チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

7月14日、県環境部と交渉 --- 熊野鉱山開発計画に対する公害等調整委員会の合意案受諾を今からでも撤回せよ! 議会の議決を得ていないことも地方自治法違反

2022年07月14日 | 沖縄・南部土砂問題//遺骨問題 

 糸満市熊野鉱山の開発計画に対し、戦没者の遺骨混りの土砂が掘り起こされるということで県民の疑問の声が沸き上がり、県は昨年、自然公園法に基づく措置命令を出した。

 しかし開発業者は県の措置命令を不服として、総務省の公害等調整委員会に裁定を申立てた。今までに3回の審理が開かれたが、公害等調整委員会は6月14日、県と開発業者に6項目の合意案を提示し、業者は6月21日に受諾した。具志堅さんや私たちは知事に受諾しないよう申し入れたが、知事は24日に受諾してしまった。

 この合意案の内容とその問題点については、6月24日の本ブログ(「糸満市熊野鉱山開発に係る公害等調整委員会の和解案受諾の経過と問題点」)で詳しく説明したので、参照されたい。

 私たちは、知事の受諾表明に抗議し、6月24日に知事宛の「要請・質問書」を提出したが、その後、判明した事実を追加し、7月4日に再度、「要請・質問書」を再提出し、合意案受諾決定の撤回を求めた(末尾に全文を転載)。

 今日(7月14日・木)、私たちからの「要請・質問書」について、県環境部との話し合いが行われた。

 

 県環境部の説明は、次のようにとても納得できるものではなかった。

 1.戦没者の遺族の方々への説明を行おうとしないこと

 2.自然公園法に基づく措置命令には法的な拘束力があったが、今回の合意案の場合は、「業者に協力を求める」ことしかできず、業者が違反した場合のペナルティがないこと

 3.南部地区の遺骨は細かく砕けてしまったものが多く、業者が重機による掘採中に遺骨を見つけることは不可能に近いが、県は、「一部を除いて遺骨の収集は終わった」としていること

 4.土砂搬出路となる農地の一時転用許可は3年以内に限られるのに、再提出される開発届の事業年度についてはそれとは別だとしていること

 5.魂魄の塔前の県所有の広場は米須霊域の参拝者のためのものであるのに、現在でも熊野鉱山開発業者の重機や作業車両の通行を黙認していること

 6.自然公園法に基づく開発届は糸満市に提出され、糸満市は「措置命令を検討すべき」という意見書をつけて県に送付した。また、糸満市の風景づくり条例や開発行為の指導要綱等の手続きが行われているが、県は受諾にあたって糸満市と協議もしていないこと

 他にも多くの問題点があるのだが、その詳細は後日、あらためてまとめたい。

 ただ、「質問・要請書」では触れなかったのだが、合意案受諾について県議会の議決を得ていないのは地方自治法96条違反ではないかということを指摘したので、その点について説明したい。

 

 地方自治法は次のように定めている。

第96条第1項

 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。 

 ⑿ 普通地方公共団体がその当事者である審査請求その他の不服申立て、訴えの提起、和解、あつせん、調停及び仲裁に関すること。」

 今回は「合意案」という言葉が使われているが、公害等調整委員会が示した合意案を両者が受諾し、業者は現在の申請を取り下げるというのであるから、まさに「和解、あっせん、調停、仲裁」そのものである。当然、合意案受諾にあたっては県議会の議決が必要となる。

 この点について環境部は、「和解ではなく、合意案だから、議会の議決事項ではない」、「措置命令の内容が概ね含まれているので和解の要件にはあたらない」、「合意案を両者が受諾したところで争いが終るのではない。しばらくは事業者が申請を取り下げるまでは争いが続いているので、これは和解の要件とはいえない」等の説明に終始した(この点についてあいまいな説明が続いたので、文書での回答を求めている。

 最終的には、「県としては議会に諮る必要はないと判断している。今日、こういう話があったことは上司にも伝える」ということでこの日の話し合いを終えた。

 

     

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沖縄県知事 玉城デニー様                                  2022年7月4日 

