猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

薄氷の殺人

2015-01-24 02:49:42 | 日記
中国・香港合作映画「薄氷の殺人」を観にいった。
1999年。1人の男のバラバラにされた遺体が、6都市15ヵ所の石炭工場で相次いで見つかった。
妻に離婚を突き付けられていた刑事ジャン(リャオ・ファン)は、この猟奇的な事件の捜査にあた
っていた。やがて被害者がリアン・ジージュン(ワン・シュエピン)という男だと判明。容疑者として
あがったリウ兄弟は、逮捕時に抵抗し射殺され、真相はわからずじまいになってしまう。それから
5年後、この事件と同様の殺人事件が2件起きる。警察を辞職し警備員になっていたジャンも、
独自に事件の調査を始め、リアン・ジージュンの未亡人ウー・ジージェン(グイ・ルンメイ)に行き
着く。被害者たちはいずれも殺される直前にウーと親密な関係にあった。やがてジャンもまた
ウーに惹かれていく。

暗く重苦しい映画だった。全体的にセリフが少なく、映像で描写されていて、私の好きなタイプの
映画である。野外スケート場、登場人物たちの吐く白い息。中国の冬の寒さが伝わってくる。本当
に、観ているだけで寒さを感じるのだ。
サスペンスとしてはそれほどおもしろくはない。粗野な感じのジャンと、いかにも薄幸そうな無表情
のウーの関係性を観る映画だと思った。ウーは何者をも近づけず、誰とも関わりを持とうとしない。
そのウーの感情を持たないような雰囲気に、ジャンは惹かれていく。他の男たちと同様に。
事件の真相はどこにあるのか。ウーは悪女なのか?
なかなかおもしろかったが、この映画、ベルリン国際映画祭で金熊賞(グランプリ)を受賞している
のだ。そんなにいいかな?と思った。同じ中国のサスペンス映画なら、去年観た「罪の手ざわり」
の方が圧倒的におもしろかった。ただ「罪の手ざわり」はサスペンスというよりも人間ドラマに近い
かもしれないが。
それと、この映画、原題は「白昼の花火」というのだが、そのままで良かったのに、と思った。その
タイトルの方が合っている。どうしてわざわざ邦題をつけるのかなあ。



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