ノアの小窓から

日々の思いを祈りとともに語りたい

寅さん

2016年08月08日 | 観る



      最近もそうだけど、
      去年あたり、寅さん映画の放送が毎週のようにあって、なぜか楽しみに観ている。
      なるほど、この年になって見ると、なかなか惹かれるものがあるのです。

      やさしい人しか登場しないドラマで、「これぞ家族のぬくもり」というお話です。
      「純情で、それゆえ、うまく社会に適応できない永遠の少年」寅さんが、でも、なぜか、
      家族の中でも、地域社会でも浮いていて、

      けっきょく、毎回、最後は寅さんが旅に出て行っておしまいになる。

      「あの甘ったれた性格がいやだよ」とわたし。
      「それがいいんだよ」と彼。
      「そうだよ。あの家族いいなあ」と、彼の友人。
      「寅さんは、おれの憧れだよ」と、別の男も追従する。


      彼等は、寅さんとは対照的な男達だった。
      物書き志望だったり、劇団員だったり、雑誌記者だったり、放送台本を書いていたり、
      寅さんに、
      「おい、インテリ」とか「おい、芸術家」と、軽蔑のまなざしで呼ばれそうな男たち。
      理屈っぽくて、自信ありげで、世の中を変えたいと思っていたり・・・。
      共通しているのは、みな、ある意味、家庭と社会からはじき出されていた。

      そうだ。

      彼らは、さくらが好きだったんだ。団子屋の おばちゃんがすきだったんだ。
      あんな風に、やさしく受け入れてくれる女たちが好きだったんだ。

      でも、そんな女は、もう絶滅寸前だったんだね。
      あの、かならず起きる家族間でのつかみ合いの喧嘩もそうだけど。
      
      あれが、彼らの夢であると、当時のわたしは、気がつかなかった。

      ウーマンリブと、高学歴が始まった時代だった。
      女たちが男を見る基準が変わっていたんだね。
      男たちは、自由に憧れていて、でも、きびしく値踏みされていて、きっと内心
      ひるんでいたんだ。

      そっか。そうなんだ。、
      だって、女はそろそろ、家庭の外に出ようと、していたころだものね。
      



 
      
    、
    
      


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。