チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

辺野古側「②区域」の埋立開始は、実際には土砂の供給が追いつかない --- 県民の諦めを狙った無理な着工!

2019年01月20日 | 沖縄日記・辺野古

  辺野古では、昨年12月4日から辺野古崎西側の「②-1区域」への土砂投入が続いている。さらに1月15日の地元紙は、3月にも、その西側の「②区域」での土砂投入が始まると報じた。

 以下、この問題について説明しよう。


*赤土条例に基づく県への通知後、45日たてば土砂投入ができる。ただ、実際の事業開始予定日はまだ分からない

 埋立工事も土地の形質変更であるから、1000㎡以上の場合、県赤土等流出防止条例に基づき、事業開始日の45日以上前までに県に届出をしなければならない。国の場合は、届出ではなく、通知とされ、細かい点では民間事業の場合との違いがあるが、条例制定当初からの経過で民間と同じ扱いがされている。

 報道によれば、防衛局は1月中にも事業行為通知書を提出するとされている。仮に1月末に提出された場合、提出日から45日経過後からしか工事に着手できないので、「②区域」への土砂投入は早くても3月中旬以後となる。

 ただ、事業行為通知書には、「事業開始予定年月日」を記載するようになっている。昨年の「②-1区域」の事業行為通知書は6月12日に県に提出されたが、事業開始予定年月日は8月17日とされていた。今回の場合、事業開始予定日が何時とされるかは未だ分からない。

 

*「②区域」の面積は総面積の4分の1だが、土量はまだ全体の5.4%

 現在、進めらている「②-1区域」への土砂投入は、この間、説明してきたように、20ヶ月後に現在契約された1期工事が完了したとしても、面積(6.3ha)は総埋立面積(160ha)の約4%だが、浅い海域であるため、土量(13.7万㎥)は総土量(2062万㎥)の0.7%弱でしかない。

 「②区域」は、面積も広く(33.8ha、 総面積の約4分の1)、「②-1区域」よりもやや深い海域となるが、それでも土量(110.95万㎥)は総土量のまだ5.4%にすぎない。

 

*防衛局が抱える難問---陸揚場所がなく、埋立土砂の供給が追いつかない!

 それでも、「②-1区域」の土量(13.7万㎥)は、ダンプトラックに換算すると27,400台。「②区域」の土量(110.95万㎥)は、ダンプトラック221,900台という膨大な量となる。環境への影響は深刻となり、一刻も早く中止させなければならない。

 ただ、防衛局は大きな難問を抱えている。これだけの大量の土砂の供給方法である。

 このブログでも書いたが、現在、安和桟橋から土砂が大浦湾に海上搬送されているが、問題は土砂の陸揚げ場所がK9護岸1箇所しかないのである。安和桟橋からガット船で大浦湾に運び、そこで台船に積み替える。そして台船をK9護岸の先端に着け、ダンプトラックに積み込んで辺野古側の埋立箇所まで運ぶという手間暇がかかっている。

 12月5日から1月15日までの間で、安和桟橋に土砂を持ちこんだダンプトラックの総数は8090台(16日間)となっている。大浦湾にはまだ土砂を積んだ台船が何隻か残っているから、この全てが陸揚げされということではない。また、安和桟橋に入るダンプトラックには、ほんの少ししか土砂を積んでいないものも多い。

 それらを別にしても、ほぼ30日で8090台分が陸揚げされたということは、K9護岸からの陸揚げは、平均すれば1日にダンプトラック270台ほどが精一杯であることが分かる。

 もしこのペースで今後も進むとすると、「②-1区域」のための土砂搬入は5月連休頃までは続く。その間、「②区域」の埋立も開始すれば、「②-1区域」のための土砂が減ることから、さらに遅れることとなる。

 そして、「②区域」の埋立は、ダンプトラック221,900台もの土砂が必要だから、なんと27ヶ月を要することとなる。5月から始めたとしても、2021年8月頃までかかってしまうのだ。

  当初の計画では、埋立工事は大浦湾側から始めることとなっていた。辺野古側の埋立は大浦湾に造成した中仕切岸壁に土砂運搬船を横付けして土砂を陸揚げし、90トンダンプで辺野古側に搬送する計画だった。工程を大幅に変更し、辺野古側から埋立を開始したのだが、土砂の陸揚箇所がK9護岸の1箇所しかないため、埋立土砂の供給が追いつかないのだ。

 要するに、「②区域」の埋立開始というのは、実際には作業条件が整っていない。それを承知で、広い箇所でも土砂投入が始まったということを県民に見せつけることだけが狙いなのだ。県民を諦めさせることを狙った無理な着工なのだが、こんな調子では、沖縄県の試算した工期13年どころではなく、完成までいったい何年かかるか検討もつかない。

 

 


 

 

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