熊野鉱山に係る公害等調整委員会の合意案受諾についての質問と要請 

      遺骨収集ボランティア・ガマフヤー代表    具志堅 隆松

              ガマフヤー支援者の会    谷 大二             

 

 知事は、昨年5月14日、糸満市・熊野鉱山開発計画に対して、自然公園法に基づく措置命令を出されました。沖縄戦跡国定公園内の風景の保護、戦没者の遺骨の保全のために当然の措置であったと評価しています。

 しかし熊野鉱山の開発業者は、県の措置命令を不服として国の公害等調整委員会に裁定を申請しました。今まで3回の審理が行われてきましたが、本年6月14日、公害等調整委員会が双方に合意案を提示したことが、6月21日に報道されました。

 私たちは、6月22日、県から合意案の内容について説明を受けましたが、とても納得できるものではなかったため、6月24日午前、知事宛に「和解案を受諾しないことを求める要請書」を提出しました。ところが、その直後、知事は県議会の代表質問に対する答弁で合意案受諾を表明し、午後には公害等調整委員会に受諾回答をしてしまったのです。

 県民、特に戦没者のご遺族の間には、今回の合意案受諾に対する疑問と失望の声が高まっています。知事は、今からでも合意案受諾を撤回し、今後の対応について、県民、ご遺族と十分、話し合われるよう求めます。

 私たちは6月24日に要請書を提出し、今回の合意内容について多くの問題点を指摘したところですが、その後、判明した事実も含めて、再度、下記のとおり質問と要請をします。

(注:「県の措置命令と公害等調整委員会の合意案の概要」は末尾に掲載)

 

                            記

 

1.合意案受諾の経緯、今後の流れについて

⑴ 知事は、6月23日午後、平和祈念式典後の記者会見で、「(和解案への対応について)明日までに具体的な状況がはっきりする。内容全体を含めて私にはまだ来ていないので、確認して発表する」(6月24日、沖縄タイムス)と説明していた。ところがその翌日の午前の県議会本会議で、「受諾する」という答弁をしており、知事自身が合意案の内容について、十分検討されたとはとても考えられない。

 知事が、今回の合意案について説明を受けたのは何時か? また、知事が最終的に受諾に同意したのは何時かを説明されたい。

 

⑵ 県は6月22日、私たちに「合意案受諾の回答をすれば、次回(7月29日)の公害等調整委員会で審理は終了する。開発業者は提出していた開発届を取下げ、改めて開発届を提出する。届が受理されてから30日を経過すれば工事に着手できる。従って業者は、最短で8月末には工事に着手できる」と説明した。

以下、今後の手続きについて、説明されたい。

・県が公表した公害等調整委員会の合意案の概要(末尾)には、このような「現在の開発届を取下げ、改めて開発届を提出する」という文面はないが、この手続きはどのような形で提示されたのか?

・次回の公害等調整委員会の審理で、和解書(合意書)が交わされるのか? 

・業者から提出されていた開発届の取下げはその後か?

・新しい開発届の提出は、糸満市が窓口となる。糸満市は現在の開発届に意見を付して県に送達したが、新しい開発届について、糸満市は意見を付すことはできないのか?

・熊野鉱山の開発にあたっては、糸満市の風景づくり条例の届出、開発行為に関する指導要綱に基づく協議等も行われているが、こうした糸満市の諸手続きのやり直しの期間は見込まれているのか?

・こうした点を考慮すれば、「最短で8月末には工事に着手できる」とは考えられないのではないか?

 

2.県民、特に戦没者のご遺族の方々への説明会を開催すること

 この問題の当事者は、あくまでも戦没者のご遺族の方々である。今回の合意案への対応だけではなく、遺骨混りの南部地区の土砂を埋立てに使用すること等について、県民、ご遺族の方々に十分説明し、その理解を得るよう努力されることがまず必要である。

 県民、ご遺族の方々への説明会を開催すべきではないか?

 

3.合意案の内容についての疑問

⑴ 「掘採前の遺骨の確認、県との協議」を無くしたことの問題 --- 措置命令失効の大きな意味--- 「合意案は措置命令の内容を概ね反映している」とはいえない!

