7-「吉原雀」その2
『素見ぞめきは椋鳥の
群れつつ啄木鳥格子先
叩く水鶏の口まめ鳥に
孔雀ぞめきて目白押し
見世清掻のテンテツトン
さっさ押せ押せ』
●ひやかすだけの客は田舎者さ。群れて来ては見世先で、騒ぎ散らす。
きれいな衣装で居並ぶ女郎をひやかし、押し合いへし合い。
さあさあ開店だよ、いらっしゃい、いらっしゃい。
夕方の六時が吉原の夜見世の開店時間だ。
その合図が、清掻(すががき)というもので、三味線を弾く新造(遊女の妹分)が受け持つ。
各見世でそれが一斉に始まるのだから、土手八丁を歩いている客は心がはやって足もそぞろだ。
清掻が始まると、仕度を終えた遊女が二階から下りて来て、格子の間(つまりは飾り窓)に並ぶ。
遊女はそこで、文を書いたり、煙草を吸ったりしながら、鷹揚に客の付くのを待つ。
〓 〓 〓
tea breaku・海中百景
photo by 和尚
『素見ぞめきは椋鳥の
群れつつ啄木鳥格子先
叩く水鶏の口まめ鳥に
孔雀ぞめきて目白押し
見世清掻のテンテツトン
さっさ押せ押せ』
●ひやかすだけの客は田舎者さ。群れて来ては見世先で、騒ぎ散らす。
きれいな衣装で居並ぶ女郎をひやかし、押し合いへし合い。
さあさあ開店だよ、いらっしゃい、いらっしゃい。
夕方の六時が吉原の夜見世の開店時間だ。
その合図が、清掻(すががき)というもので、三味線を弾く新造(遊女の妹分)が受け持つ。
各見世でそれが一斉に始まるのだから、土手八丁を歩いている客は心がはやって足もそぞろだ。
清掻が始まると、仕度を終えた遊女が二階から下りて来て、格子の間(つまりは飾り窓)に並ぶ。
遊女はそこで、文を書いたり、煙草を吸ったりしながら、鷹揚に客の付くのを待つ。
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tea breaku・海中百景
photo by 和尚