乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

その4言葉の重み

2008年09月16日 | 精神腫瘍学
精神腫瘍学 その4 医師の言葉の重み


注目の集まった精神腫瘍学講座、最終回はある患者さんからの質問のレポートです。

 術後二十数年して肺に再発、現在、再発治療4年目。ノルバディックスを1年間服用し、肺の転移がCT上では消失。現在、アリミデックスを3年間服用したところ、体調は良い。

 1年前から腫瘍マーカーが徐々に上昇、現在はCEAが8、CA15-3が60。
主治医が変わり、「薬は変えなくてよい」「再発は治らないから」とか、「突然悪くなり、血を吐いて亡くなることがある」「今のうちに身辺のするべきことはしておいたほうがよい」とか、検診の度に言われ、ウツ状態になってしまった。

 病院とは初発から30年間の付き合いにある。この病院では主治医の変更は認められず、どうしたらよいか迷っている。精神科にかかった方がよいか。


この質問が出された時、会場はどよめきました。
この患者さんの主治医が、検診の度に上記の通りの話し方をしたとしたら、やはりキツい。。。気持ちは沈むでしょうね。

しかし、病気の情報として不要なのか?

私は必要です。
体が動く内に、するべきことをしておきたいからです。

家族の立場だったら尚更、早めに知っておきたいと思うでしょう。患者の望みをなるべく多く叶える手助けしたい。しかし、それにはできることとできないことがある。できなさそうなことを叶えようとする場合、起こりうることに対しどのような対処をするか、腹をくくらなくちゃならないし。

要は、「言い方」じゃないかしら?

と、考えていたら、講師が、「医学的に正しいことが、患者のためになるとは限らない」と言いました。

医師の言葉は重みがあり、言葉の内には、希望も絶望もある。
医師は患者の人間性や個性を尊重するべきで、患者によっては、病気より患者を診てほしいと切に望む人もいる。

上記の場合だと、主治医の変更を希望し、受け入れられないのならば精神腫瘍科、心療内科や精神科でカウンセリングを受けたり、転院も視野に入れることも方法でしょうということでした。

講師(臨床医)のこの説明は、私にはちょっと医師側に対して厳しいかなと。。。
「亡くなることがある」とか、「身辺整理を」とかは、一度言われたら忘れられない言葉だと私は思うので、検診の度にこれを言われたら欝ってしまう。

しかし、“自分に都合の悪いことは聞こえない”態度を取る患者さんがいるのも事実(^^;)。「あれ、本当に理解したのだろうか?」と、医師が再度言ってみたくなる患者さんや家族もいると思うのです。医療訴訟が増加する現状では、念を入れたくなるような気もします。
とはいえ、大抵の患者さんは一回言えば忘れない、インパクトのある言葉大なんですよね。だって、「絶望」を伝えるわけですから。

問題は、この先、独居老人が増えた時だと思いました。
患者さんが単身で診察室にやって来て、医師は患者さんに絶望の予測を伝える。患者さんはわかってるんだかわかってないんだか、どーもわかんないような感じだったら、言葉をどのように変えて伝える作業をするのだろうか。。。

と、色々と考えさせられた講座でした。
このシリーズは思いがけず反響があり、アクセス数が大幅増。私も更に興味を深めていきたいと思います。
講座存続の要望書でも出そうかな。( ´艸`)

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なかのひと

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