ノアの小窓から

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預言者――エレミヤ

2015年05月22日 | 聖書

 次のような主のことばが私にあった。
                                   「わたしは、あなたを胎内に形造る前から、
                                   あなたを知り、
                                   あなたが腹からでる前から、あなたを聖別し、  
                                   あなたを国々への預言者と定めていた。」
                                   そこで、私は言った。
                                   「ああ、神、主よ。
                                   ご覧のとおり、私はまだ若くて、
                                   どう語っていいかわかりません。」

                                 すると、主は私に仰せられた。
                                   「まだ若い、と言うな。
                                   わたしがあなたを遣わすどんな所へでも行き、
                                   わたしがあなたに命じるすべての事を語れ。
                                   彼らの顔を恐れるな。
                                   わたしはあなたとともにいて、
                                   あなたを救い出すからだ。
                                   ――主のみ告げ――」
                                        (旧約聖書・エレミヤ書1章4節~8節)


           
               ★ ★ 


         エレミヤは、「涙の預言者」と言われています。
         古代イスラエル南王国が衰亡に瀕していく時代に(BC627年~BC585年頃)、
         預言者として、神から召命を受けました。
         まだ、20歳くらいだったエレミヤは、責任の重大さに、神の召しを断りましたが、
         「まだ、若いと言うな」とのお返事でした。

         当時のイスラエルは、日ごとに勢力を増す東のバビロンと南のエジプトに挟まれ、
         国中が大国の顔色をうかがって、日和見的な政策で動揺し、
         国の柱である神殿礼拝や律法は忘れられていました。

         エレミヤは、様々な思惑に乱れる国にあって、神からの預言を語り続けます。

         「このままでは、国は滅びる」というエレミヤの預言は、
         王から民に至るまで疎んじられ、厭われ、
         彼は、投獄の憂き目にさえあうのです。

         エレミヤについて、新聖書辞典は次のように解説しています。(一部抜粋)



         エレミヤは神の代言者として、真の預言者意識とは何であるかを、預言者としての
         苦悩の中から、最も強く示している。神から託されたメッセージを忠実に自分の民に語れば
         語るほど、それだけいっそう強くその民から迫害を受け、民には受け入れられず、
         偽預言者呼ばわりされた。(中略)

         しかし、エレミヤも人の子であり、預言者職の厳しさの前に自分の弱さを知らされ、
         預言者として召されたことだけでなく、この世に生まれてきたことさえものろうという、
         限界的な心理状態までも体験した。――(後略)