 昨年の県の措置命令では、「掘採前」に「遺骨の有無について関係機関と連携して確認する」、「掘採開始前の県への報告・協議」が義務付けられていた。これが措置命令の中心項目であった。しかし、今回の合意案は、この2つが無くなり、業者が掘採着手後に遺骨を発見した際の手続き等を示しているにすぎない。

 知事は24日の記者会見で、「今回の合意案は措置命令の内容を概ね反映している」とコメントした。しかしその根拠は、「関係機関による遺骨の調査・収集の機会は確保されている」、「表土を剥離した範囲を緑色のシートで覆うことは、措置命令の『植栽等』による方法の一つである」、「ガジュマルの植栽を行う」、「これまでの公害等調整委員会の審理や進行協議を通して、実質的な事前協議が行われたものと認識している」等にすぎず、合意案がとても「措置命令の内容を概ね反映している」とはいえない。

 自然公園法に基づく措置命令では、業者が措置命令に違反した場合、知事は掘採の中止命令や原状回復を指示できる。従わない場合は罰則が課せられる。しかし、今回の合意案では、業者が合意条項に違反しても、県が是正を指示する法的根拠はなく、何のペナルティもない。

 この点でも、「合意案は措置命令の内容を概ね反映している」といるとはいえないのではないか?

 今回の合意が成立すれば、沖縄戦跡国定公園内の鉱山開発に対して、知事が自然公園法に基づき発出した措置命令がなかったことになってしまう。沖縄戦跡国定公園内の80ヵ所以上の鉱山、そしてこれから新たに始まる鉱山開発計画に対して、今後、知事が自然公園法に基づく措置命令を出すことは二度とできなくなってしまうことが危惧される。

 

⑵ 業者が掘採中に遺骨を発見しても、その報告の義務・罰則がない

 今回の合意案の大きな問題は、事前の遺骨の確認、県との協議もないまま掘採が始まってしまうことである。南部地区の戦没者の遺骨は細かく砕かれているものが多く、重機による掘採中に見つけることはほぼ不可能である。

 またこの合意案では、遺骨が見つかった場合でもそれを県に報告するかどうかの判断は業者に任されている。遺骨が見つかったと県に報告すれば、2週間、その付近の工事が止まるのであるから、業者は県に遺骨発見の報告をするだろうか? 何のペナルティもないのであるから、「気がつかなかった」として済まされることを防ぐ術はない。

 公害等調整委員会に、少なくとも合意案に、業者が遺骨発見の報告をしなかった場合のペナルティ等を入れるよう何故、求めなかったのか? 

 

⑶ 意味不明な合意案の内容 -- 何故、内容を確認することもなく、丸ごと受諾したのか?
 今回の合意案には、意味不明な点が多い。

 合意案によれば、掘採は3つの工区に別けて行われる。⑴は、「事業者による掘採工事は、『令和4年1月までに遺骨調査が行われた場所』、『盛り土の可能性がある場所』の順に行うものとし、『遺骨調査が必要と考えられる場所』の工事については、令和6年11月から12月にかけて行う」とされている。また、⑹では、「令和6年1月以降、掘採を完了した部分に順次埋戻しを行うとともに、ガジュマルの植栽を行う」とされている。

 業者による工事開始時期がまだ決まっていない段階で、何故、最後の工事箇所が「令和6年11月から12月に掘採を行う」等と期間が定められているのか? また、「令和6年1月以降、埋戻しと植栽を行う」ともされている。これらの具体的な日時は、実際には変動するものであり、そもそも合意案の文面としてふさわしいものではない。

 さらに合意案⑵は、「工事の際に遺骨が発見されたときは、事業者はその周辺半径5mの範囲で、工事を2週間中止し、戦没者遺骨収集情報センター等による調査及び遺骨の収集を認める」とされている。しかし遺骨が見つかったにもかかわらず、調査・収集範囲が「半径5m」というのはあまり不十分である。また、「2週間」でセンターが遺骨の調査・収集をできるのか? 「遺骨の調査・収集を認める」ではなく、「遺骨の調査・収集を終えるまで工事を中止する」とすべきであった。

 

