ノアの小窓から

日々の思いを祈りとともに語りたい

最上の業

2017年09月25日 | 





         最上の業

    この世の最上の業は何?
    楽しい心で年をとり、働きたいけれども休み、
    しゃべりたいけれども黙り、失望しそうな時に希望し、
    従順に平静に、おのれの十字架を担う。
    若者が元気一杯で歩むのを見ても、ねたまず、
    人のために働くよりも、謙虚に人の世話になり、
    弱って、もはや人のために役立たずとも、親切で柔和であること。
    老いの重荷は、神の賜物。古びた心にこれで最後の磨きをかける。


    誠の故郷に行くために己をこの世につなぐ鎖を
    少しずつ外してゆくのはまことにえらい仕事。
    こうして、何もできなくなればそれを謙虚に承諾するのだ。
    神は最後に、一番よい仕事を残して下さる。それは祈りだ。
    手は何も出来ないけれども最後まで合掌できる
    愛するすべての人の上に神の恵みを求めるために。
    すべてを成し終えたら臨終の床に、神の声を聞くだろう
    『来たれ我が友よ。我汝を見捨てじ。』と。
              「人生の秋」(ヘルマン・ホルベルス著)より