今日(7月31日・木)は、辺野古に寄った後、午後、名護市の沖縄県北部土木事務所へ。
辺野古への埋立土砂を海上搬送している安和桟橋で死傷事故が発生したため、沖縄防衛局は本部塩川港、安和桟橋からの土砂搬送を、「事故の原因究明、再発防止策」を明らかにするまで中止せざるを得なくなっている。
しかし北部土木事務所長は、8月1日からの本部塩川港へのベルトコンベア設置のための港湾施設用地使用申請を許可してしまった。
本部町島ぐるみ会議は、「土砂搬送が当面ないにもかかわらず、ベルトコンベア設置の許可を出したのは何故か?」、「今回の死傷事故の再発防止策、本部塩川港、安和桟橋の安全対策は?」について説明を求め、今日、北部土木事務所と交渉した。
私たちが事前に提出していた質問・要請書を末尾に添付する。
交渉の冒頭、質問書に対する回答が文書で出されたが、全く不誠実な内容に終始し、我々の要請にはほとんど答えていないものだった。
北部土木事務所が今回の許可に当たって付した条件は、「6月28日に名護市安和桟橋において事故が発生したことから、港湾施設用地の使用に当たっては、当該事故原因が究明され、国による安全対策が講じられるまでの間は、普天間飛行場代替施設建設事業に関連する設備使用を中止すること。」というものであることが分かった。現状では、防衛局が原因究明、安全対策を示すまでにはまだまだ時間がかかる。当面、土砂搬送は再開できず、ベルトコンベアを稼働させることはできないことが明かであるにもかかわらず、何故、ベルトコンベアの設置許可を出したのか、全く理解できない。
そして問題は、国が一方的に、「事故原因、安全対策」と称したものを示して設備の使用を開始しようとしても、県がそれで十分なのかどうかを検証し、了解するまでは設備の使用を認めないという姿勢を貫くのかということである。
また、交渉の場でも確認したが、許可条件には、「本条件に違反したときは許可を取消すことがある」という項目もある。県の了解がないままベルトコンベアを稼働させれば、許可そのものを取り消すことができるのだ。ここでも県の毅然とした対応が問われる。
我々は、「回答文でも、『事故の詳細等の確認』をするとしている。今回の事故の状況等について、我々は、現場調査や、被害者、目撃者等の聞き取り等も続けてきた。それらについて、交渉とは別に、県の担当者とじっくり話をできる場を作ってもらえないか」と提案したが、答えはもらえなかった。
「面談は1時間」ということで交渉は途中で打ち切られ、中途半端なものに終わった。痛感したのは、「1名死亡、1名重傷」という大変な事故が発生したにもかかわらず、県が事態の重大性を全く認識していないということだ。
(写真は、Nさん撮影)
北部土木事務所への質問・要請書
第1.本部塩川港へのベルトコンベア設置許可について
辺野古への埋立土砂を海上搬送している安和桟橋で死傷事故が発生したため、防衛局は本部塩川港、安和桟橋からの土砂搬送を、「事故の原因究明、再発防止策」を明らかにするまで中止せざるを得なくなっている。
しかし北部土木事務所長は、8月1日からの本部塩川港へのシップローダ(以下、「ベルトコンベア」という)設置のための港湾施設用地使用申請を許可してしまった。
1-1.当面、土砂の搬送がなく、ベルトコンベアが稼働しないことが分かっているにもかかわらず、港湾施設用地使用申請を許可した理由を説明されたい。
1-2.許可にあたっては、「安和の事故について、原因究明をした上で再発防止をはかること。それまでは設備の使用はしないこと」という「許可の条件」を付したというが、正確な文面を説明されたい。
1-3.「設備の使用はしないこと」とはどういう意味か。港湾施設用地の使用はできないという意味か。
1-4.「原因究明・再発防止」が十分に行われたかどうかは、誰が判断するのか。防衛局が一方的に「原因究明、再発防止」を説明したとしても、所長が納得しない限り、「設備の使用」は認めないのか。
1-5.当面、土砂の搬送がないにもかかわらず、ベルトコンベア設置のための港湾施設用地使用申請を許可したことは納得できない。許可を取消すよう求める。
第2.今回の死傷事故と、本部塩川港、安和桟橋での規制について
2-1.国道449号の道路管理者として、今回の死傷事故についての見解を示されたい。
2-2.安和桟橋からは、大浦湾埋立てのために、今後ますます土砂海上搬送量が増え、大型貨物車の台数が増加する。国道449号は観光客等の車両の走行が多い幹線道路で、このままでは事故が多発する・安和桟橋に出入りする大型貨物車の台数を制限する必要があるのではないか。
2-3.車両乗入部では、歩行者、車両のどちらの通行が優先されるのか。あくまでも歩行者の通行が優先され、歩行者が通行しようとしている場合、車両は待機する必要があるのではないか。
2-4.今回の死傷事故を契機に、「安和桟橋付近の国道449号の歩道にガードレールを設置させよ」という声があるが、県としての見解を説明されたい。
2-5.また、「本部塩川港に、昨年撤去された警告看板を再設置せよ」、「本部塩川港を、作業中は立入禁止とせよ」という声があるが、県としての見解を説明されたい。