タラゴナの思い出は、「のんびりとしていて、心から休息した気分」です。
宿は、一階がバル(バー兼カフェ兼レストラン)で、二階がホテルになっていました。
3階4階にも部屋ががあったのか、今では記憶にありません。
やせっぽちのせいでいつもなんとなくお腹を空かせている身では、階下で食事ができるのは助かるのです。
スペインの人は美男美女が多いうえに、とにかく笑顔がいい。それも率直な笑顔です。
バルのマスターは、闘牛士でも連想させる身のこなしと、ふしぎな自信がみなぎっている人。
安ホテルですから、うやうやしくはしてくれませんが、そっけなさそうで親しみやすさがあります。
スペイン語のわからない私が一所懸命英語で話そうとすると、その目はおかしそうに笑っていて、
けっきょく、「シー」「シー」と、スペイン語で返事を返してきます。
最近紹介されているタラゴナは、観光地としてとても洗練されているようなので、
日本語だって通じるかもしれませんが、
当時はとにかく、「地球の歩き方」(ガイドブック)と、自分の足と勘が頼り。
★ ★ ★★ ★
のんびり、とぼとぼ。のんびり、とぼとぼと、海に向かって歩いていると、
突然、闘技場が見えたのです。
あの映画や写真でしか見たことがない、ローマの円形闘技場とそっくりなのが目の前に。
真っ青な海と真っ青な空をバックに、視界の底いっぱいに広がっていたのです!!