の場所に造成した桟橋しかない。このままでは土砂の供給が追いつかず、辺野古側の1期工事の埋立工事のためには、3年ほどもかかってしまう。

 防衛局は、当初、大浦湾沿岸部のN1護岸、N2護岸を陸揚の桟橋として造成することを計画したものと思われる。しかし県が、サンゴ類の移植のための特別採捕許可申請を不許可にしたため施工することができず、N4護岸、K8護岸造成に変更したのであろう。

 今回、明かにされたN4護岸、N8護岸の工事は、本来の護岸の造成ではなく、陸揚用の桟橋として使うことを目的としたものだ。100mだけ造成されたK9護岸も、本来の構造ではなく、基礎捨石の両側に被覆ブロックではなく根固用袋材を置き、予定とは反対側に小さな消波ブロックを設置して造成された。いずれ、基礎捨石以外は全て撤去し、本来の構造に造り替えなければならない。最初から護岸ではなく、桟橋として使用することを目的として造成されたものだ。

 県は、K9護岸を桟橋として使用することは環境保全図書の変更であり、留意事項により、知事の承認を得なければならないと、行政指導を繰り返し、埋立承認「撤回」の理由の一つとした。今回、これらの指導を無視し、さらに大規模に陸揚用桟橋を造成しようとおり、決して許されない。

 そもそも、K8護岸は、ケーソン護岸に繋がる護岸である。防衛局は、ケーソン護岸が軟弱地盤のために、地盤改良工事等で設計概要変更申請が必要だと認めた。知事は変更申請を承認しないと言明している。工事が頓挫する事態が現実のものになっているのに、それに隣接する護岸を造成することなどあり得ないことだ。


*辺野古崎と長島との海峡が完全に閉じられる! サンゴ類にも致命的な影響が

 K8護岸付近は浅い岩礁が続き、桟橋として使用するには沖合まで長く造成しなければならない。ところが、すぐ近くには、移植対象のサンゴ群落が広がっている。報道によれば防衛局は、サンゴ類まで50mまでなら影響がないと説明しているという。

 今回のK8護岸造成は250mというが、これは土砂運搬の台船をつけることができる水深までの距離であろう。それから逆算して、この距離まではサンゴ類に影響はないと言っているいすぎない。なんという勝手な言い分であろうか。

 上の地図を見ても分かるように、土砂運搬の台船は、サンゴ群落の上を通ってK8護岸に接岸する。積み替えの際の土砂のこぼれ、雨天時の汚濁水の流出、台船のスクリューによる海底土砂の巻き上がり等、サンゴ類には著しい影響が予想される。さらに、辺野古崎と長島の間が完全に閉鎖されることによる潮流の変化もある。

 少なくとも環境保全図書の変更手続なしに、このような護岸工事に着手することは認められない。

 

 

 

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