西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

昔噺たぬき」-1

2012-05-24 | 笑えます、長唄(c)y.saionji
「昔噺たぬき」-1

この曲は、杵屋勝三郎が慶応元年(1865)に作った。
狸にまつわる逸話を寄せ集め、歌詞にしたという、
実にふざけた曲で、まじめに演奏するのがはばかられるような内容だ。

「それ 
 伝え聞く 茂林寺の
 分福茶釜のその由来
 怪しくもまた 面白き

 昔々その昔 婆食った爺の狸汁
 縁の下家の骨までも
 広尾の原の狸そば
 延びた鼻毛を頬かむり  
 狸長屋をまわろまわろと
 そそり節

 山で寝る時ゃ木の根が枕
 柴を背負ったら気をつけろ
 
 火の用心さっしゃりやしょ」


たぬき汁ならぬ、ばばあ汁にされてしまった婆さんの骨が
縁の下に隠してあった。
その骨を爺さんが拾った。
広尾の原に棲むたぬきが、延びた鼻毛を結わえて頬かむり。
そそり節を唄いながら、
「火の用心!」と狸長屋の路地を回っているという体。

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tea break
photo by 和尚
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