猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

宿命

2022-05-15 21:53:45 | 日記
2008年の韓国映画「宿命」。

父の死後、男癖の悪い母の家を出たウミン(ソン・スンホン)は、道端で
裏社会で生きるドワン(キム・イングォン)に出会う。ウミンとドワンは
意気投合するが、ドワンと組んでいるチョルジュン(クォン・サンウ)は
ウミンの存在を快く思っていなかった。彼らは人生をやり直すため、対
立する組織の金を盗む作戦を実行するのだが、失敗し、ウソンは逮捕さ
れる。2年間の服役生活を終えて出所し、裏社会に戻ったウミンが目に
したのは、多くの部下を従えるチョルジュンの姿だった。

ソン・スンホンとクォン・サンウ共演のサスペンス・アクション。この
2人の共演は豪華だが、それ程おもしろくなかったかなあ、という感じ。
ウソンは裏社会で生きるドワンと知り合い、仲良くなる。だがドワンと
組んでいるチョルジュンはそれをあまり良く思っていない。ドワンは重
い薬物中毒で、ウミンはドワンを治してやりたいと思っていた。やがて
チョルジュンたちは足を洗うために、対立する組織のカジノを襲撃して
金を強奪する計画を立てるが、失敗し、ウミンはリーダーから代表して
自首してくれと言われる。ウミンは自首し、2年間の服役を終えて戻る
が、その間にチョルジュンは出世して多くの部下を抱えていた。
足を洗うために強盗をするというのがヤクザの考え方だなあ。1からや
り直そうとは思わないのだろう。仲間のために代表して自首させられた
ウソンは気の毒だ。ウソンという人は根はいい人なのだが、なかなか普
通の生活に戻れない。親友のドワンの薬物中毒はますますひどくなって
おり、ウソンは何とかしなければと思う。しかしこれは本人に治そうと
いう気持ちがなければなかなかうまくいかないものである。
クォン・サンウが演じるチョルジュンのキャラクターに魅力を感じない
のが残念。見た目はもちろんかっこいいのだが、チョルジュンは短気で
やたらすぐに怒ったりどなったりして、うるさいというか落ち着きがな
いというか。もっとどっしりと構えていられないのか、と思う。チョル
ジュンが夫婦関係がうまくいっていない妹から相談を受けて、後日妹の
夫に「ケンカするのはいい。だが妹に手をあげたら承知しない」と言う
シーンは静かな迫力がある。妹の夫は「はい、約束します」と答えるが、
ああいう義兄がいたら怖いだろうなあ。チョルジュンはロクな人間では
ないが妹はかわいいんだな、と思った。
全体的にアクションが弱いというか、ヤクザがどうして銃を持たずに棒
や刃物で戦っているのだろう、と思った。ヤクザ映画ならやっぱり銃だ
ろう。だから迫力が今ひとつなのだ。棒でボコボコ殴っててもねえ。終
盤は悲劇的な方向へ向かう。ウソンとドワンがそれぞれよりを戻そうと
していた元恋人の女性たちもかわいそうだ。ラストはあっけなく、いき
なり終わる感じ。この終わり方は賛否あるかもしれないが、私はまあ良
かったんじゃないの、と思った。でも物語自体がもっとおもしろかった
ら良かったなあ。スンホンとサンウ目当てに観るのならいいかもしれな
い。




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コメント (2)
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