⑷ 「斜面部分の遺骨収集は終えている」、「盛土がなされた場所は、遺骨が混入している可能性は低い」とはいえない

 知事は24日の会見で、「最初に工事に着手する全掘採予定地の約半分を占める斜面部分は、すでに遺骨収集情報センターによる遺骨の調査収集は終えた。2番目に着手する斜面下の平坦部分は、他の場所から持ち込まれた土砂により盛土がなされた区画であり、遺骨が混入している可能性は低い」と説明した。

 確かに斜面部分での遺骨調査は昨年8月に行われた。しかし、この斜面部分、その下の平坦部は、一昨年11月、開発業者が森林法を無視して重機による伐採・整地を行ってしまい(下写真参照)、表面を目視しただけでは遺骨の確認は難しくなってしまっている。

 また知事は、「斜面下の平坦部は、他の場所から持ち込まれた土砂により盛土がなされた場所であり、遺骨が混入している可能性は低い」とも説明した。

 他の場所から持ち込まれた土砂には遺骨が混入している可能性が低いとしても、盛土の下の戦争当時の地表面には、遺骨が残っている可能性が高い。盛土部分を除去して当時の地表面を露出させ、遺骨調査を行う必要がある。

 右の写真でも分かるように、熊野鉱山付近では斜面から平坦地部分にかけて、東西方向にドリーネ(石灰岩が浸食されてできた竪穴。沖縄ではアブと言われる)が連なっている。2つのシーガーアブもその位置にある。こうしたアブやガマ(壕)には戦争当時、住民・兵士たちが避難していたのであり、戦没者の遺骨が残っている可能性が高い(本年3月の県議会でも、県は、「戦後、シーガーアブで70柱の遺骨が収集された」と説明している)。

⑸ 土砂搬出路の農地一時転用許可は3年以内であり、自然公園法の開発届も事業年度は3年以内に限られる

 熊野鉱山では鉱山掘採に伴う石材・土砂搬出ルートがないため、開発業者は現在、北側の農道に続く4筆の農地の一時転用を知事に申請している。

 この付近の農地は、農振法に基づく農用地区域に指定されており、一時転用許可は「3年以内」に限られる。

 熊野鉱山の開発届では、当初、事業期間は約5年であった。農地一時転用申請について糸満市は、「3年以上の一時転用は認められない」ということで、業者の申請を受け付けなかった。そのため業者は、農地転用の申請書を、事業期間を3年に短縮した計画に差し替えざるを得なくなった。

 この一時転用申請は、現在、沖縄県で審査が行われており、最終的に知事判断となる。

 「3年以内」というのは、掘採だけではなく、埋戻しや農地への復旧期間も全て含めた期間である。今回の合意案では事業終了期間が不明だが、全体の事業年度は3年を超えてしまうのではないかと思われる。県の説明では、今までの公害等調整委員会の審理でこの点については県も提起しておらず、委員会も全く検討していないということだが、その点でも、今回の合意案は不十分なものであった。

 農地転用申請を審査する沖縄県農政課は、「3年という一時転用許可を延長することはできない」、「3年後、別の場所で新たに一時転用を申請することはできない」と明言している。今後、合意が成立して新たに提出される自然公園法の開発届も、当然、「3年以内」でしか受理できないのは当然である。

 また、再提出された開発届の事業年度が3年を超えておれば、知事は農地一時転用申請を許可してはならない。

 なお、開発業者は現在、重機や作業車両を、魂魄の塔前の沖縄県が所有・管理する広場から「有川中将以下将兵自決の壕」に続く里道を通している。今後、掘採が始まれば、さらにダンプトラックや作業車両が頻繁に通行するだろう。

 しかし、この魂魄の塔前の広場は、米須霊域の参拝者の駐車等のためであり、鉱山のダンプトラックの作業車両の通行は認められない。

(近くの鉱山のダンプトラックの待機場となった魂魄の塔前の県管理広場(2021.2.27))

 

 県は、昨年、私たちの指摘により、この広場に「参拝者以外の使用禁止」の看板を立てた。業者が今後提出する開発届には、このルートを使用しないことを明記させる必要がある。

 

⑹ 糸満市を全く無視した合意案受諾回答

 県は6月22日、「合意案受諾の回答をすれば、次回(7月29日)の公害等調整委員会で審理は終了する。開発業者は提出していた開発届を取下げ、改めて開発届を提出する。届が受理されてから30日を経過すれば工事に着手できる。従って業者は、最短で8月末には工事に着手できる」と説明した。

