1973年のオランダ映画「危険な愛」。
彫刻家の青年エリック(ルトガー・ハウアー)は、ヒッチハイクで知り合った
若い女性オルハ(モニク・ヴァン・デ・ヴェン)と恋に落ちる。やがて2人は
オルハの母親の猛反対を押し切って結婚し、幸せな日々を送り始める。しか
し、良き理解者だったオルハの父親の死をきっかけに2人の結婚生活は破綻
していく。
ポール・ヴァーホーヴェン監督のオランダ時代の作品で、ルトガー・ハウア
ーの映画デビュー作。オランダで大ヒットしたそうだ。といっても万人受け
する映画ではないのは確か。グロテスク、エロティック、汚い、下品のオン
パレード。悪趣味とも言える作品なのだが、不思議とおもしろく観られる。
彫刻家で奔放な青年エリックはヒッチハイクをしていて、オルハという女性
の車に乗せてもらう。意気投合する2人だが、オルハは事故を起こしてしま
い、大ケガをする。その後回復したオルハとエリックは結婚を希望するが、
オルハが未成年であることから彼女の母親に大反対される。しかし父親が味
方になってくれて結婚にこぎつける。
冒頭のシーンは何だったのだろう。エリックの妄想だったのか、現実だった
のか。そしてとにかくヌードシーンが多い(もちろんR18指定である)。もう
裸、裸、裸。グロテスクで汚いシーンも多く、1歩間違えれば変態映画にな
るかもしれない。それでもやっぱり純愛映画なのだろうと思う。エリックも
奔放だがオルハもかなり奔放で、彼らは正気の沙汰ではないような行動をよ
くとっている。それでも幸せに暮らしているのだから、心に通じ合うものが
あるのだろう。しかしそんな生活も長くは続かず、オルハの父親が危篤だと
いう連絡があり、2人は駆けつけるが父親は息を引き取ってしまう。
オルハは父の死をきっかけに実家に帰ってしまうのだが、これがよくわから
なかった。ショックすぎたのか、あるいは母を1人にしておけないと思った
のか。そしてエリックとオルハの関係は壊れていってしまう。やがてオルハ
は金持ちのアメリカ人と交際を始め、結婚してアメリカに行くと言い出す。
オルハを失ったエリックの悲しみの表情が何ともいえない。エリックはいわ
ゆる「変な人」だが、オルハへの愛は本物だったのだろう。海辺でケガをし
たカモメを連れて帰り、手当をしてから海に帰すシーンのエリックの淋しそ
うな表情がとてもいい。
多分数年経っているのだろうが、エリックとオルハは再会し、オルハがコー
ヒーを飲もうと言うので喫茶店に入るが、エリックはオルハの様子がおかし
いことに気づく。途中までの変態映画っぽさと打って変わって、終盤はとて
も切ない展開になる。やっぱり彼らの愛は本物だったのだろう。でもラスト
シーンはとてもあっけなく、悲しかった。ルトガー・ハウアーという人はす
ごく印象に残る俳優だと思う。
良かったらこちらもどうぞ。ポール・ヴァーホーヴェン監督作品です。
「ELLE エル」
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彫刻家の青年エリック(ルトガー・ハウアー)は、ヒッチハイクで知り合った
若い女性オルハ(モニク・ヴァン・デ・ヴェン)と恋に落ちる。やがて2人は
オルハの母親の猛反対を押し切って結婚し、幸せな日々を送り始める。しか
し、良き理解者だったオルハの父親の死をきっかけに2人の結婚生活は破綻
していく。
ポール・ヴァーホーヴェン監督のオランダ時代の作品で、ルトガー・ハウア
ーの映画デビュー作。オランダで大ヒットしたそうだ。といっても万人受け
する映画ではないのは確か。グロテスク、エロティック、汚い、下品のオン
パレード。悪趣味とも言える作品なのだが、不思議とおもしろく観られる。
彫刻家で奔放な青年エリックはヒッチハイクをしていて、オルハという女性
の車に乗せてもらう。意気投合する2人だが、オルハは事故を起こしてしま
い、大ケガをする。その後回復したオルハとエリックは結婚を希望するが、
オルハが未成年であることから彼女の母親に大反対される。しかし父親が味
方になってくれて結婚にこぎつける。
冒頭のシーンは何だったのだろう。エリックの妄想だったのか、現実だった
のか。そしてとにかくヌードシーンが多い(もちろんR18指定である)。もう
裸、裸、裸。グロテスクで汚いシーンも多く、1歩間違えれば変態映画にな
るかもしれない。それでもやっぱり純愛映画なのだろうと思う。エリックも
奔放だがオルハもかなり奔放で、彼らは正気の沙汰ではないような行動をよ
くとっている。それでも幸せに暮らしているのだから、心に通じ合うものが
あるのだろう。しかしそんな生活も長くは続かず、オルハの父親が危篤だと
