-less[レス]

2003年のフランス・アメリカ合作映画「-less[レス]」。

クリスマス・イブの夜。ハリントン一家は、毎年恒例のクリスマス・パーティーに
出席するため、おばあちゃんの家へと向かっていた。20年以上も同じ道を通ってき
た父親・フランク(レイ・ワイズ)だったが、この日彼は近道を発見し、ひと気のな
いその道に車を進めた。ところが、どうしたことか行けども行けども目的地に辿り
着かず、道はどんどん暗く薄気味悪くなっていった。やがて一家は、赤ん坊を抱え
道端に佇む白いドレスの女と遭遇する。それを機に、一家に不可解な出来事が起こ
り始める。

ちょっと変わったホラー映画。クリスマス・パーティーに出席するため、おばあち
ゃんの家まで車を走らせているハリントン一家。乗っているのは父親、母親、娘、
息子、娘の恋人の5人。父親は通い慣れたいつもの道とは違い、近道を通っていた。
途中、赤ん坊を抱いた白い服の女を道端で見かける。おかしなことに車はちっとも
目的地に辿り着かず、他の車とすれ違いもしない。次第に不安になっていく一家。
もうこの「行けども行けども目的地に辿り着かない」というシチュエーションが怖
い。家族は少しずつ冷静さを失っていき、特に母親はおかしなことを口走るように
なる。そしてまず娘の恋人が、次に息子が不可解な方法で命を落とす。
オカルト的な怖さだけでなく、一家の本音が見えてくる怖さもある。普通の家族に
見えるが、それぞれ秘密を持っている。それが暴露されていくのはオカルトより怖
いことかもしれない。特に母親の狂いっぷりはすごい。人は不安や恐怖を感じると
ああまでおかしくなるのか、という感じ。母親の演技がこの映画に一層の恐怖を与
えている。いつまでも続く道、狂っていく家族。なかなかおもしろかった。




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