チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

大浦湾で鋼管矢板打込みによる護岸工が始まったが、防衛局の大きな誤算 --- 陸上に作業ヤードを設置できず、土砂を仮置きしていたデッキバージを代用。狭くて作業のペースはあがらない。 土砂の搬送にも支障。

2024年08月25日 | 沖縄日記・辺野古
 防衛局は8月20日から、沖縄県の行政指導も無視し、大浦湾のA護岸工に着手した。いよいよ大浦湾での本格工事が始まった。しかし、実際には、防衛局は準備が整わないまま工事に着手したため、大きな問題をかかえている。

 A護岸工は、長さ30m~40m、直径1.0m~1.4mの鋼管矢板を2列(間隔14m)に打込み、その間に中詰材(砂)を入れて護岸とするものだ(2014年に一度、「シュワブ(H26)二重締切護岸新設工事」として発注されたが、施工できずに頓挫した工事である)
 当初の埋立承認願書では工期8ケ月だったが、2014年の「シュワブ(H26)二重締切護岸新設工事」では工期約2年とされた。そして今回、代執行で承認された設計変更申請書では、最も打込み速度の速い工法に変更されたが、何故か、工期は約4年近くにも延びている。1000本ほどの鋼管矢板を延々と打ち続ける難工事である。

 A護岸工では、大量の鋼管矢板の仮置き、艤装等のために、陸上部に広い作業ヤードを設置する予定だった。「シュワブ(H26)二重締切護岸新設工事」では、シュワブから30海里の場所に6000㎡の作業ヤードを20ケ月間借りる設計だったが、今回の「シュワブ(R5)A護岸新設等工事」では、7500㎡もの広い作業ヤードを設置するとされている。今回は、特記仕様書の公開にあたって、シュワブからの距離の部分を黒塗りしてしまったが、以前は「30海里」だったのだから、中城湾港以外には考えられない。

 先日から鋼管矢板の打設が始まったが、中城湾港に作業ヤードが設置されている様子はなく、以前から土砂の仮置き場として使用していたデッキバージに、鋼管矢板等を並べて作業している。陸上部に作業ヤードが設置できず、デッキバージで代用しているのであろう。

 しかし、陸上部に予定されていた7500㎡もの作業ヤードと比べ、あまりに狭く、仮置きできる鋼管矢板の量は制限される。これでは、現在でも4年近い工期がさらに延びることは確実である。
 死傷事故の原因究明もないまま、安和桟橋からの土砂の海上搬送を再開したが、デッキバージは土砂の仮置き場としては使えない。さらに、土砂の陸揚場としていたN2護岸も、造成工事が始まったので使用できない。
 土砂の搬送ペースも大幅にダウンすることは必至だ。


(大浦湾のデッキバージは、土砂の仮置き場ではなく、A護岸工の作業ヤードとして使用されている)

このデッキバージは、土砂の仮置き場として使用されていた(2020.12.11 沖縄ドローンプロジェクト)




 
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