乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

その2精神的つらさへの対処法

2008年09月11日 | 精神腫瘍学
  精神腫瘍学 その2 精神的つらさへの対処法

では具体的に、がん患者さんの悩みは何が一番多いかというと、「気持ちの問題」だそうです。

「がんの社会学」に関する合同研究班報告書(2004)より (n=7885)
1 不安などの心の問題48.6%
  再発・転移の不安 15.5%
  将来に対する漠然とした不安 11.9%
2 症状・副作用・後遺症 15.1%
3 家族・周囲の人との関係 11.3%
4 就労・経済的負担 7.9%
5 診断・治療 6.7%

で、講師は対処法として、先輩患者さんから学ぶことを提案。作家岸本葉子さんの「がんを生き抜く実践プログラム(NHK出版)」を例に紹介しました。

<精神的つらさへの対処法>

1 不安が強くなったら、自分の恐れていること、大切なことを書き出し、優先順位をつける。
2 変えられることと、変えられないことを区別し、前者については方法を検索する。後者については考えない、それに対する態度は自分で決める。
3 小さな具体的目標を設定し、行動する。一日の中のその時間を少しづつ多くする。
4 生活に方向性を持たせる。
どうすれば再発転移が防げるかは、誰にもわからない。だから、「再発転移した時に、何をしていたら、自分は後悔しないか」という視点から考えてみる。
5 落ち込みをあるがままに認める。日常生活に影響を及ぼすようなら、心の専門家に相談する。

私が着目したのは4の「再発転移した時に、何をしていたら、自分は後悔しないかという視点から考えてみる」です。

病気に限らず、重要な決断をする際、私はこのような視点に立つことにしています。例えば、親が末期がんと告知され、介護と自分の生活との配分をどうするか。仕事を減らして介護に集中した方が後悔しないのか、それとも仕事を増やしてヘルパーに頼んだ方が、未来の自分が納得しているのか、、、とか。

未来の自分が過去の自分を見るような感じもするこの方法、くよくよ悩んじゃって行動になかなか移さない自分にはイイ方法です。ちょっと先の未来をこうする、と目標を決めることにもなり、実行すると達成感を持てます。客観的に自分を眺めるトレーニングにもなると思います。

先輩患者さんに学ぶのに、闘病記を読むのもよい方法です。んが、私はちょっと失敗しますた。前出で紹介した精神科医の頼藤和寛先生の「私がんになっちゃいました」を、術後の病理結果が出ない一番不安な時期に読んだのですが・・・。

精神科医だから、病気の不安をうまく乗り切る方法なんかが書かれていると思いこんじゃったんです。この先生は、ユーモアがあってほんわかした読後感を持つ著作の多い先生です。

頼藤先生の話しは、エビデンスに基づく治療に始まり、医学的に見るとご自身の病状は明るくない。病気に対し、厳しくなりそうな未来を予測、現実を淡々と受け入れる様子が書かれていました。

病気と闘うとか、前向きにつきあうといったエネルギーを感じられない本だったんです。うまく乗り切ろうとしてはいなかったわけで。いつものユーモラスで楽しいノリじゃなかったんです。
しまった、暗くなっちゃいけない時期に読んじゃったよーと、暗くなってしまいました。

私の場合、暗くなった時は、暗い話しやホラー、ミステリー小説など、読むのは適さないという己を知ったわけです(^^;)。ここら辺の感覚は人によると思います。己を知り、情報収集の選択をしましょう。


で、お次はよくある患者の質問です。読みたい人はここをクリックよろしくね

いやはや、その1のアクセス数が過去最高を記録しますた。関心のある方がとても多いようですね。
もちろん、私もその一人。なので、地域の役所と医師が参加するNPOへ、「3人に1人はがんで死ぬ時代なんぢゃ、だから精神腫瘍学の専門家を呼んで少しでも平穏に暮らせるような講義をしてちょ(`▽´)ノ」と要望書を出したんです。で、両者ともに機会を設けてくれますた。なので2回も講演会が実施されますたよっ! 要望書、出してみるもんですねえ。。。

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” can be read in Japanese only:-)