いう連絡があり、2人は駆けつけるが父親は息を引き取ってしまう。
オルハは父の死をきっかけに実家に帰ってしまうのだが、これがよくわから
なかった。ショックすぎたのか、あるいは母を1人にしておけないと思った
のか。そしてエリックとオルハの関係は壊れていってしまう。やがてオルハ
は金持ちのアメリカ人と交際を始め、結婚してアメリカに行くと言い出す。
オルハを失ったエリックの悲しみの表情が何ともいえない。エリックはいわ
ゆる「変な人」だが、オルハへの愛は本物だったのだろう。海辺でケガをし
たカモメを連れて帰り、手当をしてから海に帰すシーンのエリックの淋しそ
うな表情がとてもいい。
多分数年経っているのだろうが、エリックとオルハは再会し、オルハがコー
ヒーを飲もうと言うので喫茶店に入るが、エリックはオルハの様子がおかし
いことに気づく。途中までの変態映画っぽさと打って変わって、終盤はとて
も切ない展開になる。やっぱり彼らの愛は本物だったのだろう。でもラスト
シーンはとてもあっけなく、悲しかった。ルトガー・ハウアーという人はす
ごく印象に残る俳優だと思う。
良かったらこちらもどうぞ。ポール・ヴァーホーヴェン監督作品です。
「ELLE エル」
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公開当時大ヒットしたそうですね。
ハリウッド映画とか見慣れている人には受付けにくそうな感じですね。
グロテスクだったりエロティックだつたりする内容は刺激的で面白いかもしれないけど
過度な内容は難色を示しそうですよね。
妙な雰囲気も登場人物が彫刻家というアートをする人間という設定で納得できます。
エリックがヒッチハイクをした車がオルハの車なんですね。
事故のおかげで入院とかする羽目になり長く接したので、
愛が芽生えた感じですね。
結婚に反対するのは、事故を起こしたオルハの母親より
事故にまきこまれたエリックの親の方が反対しそうな気がするのに逆に感じます。
オルハの結婚に賛成してくれた父の死からは
2人のカップルの関係は崩れていきますね。
若いうちの結婚ってうまくいかず破綻しやすいんでしょうかね。
今後の生活も含め現実的な部分も熟慮しておらず
気持ちだけで結婚したせいでしょうか……。
味方してくれた父がいないと、脆いですね。
オルハは、アメリカ人と交際しアメリカに行くとか言い始めたんですね。
数年後にエリックとオルハが再会したところをみると、
結局、アメリカ人と結婚しなかったかのか、あるいは、結婚してアメリカ行ったけど、
それも長続きせず、帰ってきたのか分からないけど、
その時はアメリカ人とは少なくとも別れていましたよね…。
どうもヨーロッパ映画の傾向として、ハッピーエンドでは無さそうです。
コメントありがとうございます。シュールというより悪趣味な感じですね。
ここまで表現しなきゃいけない?って感じです。
オランダで大ヒットしたのか…と不思議な気がしますが、それを私も観てますからね(^-^;)
エリックは芸術家なので変な人設定でもうなずけます。
エリックとオルハが破綻していったのは、オルハがまだ子供だったからかなあ、と思います。
オルハにとって父の死は大きかったと思います。
オルハは多分アメリカ人と結婚してアメリカに行ったけど、
その人ともうまくいかなくて帰国したんでしょうね。
その頃からオルハの様子がおかしくなっていきます。
ハッピーエンドではないですね。切ない終わり方ですが、結構おもしろかったです。
ひとつ前の『危険な愛』の中でご紹介された『ELLE エル』を観ました。
が、2度目に自宅に侵入されたところで、狭心症の私の心臓には危険な感じで、脱落しました(笑)
また、体調の良い時に挑戦しようと思います。
で、21年6月22日の記事の『家へ帰ろう』を観ました。
とても、いい映画でした!
再会の場面で、私も涙が出ました。
これから先、人生の最後の方で、アブラハムさんのように、やり残したことを悔いのないようにやってみたいと、思ったりしました。
とてもいい映画だと思ったことを、お伝えしたくてコメントしました。
これからも、よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。「ELLE」はなかなか怖いサスペンスです。
心臓の弱い方には厳しいかもしれませんね(汗)
ポール・ヴァーホーヴェンの映画はハラハラするのが多いです。
「家へ帰ろう」は本当にいい映画でしたね。感動的でした。
生きているのかもわからない親友に会いにいき、再会できたシーンは忘れられません。
大好きな映画です。
観てくださって嬉しいです。こちらこそ、これからもよろしくお願いします。