 しかし、自然公園法の開発届の窓口は、県ではなく糸満市である。熊野鉱山の現在の開発届も、2020年12月22日に糸満市に提出された。糸満市はその内容を審査し、昨年1月22日、「届出地に周辺には慰霊塔などもあり、来訪者も多い。そのため、戦跡等とともに斜面緑地も、歴史の風景として保全を図る必要もある」、「届出地は風景の保護の必要性が高いため、自然公園法に基づく措置命令を検討すべきである」等の意見書(調書)を付けて、開発届を県に送付した。その後、県が開発届を受理したのは昨年の3月18日である。県はその後、糸満市の意見も配慮して措置命令を出した。

 このように開発届については、糸満市が申請の窓口になるのであり、糸満市は現在の開発届に対する意見も出していた。ところが今回、県は、合意案の受諾にあたって糸満市の意見を全く聞いていない。
 また、熊野鉱山の開発については自然公園法だけではなく、糸満市の風景づくり条例に基づく届出書、開発行為に関する指導要綱に基づく協議等の手続きも行われている。今回の合意案に基づき事業計画の内容が差し替えられるのであれば、当然、糸満市のこれらの条例、要綱の変更手続きが必要となる。糸満市抜きで、県だけで工事着手に同意できるものではない。

 

⑺ 何故、合意案に応じる必要があったのか?

 県は6月22日、私たちに、「今回の合意案を拒否した場合、公害等調整委員会の裁決で県の措置命令が取り消される可能性が高いので、措置命令の内容を一部含む合意案を受け入れる」と説明した。24日の記者会見でも同様の説明をしている。

 しかし、開発業者はすでに6月21日、合意案を受諾している。合意が成立しない場合に措置命令が取り消されるというのであれば、開発業者は、今回の合意案を拒否したほうが得策であることは明らかである。開発業者が合意案を受諾したということは、裁決で県の措置命令が取り消される可能性が見込めないと判断したからであり(若しくは、今回の合意内容は鉱山開発に何の支障にもならないと判断した)、県が合意案を受諾する必要はなかった。

「県の措置命令が取り消される可能性が高い」とは、どのような判断に基づくものか?                                                           

                           (以上)

 

******************************** 

<県の措置命令と公害等調整委員会の合意案の概要> 

 県が昨年5月に出した自然公園法に基づく措置命令と、今回の公害等調整委員会の合意案の概要は、下記のとおりである(県発表の資料より)。

 

 <沖縄県の措置命令>(2021.5.14)

 

1.遺骨の有無について関係機関と連携して確認し、関係機関による遺骨の収集に支障が生じないよう措置を講じること。

2.掘採区域の周辺、特に掘採区域の敷地境界に接している慰霊碑の区域における風景へ影響を与えないよう、必要に応じ、植栽等の措置を講じること。

3.周辺植生と同様の植物群落に原状回復すること。

4.上記の各措置について、掘採開始前に県に報告し、協議すること。

 

 

 

 <公害等調整委員会が示した合意案>

 

1.事業者による掘採工事は、「令和4年1月までに遺骨調査が行われた場所」、「盛土の可能性がある場所」の順に行うものとし、「遺骨調査が必要と考えられる場所」の工事については、令和6年11月から12月にかけて行う。

2.工事の際に遺骨が発見されたときは、事業者は、その周辺半径5mの範囲で、工事を2週間中止し、戦没者遺骨収集情報センター(以下、「センター」)等による調査及び遺骨の収集を認める。

3.事業者は、剥離した表土を一定の場所に保管し、埋戻しまでの間、センターにおいていつでも調査可能な状態とする。

4.事業者は、表土剥離後の石灰岩が露出した状態において、掘採までの間に、再度センターが調査を希望した場合には、これを受け入れる。

5.事業者は、表土を剥離した範囲を順次、緑色の農業用シートで覆う。

6.事業者は、令和6年1月以降、掘採を完了した部分に順次埋戻しを行うとともに、ガジュマルの植栽を行う。

 

 

 

         

 

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