西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

七代目市川団十郎

2016-07-22 | 役者絵
これは歌川国安(寛政6〜天保3・1794〜1832年)の役者絵だ。
タイトルは「江戸自慢 役者天眼鏡」だ。
文政頃(1818〜)の作で、7代目市川団十郎を描いたものだ。

     


書き入れには
求めに応じて「三馬倅 式亭虎之助」が書いたとある。
(ひらがなは適宜漢字に変換した)

「市川の流れは絶えずして しかも元の俳優(わざおぎ)ぞ
 伝わり○○る されば氷らぬ水の筋
 いや次々に流行して 今ここに団十郎の名 盛んなり
 遠くは正徳の昔々 八王子の炭焼く翁は つがもないちょう 伯母をまねび
 近くは文政の今に至れど 山谷わたりの遣り手まで
 君なら君ならと贔屓せり 筋隈の朱(あけ)を彩る牡丹は
 上手(じょうず)の名取り草ともいうべし
 角鬘(すみかずら)の角(すみ)から角まで 評判高き一個の強者 
 開(ひら)け渡りし七代目 よく鼻筋も通りもの
 其の主さんは誰だと思う 東夷(とうい)南蛮 北狄(ほくてき)西戎(せいじゅう)
 四夷(しい)八荒(はっこう) 天地乾坤(てんちけんこん)のその間に
 有るべき人の知らざらんや 今世の中に成田屋の親玉株

 又た○い 荒事とのみ 思い草 ゆくつかもない 芸の数々」
 
東夷南蛮…=つまり全世界中に、という意味。 
 

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