ノアの小窓から

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聖書に見る美貌17  ヤコブの二人の妻2

2016年11月17日 | 聖書





      ヤコブの物語には、多くの聖書読者が釈然としない思いをするのです。
      とくに、クリスチャンはそうです。

      四人の妻(二人はそばめだとしても)から12人の息子を得て、大家族を立てたなんて、
      現代の価値観からは、そぐわない気がするのです。
      大家族自体は、喜ばしいことかもしれませんが、
      4回の結婚離婚も許せないのに、あろうことか妻4人が同居でなんて、
      大富豪トランプさんでも、そこまではできません。

      ひとりの男と複数の妻の家庭というのが、当時の社会ではあり得たのだからという以外にありません。
      聖書は、はじめ、それが書かれた時代とその社会の習慣や枠組みや人々を使って、
      その時代を生きた人々に与えられたのです。

      聖書で、一夫多妻や様々な不公平や理不尽を容認されているように見えるのは、
      神が、そのように生きるしかない人間に歩み寄られたと説明されています。

          

      しかし、ヤコブの多妻(四人の妻)についてなら、ヤコブのために弁護できます。

      ヤコブは、最初から美しいラケルとだけの結婚を望んでいたのです。
      レアを迎えなければならなかったのは、おじラバンの奸計によるのです。


      ヤコブのラケルに対する愛は、終生変わることがありませんでした。
      後に、ヤコブは一族を率いて、ハランから故郷エフラテに戻るのですが、
      ラケルは、旅の途中、難産のために死ぬのです。

      そのとき生まれたのが、ラケルの二番目の息子ベニヤミンでした。
      不妊の女ラケルは、ヤコブにヨセフとベニヤミンを残したのです。

      ヤコブがヨセフを特別扱いにして愛したのは、ラケルへの思いを引きずっていたためです。
      美貌のラケルの血を引いたヨセフは、美貌で、そのために
      兄弟から憎まれ、女難にあいます。
      しかし、兄たちによってヨセフがエジプトに売り飛ばされ、
      その地で、出世したことが、飢饉のときにイスラエルの一族を救ったのですから、

      それも、神様の計らいだったといえなくありません。


      後に、イスラエル初代の王サウルは、ベニヤミン族の出身でした。
      サウルがやはり「美しい男」だったことも、思い起こされるのです。

      ヤコブの長い長い物語は、創世記の後半を占めていますが、(創世記25章~50章)
      とても面白いので、ぜひ、お読みになってください。