チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

沖縄南部地区から辺野古に大量の土砂を搬送すれば、糸満・八重瀬一帯には採掘跡の巨大な穴がさらに増え、一帯は大変な状態となる!

2024年02月29日 | 沖縄・南部土砂問題//遺骨問題 

 辺野古・設計変更申請が昨年12月28日、国土交通大臣によって知事に代わって承認されてしまったので、大浦湾での工事が始まり、今後、沖縄南部地区からの辺野古への土砂調達も可能となってしまった。

 防衛省は、「沖縄戦の戦没者の遺骨が混じった土砂を米軍基地の埋立に使うことは人道上、許されない」という批判に対して、「土砂の調達先は決まっておりませんが、このような歴史のある沖縄において、御遺骨の問題は真摯に受け止める必要があると認識しており、こうしたことも踏まえながら、事業を進めてまいります」(24.2.6 防衛省文書回答)と、ごまかしの答弁を続けている。

 沖縄南部地区からの土砂調達については、2月6日の防衛省交渉でも追及したが、遺骨の問題以外にもさらに2つの問題がある。一つは、「南部地区の『白石岩ズリ』は埋立土としては利用できない」ということ、もう一つは、「南部地区から土砂を大量に持ち出せば、南部地区一帯は穴ぼこだらけになってしまう」ということだ。「白石岩ズリ」の問題については2月7日のブログでも説明したので、ここでは採掘跡の問題について説明する。

 沖縄南部地区には20数か所の鉱山(土砂採取地)があるが、防衛局は各鉱山への「辺野古にどれだけの土砂が出せか?」というアンケート調査結果をそのまま集計して、「南部地区からの辺野古への土砂調達可能量3160万㎥」とした。

 しかし、沖縄南部地区の鉱山の現状を見てほしい(末尾の写真参照)。沖縄南部地区一帯はほぼ平坦な地形のため、あちこちに鉱山採掘跡の巨大な穴が埋戻しもされずに放置されている。今、必要なのは、これらの採掘跡の埋戻しであり、辺野古への土砂搬送の余裕などない。

 このような現状でさらに南部地区の鉱山から辺野古に大量の土砂を搬出すれば、採掘跡の埋戻しのためにそれと同量の土砂が必要となる(実際には、石材部分の埋戻しも必要なため、それ以上の土砂が必要である)。

 これらの埋戻しのための土砂は何処から持ってくるのか? このままでは、沖縄南部地区一帯には、さらに多くの採掘跡の巨大な穴が出来、大変な状態になってしまう。

 2月6日の防衛省交渉でもこの問題を追及したが、防衛省の回答は、「個々の採石場における埋め戻しなどについては、採石事業者において法令等に基づいて適切に対応されるものと認識しています」というものであった。

 辺野古への土砂調達は、跡地の埋戻しが可能な範囲で行うべきことは当然であり、防衛省のこのような無責任な対応は認められない。

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<沖縄南部地区の鉱山の現状 --- 採掘跡の巨大な穴があちこちに放置されている>

 

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